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2006年10月30日

古本まつり=公開講座=自費出版=自転車

第47回 神田古本まつり新庄の最後の打席。

日本シリーズの大切な場面にも関わらず中日のピッチャーが全部ストレートを投げてた。こういう体育会系のノリ好きやわー。美談とかじゃないのね。もっと肉体的なところでそうさせるんだろうという意味で。

毎度の神田古本まつり。

戦争と芸術 関連で狙っている本を探すもほとんど見つからず、結局欲望に負けて関係ない本をいろいろ買った。ネット通販、東京堂書店などで買ったものも含めて以下。

Hugo Pratt『Corto Maltese』(Frankfurter Allgemeine)
山口泰二『アメリカ美術と国吉康雄』(日本放送出版協会)
ゴーリキー『ゴーリキー短編集』(岩波書店)
『AERA COMIC ニッポンのマンガ』(朝日新聞社)
『遠近 2006年10・11月号』(山川出版社)
『InterCommunication 2000年春号』(NTT出版)
『芸術新潮 1982年7月号』(新潮社)
『哲学・思想がわかる』(日本文芸社)
『世界の神話がわかる』(日本文芸社)
『日本宗教のすべて』(日本文芸社)
『世界超古代文明の謎』(日本文芸社)
『コンバット・バイブル』(日本出版社)
ビデオ『うしろの正面だあれ』(監督:有原誠治)

併催の神田ブックフェスティバルではNTT出版のバーゲンブックが安く、『InterCommunication 2000年春号』が500円だった(特集は戦争の世紀と芸術)。稲葉振一郎さんの『モダンのクールダウン』も500円だったが迷った後にスルー。日本文芸社のワゴンで買った4冊は大人買い。

あと『The King Of Fighters 第2話』の絵コンテ&設定が80円で売っていたので購入。どこかの外注先がまとめて売ったんだろうな。

帰りに紀伊国屋書店によると、出版社のアスペクトから同名のPR誌が出てた。『文学賞メッタ斬り』の豊崎由美さんが「芥川賞B面文化史」なる面白い連載を始めている。フリーペーパー全盛時代ですな。

東京工芸大学の公開講座

IKIFのIさんによるアニメーション講座を受講。円盤に連続する絵を描き、クルクル回す事で絵が動いているように見せる おどろき盤 を軸に、フィルムからデジタルへと移りゆくアニメーションの流れをザザッと紹介。

IKIFさんが押井守作品に関わった最初のシーンが『劇場版パトレイバー』の海に浮かぶ工場をCGで表現したシーンだったことを知った。僕は同作が後期押井作品の極点なので、妙に嬉しかった。

3Dアニメに関してちょっと思うことがある。3Dアニメの場合、モデリングは別の人がやって、動きのみをつけるという仕事が存在する。ある意味アニメーションの核心とも言えるかもしれないが、手描きの場合はキャラクターを描くこととアニメーションをつくることがセットになっているので、その違いは大きい。やっぱり3Dアニメは人形アニメの系譜に納めるべきなんだろうな。

文芸社・新風舎の盛衰と自費出版

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自費出版・協力(共同)出版・商業出版のことがよくわかる連載。この中で問題となっているのは協力(共同)出版であり、自費出版ではないことは抑えておく必要がある。ただし、DTP費や印刷費が下がっているので、自費出版における制作費のあり方も見直される時期が来ているのかもしれない。そこに漬け込まれたのが協力出版とも考えられるので。

自費出版に関しては、編集者に対して支払われる「編集費」を自費出版における対価とすべきだと僕は考える。そして、編集者のランクによってその単価が変わるというのがシンプルで正しい方向だと思うのだ。

上記の出版以外に僕が問題にしたいのは、商業出版における広告出版である。雑誌が売れないために広告が記事とより密接になっていく。その負のスパイラルが止まらない。何部売ったかではなく、どれだけ広告費を集めたかが決め手となる。誰が本を殺すのか。自費出版ではないだろう。

ウォーターハウスのカレンダーか…悪くない

弐代目・青い日記帳さんはフェルメールも好きだし、具象を愛するという意味でも絵の趣味が似てるのかもしれないなぁ。

ブログが就職の「落とし穴」? ググられる学生たち

明日は我が身だ!

スキマスイッチ『アカツキの詩』PV

監督は稲葉卓也さん、キャラデザは加藤久仁生さんというROBOTコンビによるアニメPV。見なきゃ。

PrettyChatだああ

2006年にプリティチャットに言及してる人発見。浜丘麻矢は元気にやってるだろうか。

喪女が喪女でなくなる日

悲しいときー。プロフィールのイラストから連想してすっかり喪女だと思って親近感を持っていたら、表紙のカバーに写っている写真が少しも喪女じゃなかったときー。

オタクに忍び寄る自転車ブームの影?

竹熊健太郎さんが自転車を手に入れたらしい。実は言うと僕も来週、自転車が届く。今もママチャリで中野から六本木界隈まで通っているのだが、スピードに難があるためロード系の20インチという流行モノを購入した(超イイんだこれが…)。それでも定期代を考えれば数ヶ月で元が取れてしまう。

composing chiptune on DS lite ?

DS上の NitroTracker で曲を演奏している。ところで、この曲はNitroTrackerでつくられたものなのだろうか…。

最近の迷惑メール

迷惑メールの文章は誰が書いているのだろうか? 書いている量が半端ではない。しかも最近はいろいろ手が込んできた。URLにアクセスさせることが第一の目的であることは変わらないが、何となく書いている本人は笑わそうと思ってやってるような気もする。そうでなきゃ、やってられないよね。モチベーション的に。

Posted by Syun Osawa at 00:03

2006年10月29日

博士と女中

考え中…(海野十三の作品より)

博士と女中

海野十三の作品をアニメにしようと考えている。『まんが日本昔ばなし』風がいいなぁと思っていたら、等身が下がってきた。立体を正確に捉えて等身を下げていきたいが、できるかな僕に。女中はゴスロリにしたほうが雰囲気が出るような気がするのと、博士の鬼嫁をこの雰囲気でつくるのが難しくて困った。

Posted by Syun Osawa at 00:17

2006年10月27日

かみちゅ!(全16話)

監督:舛成孝二/2006年/日本/アニメ

かみちゅ!世代的には僕より上の世代の舞台設定なんだけど、ズガンときてしまった。心のそこからアニメって素晴らしいと言うよ!

声優初挑戦のボンボンブランコ・MAKOの声がゆりえのキャラを引き出している。アイドルが声優をやるという不届きな流れの中ではスマッシュヒットなのではないか(他をあまり見てないので何とも言えないけど…)。

ようするにブリッコか? 僕のように、モテないどころか、女性とまともに話をすることもままならないような男が好きになるであろうイメージとしての女の子が見事に表現されているのだ。

尾道に背景も素晴らしいし、動きも美麗。そして何より話が面白い。だからといってくだらなさの競争になっていないし、下ネタもない。各話のタイトルが80年代アイドルの曲に由来しているとはいえ、佐藤大さんの作品のような洒落た感じもない。おっさんのアニメオタクが喜ぶような、シンプルで大切なものがたくさん詰まっているアニメだった。

以下感想(批評じゃないよ、ただのメモ)。読み返してみると、どんどんMAKOにハマっていく自分を発見できる。今でもアニメは夢中で見てしまうんだよなぁ…。おっさんなのに。

第01話 青春のいじわる

中学生で神様。なのに大好きな人に告白したことはおろか、名前すら覚えられてない。でもめげない。神作画。

第02話 神様お願い

地元の神様が逃げ出す。それを連れ戻す話。あいかわらず動きが凄い。「千と千尋の神隠し」の美少女バージョンというところ。ブリッコ具合が鼻につくが、かなり雰囲気ある。

第03話 そんなつもりじゃなかったのに

貧乏神が猫(たま)に憑依する話。憑依するという概念があるのに、主人公は神様という一単体なのだろうか? 今回の作画は一休みという感じ。不思議な展開。家に貧乏神が住み着き、そこからいろいろなことが起こるというのは面白い。コメンタリーにMAKOが登場。ボンボンブランコの娘だった。

第04話 地球の危機

火星人の話。「宇宙戦争」を元ネタにした火星人とか中曽根総理大臣とか牛歩戦術とか。内容はシンプル。世代的に楽しめる人にはとても楽しい仕上がりになっている。20代後半から40代前半のアニメオタ用。

第05話 ひとりぼっちは嫌い

神様が風邪を引いたときの話。中学生のときに風邪を引いて昼間寝ているときの空気感がよく出ている。この時代をノスタルジーで描いたという意味で稀有な作品なのかも。主人公は相変わらずロリ声全開。

第06話 小さな決心

テストの結果は最悪。後輩の女の子が好きな男子に接近。一緒に部活に入る。ベタな展開ながらかなり可愛らしい展開。名前を少し覚えてもらって「だいたいあってますから」の台詞とか、MAKOの非常識なくらいの棒読みの萌え台詞が効いてる。

第07話 太陽の恋人たち

ノスタアルジーから更なるノスタルジーへ。海の家の神様というトンデモなところから、両親の若い頃へ。お父さんが町の写真を撮り続けている過去が明らかになって何ともいい気分になった。

第08話 野生時代

くだらねー。くだらなすぎて感動。猫たちの物語。アクションシーンが凄い事になっている。アニメーターがのびのびやってる感じ。動きも凄いし、妙に社会性もあるし、男と女の関係もあるし。行って来いの物語もあるし。DVDオリジナルの話らしい。どうりで作画が素敵なわけだ。

第09話 時の河を越えて

「戦争画」関連でも貴重な回となった。美少女作品で丁寧に大和を描いている。もちろん『男達の大和』などのブームに乗ったものであろうが、モーニング娘を自衛隊入隊のポスターに登場させるような匂い。それをすぐに戦争うんぬんに捉えるのは節足。マニアがいるというのがほんとのところでしょう。内容的にはわりと普通。第04話との兼ね合いが面白い。コメンタリーでそのことについて触れていて、思想的ないとは全くなかったとのこと。4話が左で9話が右という不毛な感じが面白い。

第10話 君に決定

ゆりえが生徒会長に立候補する話。「私って人望ないから」がツボ。あとは、応援演説のところで感動させるところが、『じゃりんこチエ』でテツが結婚式でやったスピーチくらい感動した。

第11話 恋は行方不明

ビデオで挿入された話。JR西日本の電車(オレンジと緑)が懐かしい感じ。ちょっと絵柄が変わっているような感じがする。白っぽいし。あと、背景を見てみると雲なんかもサラッと描いている。でも上手いんだな。主張しすぎず、風景としても様になってるギリギリのライン。中学生の駆け落ちネタで、原田知世似の映画が出てきたり、ケチャップが口についてたり、そのへんのところが細かくて可愛い。わかる人には凄く楽しめる内容。野中藍がコメンタリーに登場。適当なヤツだな。

第12話 ふしぎなぼうけん

12月、出雲神社が神様が集まるという事でゆりえが転校する。転校した場所でみんな神様扱いするので、なかなか友達ができないという話。『いまを生きる』のようなラストとかも、恥ずかしげもなくやってるので、そういうのも含めていい。シナリオがシンプルでいいですな。

第13話 やりたい放題

クリスマスの話。ゆりえとけんじの距離感がちょっと縮まった感じ。神仏とキリストみたいなところを扱いながら、恋愛パートで二人の関係が深まっていくところが良かった。

第14話 夢色のメッセージ

正月の本当に何もない一日。これはこれで『かみちゅ』らしい。ボケーッとした1月4日くらいの一日の様子、中学生にとっての一日の長さみたいなものがよく表現されている。コタツにいるゆりえの描写がとても生々しい。

第15話 ちいさな一歩で

バレンタインデーの話。ゆりえがいよいよ告白。みんながゆりえの告白に協力するくだりはムズがゆすぎるくらいだけど、その後、それが成就されるところでシンプルな感動がある。二人で空を飛ぶところまで昇華できるところがこのアニメのユーモラスなところだろう。

第16話 ほらね、春が来た

終わったー! 最後の最後までどーでもいい事に時間を使っていく物語が展開された。人間の心の豊かさはいかにどーでもいい事に時間を割けるかにあると考えていることもあって(今のところ)、それを真っ直ぐに描いた『かみちゅ』シリーズは楽しかった。大掃除、中学生の恋人同士の会話、女の子同士の会話。そして最後の街の情景。素晴らしい。身体をいちいち動かしながら喋るところとか、動きのデフォルメ感がブリッコを強調させていて、アニメらしさがすこぶるよく表現されていた作品だったのではないだろうか。

Posted by Syun Osawa at 00:25

2006年10月25日

月刊COMICリュウ 創刊号

2006年11月号/徳間書店/B5

月刊COMICリュウ雑誌の読者対象を30代以上の男性に創刊された漫画雑誌ということで購入。…というのはウソで、付録に押井守監督のDVDがついていたので購入(でもDVDはまだ見ていない)。

読者対象が30代を超えるというのは不思議な話ではない。そもそも青年雑誌だったはずの『ヤングマガジン』だってすでに読者の中心は30代を越えているのだから、10代を中心に据えた雑誌を探す方が今は難しいのかもしれない。

さて、中身について。

僕の高校時代の愛読漫画雑誌は『ビッグコミック』と『ビッグコミックオリジナル』、『近代麻雀オリジナル』などであった。その頃から、こうした雑誌は30代以上の男性が読むものだと思っていたので、高校生の僕は少し背伸びしたような気持ちで読んでいた。そんな学生時代を思い出しつつも、もはや未来ではなくなった読者対象30代の『月刊COMICリュウ』を読み、ここでやっとあることに気がついた。こんな重大なことを気づかないなんて僕はバカだ。

僕は角川・徳間系の漫画雑誌を買った事がなかったのだ。そして、その頃から漫画編集者としての大塚英志さんが嫌いだった(ライターとしての大塚英志さんの仕事は面白いので嫌いではないのだが)。『月刊COMICリュウ』は、その界隈のど真ん中にある漫画雑誌だったのだ。漫画雑誌にはそれぞれカラーがあり、それは編集の方針によっても左右される。読者はそういうのを嗅ぎ分けながら、自分の好きな匂いの雑誌を選び取るのが常が。ところが漫画雑誌というものを10年近く買っていなかった僕には、そんな漫画を読む人なら誰もが持っている力が退化していたようだ。

というわけで『月刊COMICリュウ』はパスかなぁ…。

Posted by Syun Osawa at 00:32

2006年10月23日

哲学堂=それが大事=ID論

哲学堂

中野にあったからいいものの、これが地方の山間部とかにあったら完全にトンデモ認定される類の施設だよな。井上円了と言えば、民具コレクション展 をやっていた中野区立歴史民族資料館も微妙な施設だった。

芥川龍之介のまとめ本がなかなか読み進まない。形容詞の多い作品はイライラする。綿矢りささんの「夢を与える」も進まない。でも本をまた買ってしまう。

『NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版 10月号』(日経NG社)
『デジタルカメラ プロの使い方』(日経NG社)
左巻健男編『新しい科学の教科書 2分野』(文一総合出版)
関東軍報道部監修『北方画信』(陸軍美術協会)
『イリューム 第35号』(東京電力)

大事マンブラザーズを見て思うこと

大事マンブラザースが『アメトーク』で「それが大事」を歌っていた。バラエティ番組で往年のヒット曲を歌うことは「ヨゴレ」と言われる仕事かもしれない。しかし、僕は彼ほど「それが大事」の歌詞に忠実な人はいないのではないかと思う。彼は今も歌手を諦めていない。

アストロノート草稿

電波詩。萩原朔太郎賞をとった『アストロノート』の草稿らしい。

それなんてFLASHアニメ?

一時のブームのように自らFLASHでアニメ作っていることを公言しないまでも、実はFLASHでアニメ作っている人って結構いるんじゃないだろうか…。

3Dのトムとジェリー

3Dになっているのを初めて見た。うーん。ミッキー にしても、いい感じに動いているように思うのだけど人気のほどはどうなのだろうか。僕はまだ懐疑的。

サルの島で踊るFLASHアニメ

Ninja Tuneのサイトで公開されているColdcut「This Island Earth」のPV。最後の踊るあたりの演出がよい。

マンガの逆輸入ブーム再び?

かつてエイベックスがイタロハウスのコンピを日本で作り、海外で発売したものを輸入して発売するという荒業を使って成功したことがある。日本でも小林桂一さんなどが有名なところだろうか…。

YouTubeが動画3万件も削除されたのに…

Youtubeをのぞいてみると、当たり前のように違法動画が上がっている。Youtubeに公開されている動画ファイルの中で違法ではないものの率ってどれくらいなのだろうか? とくに日本。

インテリジェントデザイン理論とは何だ?

今一番暑いネタ。

不適格教員からひとこと

このエントリのポイントは「うちの大学のことは」放っておいてほしいという事である。

太田光、吼える

遊狂Blogより。島田さんのブログはRSSでチェックしているので、この記事 のことも知っていましたが、ラジオで激昂していたとは…。誰かが口頭で伝えたんだろうか。

ゴリラズが自叙伝出版へ

Amazonで発見。それにしても高いな。ブックファーストか紀伊国屋書店あたりで立ち読みするほかない。

Posted by Syun Osawa at 00:56

2006年10月20日

ニコポル三部作

エンキ・ビラル/2000−2001年/河出書房新社/B4変型

ニコポル三部作1巻 不死者のカーニバル
2巻 罠の女
3巻 冷たい赤道

絵が物語ってる。『 モンスターの眠り 』(河出書房新社)よりも内容がシンプルで、ニコポルとホルス(神様)の珍道中が楽しめる。そんな物語を支えるこってりとした絵の濃密なこと。

ニコポルは宇宙からの帰還者。宇宙にいる間は仮死状態だったため、帰還したときには彼の息子と同じ年になってしまっている。しかも同じ容姿で双子のよう、というSF的な設定。そんな未来にやってきたニコポルにホルスという不良な神様が憑依して、ファシストをやっつけたりチェス・ボクシング(何だそれ?)のチャンピオンになったりするのだ。

1冊あたり48ページの短い作品だが、フルカラーで内容も凝縮されているため日本のマンガのようにグイグイと読み進めることは出来ない。1コマあたりの熱量も高くどのコマも見過ごせないし、モブの一部に物語の複線などもちりばめられているなど1コマあたりの情報量が多い。1冊目と3冊目は三人称で描かれているが、2冊目はジルという女(ニコポルの恋人)の一人称で描かれているところも興味深かった。

また、2冊目のミステリー的などんでん返しや、3冊目の時代は繰り返されるという教訓など、テーマが『 モンスターの眠り 』よりもわかりやすい印象を受ける。ファシストが支配するパリとそれに対抗する勢力としてのチェコ・ソヴィエトという構図。第二次世界大戦後、冷戦を見据えたシンプルな視点。それが『モンスターの眠り』になるとユーゴ紛争とグローバル化が絡んできて、諷刺というよりは悲哀というにふさわしいテーマが裏側に込められ重くなる。そういう事情もあってか、ニコポルシリーズはわりとライトな感じで読むことができた。

バンド・デシネって楽しいな。もっと読みたいなぁ。アメコミは買い込んだのがかなりあるんだけど、BDはほとんどない。っていうか、日本語訳がほとんどない。近年の印刷技術の向上などを考えると、フルカラー漫画とはいえもう少し安く出せるんじゃないのかなぁ? 作家がハードカバーの高級な感じでないとダメと言っているのだろうか…。そうでないのなら、海外小説みたいにもっとシンプルな形で邦訳を販売してくれると嬉しいんだけどなぁ…。

Posted by Syun Osawa at 00:23

2006年10月18日

マンガの心

手塚治虫/1994年/光文社/四六

マンガの心手塚治虫さんって思ったより多くの本を書いているんだねぇ。漫画ハウツー本もいくつか書いており、この本もその一つ。驚いたことに思想が岡田斗司夫さんの『 プチクリ 』(幻冬舎)だった。

僕はことあるごとに、プチクリ、プチクリと言ってるけれど、別に岡田さんの信者なわけでも何でもなく、とてもまっとうなことを改めてプチクリと言って何になるんだ? と思っているに過ぎない。この本で漫画の描き方を教えているが、別にプロを養成しようとしているわけではない。お母さんが子どものためにとか、同人即売会で売るためにといったことを視野に入れて書いている。そして、プロになるにはさらなる努力と才能が必要になると書いてある。この流れはまんま『プチクリ』である。だからプチクリ批判は変だと思うし、プチクリ本そのものの存在意義も僕にはよくわからない。

で、この本で学んだことがいくつかある。道具の話とかはスルーして、長編を書く前に短い漫画(4p、8p)を上手くまとめてみせよというくだり。4コマ漫画は長編の基礎というところまでいくと、衒学めいてくるので疑問も残るが。とにかく僕も4コマのカラー漫画を描いてみよう。

あと、長編漫画を描くにあたって、成功の成否をにぎる新鮮さを出す方法を以下のようにまとめている。

1. あまり他の漫画作品を見ないこと。
2. 深く考えすぎず、ただマイペースで描くこと。
3. 描いている途中で、人の意見を入れないこと。

ほかにも、こんなことが書いてあったな。

漫画を描くうえで、これだけは絶対に守らねばならぬことがある。
それは、基本的人権だ。
どんな痛烈な、どぎつい問題を漫画で訴えてもいいのだが、基本的人権だけは、断じて茶化してはならない。

この姿勢が大塚英志さんのいう「倫理」ということなのだろう。

Posted by Syun Osawa at 00:20

2006年10月16日

雑誌を毎月買ってみよう=ネットラジオの音量=海羊

今週はいろいろな発見があった。

WindowsのFLASHで描いた絵をイラレに配置するためのファイル形式として、Windowsメタファイルが最良であることを今さらながら知った。

FireFoxのメモリ消費量を減らす方法 についても同様。

雑誌を定期購読するという行為の復活に向けて

高校生の頃は漫画雑誌や雑誌を買うために月3000円の予算を計上していた。今はゼロ。そこで月1000円を予算にして雑誌を定期購読してみようと思っている。高校生の頃より予算が低いのもどうかと思うが、それくらい僕にとって雑誌の価値を見つけることが難しくなっているのだ。

音楽雑誌はネット音楽を聴くようになってからは完全に必要性を失った。ハイエンドステレオ雑誌は僕には敷居が高い。ファッション誌はもともと僕とは無縁の世界。論壇誌はうーん(よく立ち読みはするけど)。漫画雑誌はいろいろ買っているが、これというものが見つからない。情報誌として候補に上げていた『 NEUTRAL 』という雑誌はやや高めなので断念。安い『 ダカーポ 』もいいかなと思っているが二の足を踏んでいる。

そうだ! 雑誌を決める前にジャンルを決めなきゃ。

科学系の教育雑誌に注目。『 子供の科学 』が仕事にも関係しており方向性としてはいいのだが、なんか微妙。『 日経サイエンス 』や『 科学 』は硬過ぎるし値段も高い。無料で読める東京電力の『 イリューム 』はさっそく登録した。左巻健男さん が来年に新雑誌を立ち上げるらしいが、まだ少し先の話。

で、第一候補は『 ナショナル・ジオグラフィック 日本版 』になった。これは僕が求めるものに相当近い。値段はきっかり1000円。とりあえずこれを買い続けて見ましょうか。

(買った本)
ハーヨ・ヂュヒティング『カンディンスキー』(TASCHEN)
芥川龍之介『羅生門・蜘蛛の糸・杜子春 外十八篇』(文藝春秋)
日本総合研究所『揺らぐソ連・模索する東欧』(NHK出版)
外務省欧亜局ソヴィエト連邦課 編『ソヴィエト社会主義共和国連邦』(日本国際問題研究所)

ネットラジオの音量が気になる

最近気になることも相変わらずどうでもいいことばかりだ。例えばネットラジオの音量について。ミキサーがいるのかどうかは知らないが、歌と声のボリュームの調整くらいはして欲しい。会話が小さくて音量を上げたら、CMに入ると音がガーンと響くという事も少なくない。ラジオの平坦な音に慣れすぎたのが原因かなぁ…。テレビとかもそのへん平坦だよね。日本の狭い住宅事情をよくわかっている。

シェリル・クロウすげぇ!

日本でこれできるミュージシャンいるかなぁ…。

3Dアニメが重力から開放されることの意義

MOUTONS by Simon Blanc & Vivien Cabrol

もしも「海羊」なんていう生き物がいたら? …というファンタジー。3Dが捉われ続けていた(2Dもだが)重力への視線からキャラクターの動きを開放した。海の中で泳ぐことと、地面のように歩くことを混在させることで、2Dでいうところのスーパーフラット的(多点透視図法的な)な世界を提示している。

Posted by Syun Osawa at 00:45

2006年10月15日

朝日新書創刊記念トークショー「今、教養とは」

2006年10月9日/丸ビルホール

朝日新書創刊記念トークショーイベントのタイトルが凄いのでちょっとビビるも、出演者が豪華なので聞きに行った。お目当てだったのは姜尚中さん、齋藤孝さん、保阪正康さん、星浩さんによるトークショー。みんなトークがべらぼうに上手い。三者三様のトーク術を持っていて、かなり感心させられた。

千住博さんのスペインのアルタミラ洞窟に描かれた野牛の話も面白かった。氷河期の当時、野牛がいるはずもなく、想像で描かれていたらしいことや平面に描かれたものはほとんどないことなど、社会で習った知識以上に深みのある人の思いがそこにあった事に嬉しくなった。

ただ気になった点が一つあった。最後の方で「芸術とはイマジネーションのコミュニケーションである」と述べ、続いて「芸術とは平和のことだ」と言われた。前者は支持するが、後者については補足する必要があると思う。僕ならば後半をこう言い換えたい。

「芸術とは平和を求める闘争である。」

コミュニケーションが円滑な状態を僕は平和な状態であると考える。そして、それを求めるものが芸術であると考える。なぜならば、戦争とは平和を求めて行なわれるものだと考えており、文学者を含む芸術家が政治にコミットしたとき、より過激な方針をとると考えるからである。よく芸術家が政治家になることを平和を導く先導者であるかのごとく言う人があるが、そんなことは決してないのだ。この点については右翼も左翼も関係がない。こうした捉え方が 戦争と芸術 を考える上での一つの指針でもあるのだが、この先、こうした思いがどう変化するかはわからない。

Posted by Syun Osawa at 00:12

2006年10月13日

真壁昇一(まかべ・しょういち)

冒険家・真壁宏と地球外生物の間に生まれたハーフな小学生。

真壁昇一(まかべ・しょういち)

昇一って顔しとる。地球外生物との間に生まれたというのは父親の宏が言っているだけで、それを示す根拠は昇一の赤い眼しかない。彼は喜怒哀楽を示す態度が定期的に変化する。例えば気持ちは嬉しいのに怒った態度をとったかと思えば、次のときは嬉しいのに哀しみの態度をとるというように。そのため誤解を受けやすく、学校でよくトラブルを起こすのだが、父は担任の先生に地球外生物の防衛反応であると説明している。

今回のキャラではちょっとだけタッチを変えてみた。僕の絵は線が硬いのでちょっとグニャッているくらいの方が見た目がいいかもしれないと思ったり、思わなかったり。

Posted by Syun Osawa at 00:21

2006年10月11日

エロコト=綿矢りさ=ポリトコフスカヤ

チビコト坂本龍一さんが編集人をつとめる『エロコト』(木楽舎)という雑誌を見かけた。これは『ソトコト』編集部がしかけた企画である。先日『週刊金曜日』に掲載された『ソトコト』編集部と環境庁との蜜月記事や、飯田橋にある公共施設に『チビコト』が他の官庁系の広報誌といっしょに置かれている事などから、『ソトコト』関連の動向が少しだけ気になっている。

飯田橋で『チビコト』を見かけたときの話。

公的な広報誌はすぐに判別できる。すべてがダサいからだ(これは教育系のものにも当てはまるのだが…)。その中に置かれた『チビコト』はすぐに目を引いた。この蜜月は何か? キーワードの「ロハス」にも影響している。坂本龍一さんの音楽は大好きだが、「ロハス」に村上隆さんと坂本龍一さんが絡んでいることも気にかかる。

アンナ・ポリトコフスカヤさんが殺された

アンナ・ポリトコフスカヤさんは『 チェチェンやめられない戦争 』(NHK出版)を書いたジャーナリスト。そして、僕の大好きなジャーナリストの一人だった。チェチェンの問題を彼女の小さな背中に背負わせ続けていたジャーナリズムとは何なのか? 彼女を殺した相手について考えると同時に、そのことも考える必要があると思う。

りさたん、かわいいよ、りさたん

『文藝 2006年冬季号』(河出書房新社)に綿矢りささんの作品が載っていた。女性の作家は無理して美人に写ろうと頑張っている写真が多いが、この人のナチュラルな可愛らしさは僕のようなキモオタの心をくすぐる何かがある。これはアイドルではなく女子アナ系のオタクに近いものかもしれないが。事実は小説より…とはよく言ったものである。

そのほかの由無しごと

宣伝誌『ちくま 10月号』(筑摩書房)に中野晴行さんのコラム「酒井七馬の謎 3」が載っている。『 ぼくはマンガ家 』で手塚治虫さんが書いていたこと(酒井の晩年は不遇だった)が誤解だったことが判明。結構活躍していたらしい。

ジブリの広報誌『熱風 10月号』はロバート・ウェストール特集。宮崎駿さんがインタビューに答えている。宮崎さんには珍しくいろんな本の話をしていた。僕もウェストール読んでみるかな。

まんとらの配信がMirancaというウェブTVのサイトのコンテンツとして買われた。そのため、Mirancaに登録しなければ映像を見ることができない。激重。番組を見るために何クリックさせるつもりだ?

スタッフの起承転結

『猫の恩返し』の監督である森田宏幸さんのブログがずっと面白い。プロのアニメーターも、結局は「自分の好きな題材で好きなように作りたい」と思っているんだなぁ…と思える稀有なサイト。

靖国神社遊就館:米が批判の記述修正

恣意的なのかどうかが読み取れない。アメリカに言われると変更するが、中国や韓国から言われても変更しないという風に読めてしまう。これは印象操作? 中国や韓国から具体的な削除依頼があり、それを突っぱねたという事実はこの記事から読み取れない。

本格評論の終焉

日記の中を探って読んで見ましょう。そのあと2ちゃんスレを通過し、各人のブログへ。二階堂さんを支持する人は皆無なんですけど、僕は結構面白く読んでいます。なぜなら、少なくとも彼が日常を面白くする役回りを担っていると思うからです。

The most beautiful CG girl #2 Magazine

2D、3DのWebマガジンをPDFで発行しているサイト。このネタ続いていたのね。嬉しいです。そして何よりPDFで見られるのがよい。どうやら 第3回 も終了しているみたい。

The TUNESの3DキャラPV

フランスの3Dは本当にシンプルで面白い。

FLASHと影絵の相性って超いいんだなぁ

この作品の肝は光の加減。僕はこの光と影で画面を演出するのがとても苦手。だから、これをできる人は全員尊敬しているのだ。

大学教員の給与(年収)

私大のみなのが残念。国公立との比較とかいろいろ見てみたいが、人の財布の中身を気にするようになったらアレなので忘れよう。とりあえず左翼(元・新左翼など)の大学教員などもこれくらいもらっているわけで、そりゃゲバラにはなれないわな。誰一人として。

論座 2006年11月号

話題の特集号。

ネットアイドルのクオリティ☆

今でもちゃぷさんが心のNO.1なんですけどね…。あと、関係ないけど日本で活動する外国人アイドルにも注目しておりまして、水着水着 なのだ。

極私的Flash史 〜黎明篇〜

日刊デジクリを読んでる人なら、渋松対談なみに恒例となっている笠居トシヒロさんとまつむらまきおさんの対談記事なわけですが、本当の黎明期で面白いです。

Posted by Syun Osawa at 00:30

2006年10月10日

「突破人」について

「突破人」というのはこういう作品

…なわけですが、えらく中途半端に中断してしまいました。その理由はひとえに僕の力が未熟だったことにあります。その時々に描きたいエピソードを形にしたら作品になるだろうというのが甘かったのです。

今思うと、この作品は森を出るべきではなかったのです。望月峯太郎さんの『ドラゴンヘッド』がトンネルから出たとたんつまらなくなったように、森の中で起きた一夜の出来事を軸にしながら、それ以外のことは平行して描くべきだったと思います。2話以降は深みのあるストーリーを成立させようと必死になりすぎており、ピンチが少しも感じられません。ドキドキ感が足りないのです。

「突破人」は東アジア系の少女とイタリア系のマフィアの逃避行を目指した作品でした。そのためのプロローグをシンプルに描こうと思ったら、間延びしてしまい、本編に入らないままに中断してしまったのです。

僕は本編の一つとして、デブのマザコン男が母を亡くし、復讐に向うエピソードを描きたいと思っていました。マザコン男は復讐を果たす際に死んでしまうのですが、そこで初めて男として成長するのです。マザコン男が復讐相手に対して放った弾丸は当たりませんでした。復讐相手は逃避中のバッジョ(マフィア)の弾丸に倒れるのです。復讐相手の銃弾によって死が近づくマザコン男を介抱するケイ(少女)。マザコン男はケイに対して「僕やったよ。見たでしょ? 僕がやったんだ。」と語り続けます。ケイはバッジョに目を向けますが、バッジョは何もこたえません。このベタなエピソード。ヤクザモノの王道ですね。

…というようなことを思っていたのですが、制作方法を変えないとこうした作品をつくるのは難しいようです。「突破人」は現在放置状態にありますが、前記したような森での演出を加えて、ドキドキワクワク感のある作品にリニューアルさせたいと思っています。

Posted by Syun Osawa at 00:14

2006年10月09日

デザインの現場 1992年12月号

1992年/美術出版社/A4
特集:コミックスの芸術家たち

デザインの現場 1992年12月号以前、古本屋で購入した本。この号は海外の漫画家の特集をしており、メビウス、エンキ・ビラル、ルスタル、エマニュエル・ギベール、ボードワン、デイヴ・マッキーンらのインタビューと作品の一部がカラーで紹介されている。

メビウス、エンキ・ビラルはいいとして、それ以外にもいろいろな作家がいるのだな。当たり前か。しかもかなり作品を出している。ところがネットで検索してみてもほとんどの作品がひっかからない。邦訳されていないのだ。エマニュエル・ギベールの『 ブリュンヌ 』というナチスを題材にした漫画などは恐ろしく精密に描かれており、何と8年の歳月を費やしたらしい。読みたいー!

海外小説は膨大な量が邦訳で販売されているのに、漫画となるとその数が一気に少なくなる。少なくなるだけならいいのだが、単価が上がり高級仕様になってしまう。文化の違いという事かもしれないし、漫画大国日本には海外の作品が入ってきにくいという事かもしれない。

もちろん、好きなら原著で読めということなんだろうな。僕はフランス語はおろか英語すら読めないバカだからなぁ…。でも読みたいんだなぁ。そして僕も絶対にフルカラー漫画同人誌を作ってやるぞと、かたく決意するのであった。

Posted by Syun Osawa at 00:35

2006年10月06日

戦え! 軍人くん

吉田戦車/1989年/スコラ/四六

戦え! 軍人くん僕は子供のころにこの漫画を読んで「ワカメ酒」というものを知った。その衝撃はトラウマとなり、僕の人格形成に深い影を落としている。いじめてくん(いじめると爆発する生き物)が始めて登場したのもこの本らしい。

ギャグ漫画って時事ネタを入れるから、古いものは笑えないと思っていたらそうでもなかった。手塚治虫さんの『 ぼくはマンガ家 』(角川書店)で四コマ漫画についての言及があるが、吉田さんは手塚ルールをさらに発展させているような感じがする。過去の四コマの法則を打ち破っているというよりは、起承転結それぞれのコマで語られる内容に広がりがある感じ。だから、普通に笑えるのだ。

僕の場合だったら、こういうのがツボ。

(1コマ目)セックスのあと、後始末をしている二人
女:あんたセックスより好きなもの、他にないの?
男:お前こそあるのかよ

(2コマ目)二人とも考える
男&女:セックスより好きなもの……

(3コマ目)二人同時に思いつく
男&女:カニかな?

(4コマ目)二人とも顔を背けて照れながら
男&女:いーんだ! それでいーんだ!!

Posted by Syun Osawa at 00:09

2006年10月04日

ネット巡回が滞り始める

自転車欲しいー! 頭の中はこれでいっぱい。目当ての自転車がいくつかあって、5万前後の街乗りマウンテンバイクかロードレーサー。これさえあれば秋葉原まで自転車で行けるんだ。

買おうか迷っている漫画もいろいろあって、この漫画 とか この本 あたりが欲しいんだけど、高いんだ。大人なのに大人買いできない甲斐性無しの悲哀を感じつつ、アニメ特集の『 遠近 第13号 』は抑えておこうかなと思っとります。こういう マニアックな本 とかも惹かれるんだよな…。

で、先週買った本。

黒咲一人『55歳の地図』(日本文芸社)
坂口尚『12色物語』(講談社)
坂口尚『VERSION』全2巻(講談社)
J.ワグナー、V.ロック『ヒストリー・オブ・バイオレンス』(小学館プロダクション)
リン・クァンムック『斬華抄』(エンターブレイン)
紡木たく『やさしい手を、もってる』(集英社)
トオマス・マン『トオマス・マン短編集』(岩波書店)
ヘミングウェイ『日はまた昇る』(岩波書店)
藤岡信勝/自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史』(扶桑社)
藤岡信勝/自由主義史観研究会『教科書が教えない歴史2』(扶桑社)

アクション・ペインティングを知っているか?

FLASHでジャクソン・ポロックのドロップ・ペインティングを体験できるサイト。ポロックの絵を知らないと、どうやって遊ぶかわからないかも。適当にクリックしながらグチャグチャすればよいのです。そういや、ポロック展って日本で開催されてるんだろうか?

ダニと美女の恋物語PV

疲れているときはこういうバカっぽいのがよくなるんだ。

最近の「パリクじゃん!」意識について

すぐにこの手の感情が湧き上がる人は、80年代のシュミレーショニズムから90年代の誰でもリミックスを経た今、あえて「盗作」とか「パクリ」とか言っているという立ち位置だろうか…。

結構まじめに考えたこと

1億3,600万円あったら、最大何人の人命が救われるのだろうか? 結構まじめに考えてしまった。

ウェブアニメ「あゆまゆ劇場」が始まった

パトレイバーのミニパトとか古くはSDガンダム的なスピンオフなんでしょうかね。原作はほぼ未体験だけど、意外に楽しめるかな。

日本中の碇シンジ君たち、殻の中から出てくるのだ!

凡人向けエントリの乱発で、最近また宮台さんのブログが熱い。

Posted by Syun Osawa at 00:41

2006年10月03日

ミステリーの書き方

アメリカ探偵作家クラブ/1998年/講談社/文庫

ミステリーの書き方30年近く前に書かれたハウツー本。

アメリカ探偵作家クラブに所属する有名な作家たちが寄稿する形になっているので、どこか「上手いこと言う大会」の様相を呈していた。具体的な内容に踏み込んだものもあれば、哲学的な意見を表明しただけのものもあり、創作の手順や技法も様々。キャラ設定を重視する人もいれば、世界観を大事にする人。文体に命をかける人もいる。

印象としては、ディーン・R・クーンツが『 ベストセラー小説の書き方 』(朝日新聞社)で「重視せよ」と訴えていたプロットに関して言及している人が多かったように思う。

やっぱしプロットは大事なんだな。僕の場合は小説は書かないので、アニメと漫画に置き換えて考える事になる。シーンばかり断片的に思い浮かべて喜んでいては、いつまで経ってもまともな作品などできやしないのだ。僕はそれだけが好きなヤツなので、考え方を大きく改めねばならない。

ピンチとアクションを散りばめた、わかりやすいプロット。純文学も純アニメ(なんてあるか?)などどうでもよく、頭には『 未来少年コナン 』しか浮かんできていない。あの作品はまさにピンチとアクションの連続だった。

Posted by Syun Osawa at 00:03

2006年10月02日

モーニング・ツー 創刊号

2006年9月/講談社/B5

モーニング2講談社の老舗青年誌(正確には中年誌か)である『モーニング』の若手編集者達がつくったもう一つの『モーニング』。創刊号&オール読みきりだったこともあって購入。

以前のエントリ で『IKKI』(小学館)みたいだったらどうしよう…という心配をしていたら的中してしまった。さらに『エロティクス』的なノリが加わってる? 読んだことないので、ようわかりませんが、オシャレとカワイイのノリが付加されとることくらいは立ち読みの段階で気づくべきだった。久しく漫画雑誌を読んでいなかったので、自分の嗜好に合う漫画雑誌をすんなり見つける力も衰えてしまったようだ。

僕の趣味とも重なる戦争漫画『ブラウン☆ライフ』は期待感をもって読むも、最後まで共感を抱けず。戦争って笑いで克服することができる? 慣れっこになるという意味を超えて笑う? それをできるやつはただの変人で、普通の人間ならば無感情になることで克服するのだと思う。

そういうのも含めて、全体的に人間の感情の描き方にギャップを感じてしまった。それはたぶん年齢の問題ではなく、僕の生真面目さのせいかもしれない。20代から30代の女性、もしくは少女漫画を読んで育った男の子には響くのかな?

前々から知人に薦められている『ビーム』などはどうだろうか…。

何かの雑誌(漫画でなくてもよい)を定期購読がしたいのです。

Posted by Syun Osawa at 00:41

2006年10月01日

社会主義とは何だったか

塩川伸明/1994年/頸草書房/四六

社会主義とは何だったか「社会主義と全体主義」が収録されていた『 ソ連とは何だったか 』(頸草書房)と対になっている本だったので、ついでに流し読み。かつてマルクス主義者や広義の左翼だった人(宮崎駿さんも含まれる)が、ソ連崩壊で抱えた虚脱感からどのように立ち直るか? みたいなところに本の主眼があったと思うので、そういうのが何一つ無い僕には本当に流して読んだだけになってしまった。ちなみに、宮崎駿さんの立ち直り方を知りたければ漫画版『風の谷のナウシカ』(徳間書店)を読めばよい。

そんなわけで、社会主義というよりは資本主義を見つめるためのもう一つの視点としての社会主義を扱った「社会科学と思想」とか「転向論再考」あたりの文章が僕の興味にもピッタリときて面白かった。社会主義はもちろんのこと資本主義も完璧ではあり得ない。だからといって、第三の道は示されていない。世間に漂う閉塞感とやらは、恐らくこうした状況に由来しているのではないかと思うのだがどうだろうか。

もう一点、社会科学のタコ壷化と思想性の衰弱を指摘し、現代思想家の論を援用して何かを語ろうとする学者に対して異議を唱えている部分も興味深い。

一番安易な対処法は、様々な領域における「最先端」「最新流行」の言葉に飛びつき、流行語を振り回すことによって、自らが知的ファッションに敏感であることを堅持し、それをもって「脱領域の知性」の証とするような行き方である。こうした傾向は今日隆盛を極めているが、何ら解決にはならない。

僕がおっさんになってきたために、こういう言葉に響いてしまうのだろう。特に「何ら解決にはならない」というところ。学者の仕事というのは最終的に人類の最大幸福をめざすために存在すると思うし、それは経済のシステムも同様だと思っているので、そもそもそうした前提を放棄した学者に対して共感することができないのだ。

ジャパニメーションは何故敗れるのかで、大塚英志さんが「固定されたイデオロギー」という言葉を使用して、引っかかったことが、塩川さんの本を読むと納得する。固定されたイデオロギーとは「マルクス主義」のことだろうか? 違う。では戦後民主主義か? 何だそりゃ?

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:33