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2008年10月31日

ひぐらしのなく頃に解(全24話)

監督:今千秋/2007年/日本/アニメ

ひぐらしのなく頃に解(全24話)解は前作のヒットがあったからなのか、作画のクオリティは圧倒的に前作を越えていた。とにかく金がかかってる。だからといって、前作を越えて面白かったかというと、そうでもないのがアニメーションの面白いところだな。

「ひぐらし」シリーズの核心部分を、仲間や兄弟との絆や明日を生きることへの強い思いなどに据えるのなら、そのあたりは前作である程度終わっている。そして今回の「解」はミステリの謎解き部分にほとんど費やされた感じ。特に後半はネタがもろバレになって、アクションシーンが物語を引っ張る格好になってるしね。それはミステリの宿命なんだろうけど、そうなると弱い部分も見えてしまう。特に国とか自衛隊とか出て来てからの陰謀系の話はちょっとおじさんには最後まで違和感を取り除けなかった。

答え合わせ的な設定部分をのぞけば、ストーリーの構造も斬新だったし、前作と合わせて考えれば、僕の見たアニメ作品の中ではかなり面白かった部類に入ると思う。

というわけで、以下、感想メモ。

第01話 サイカイ

雛見沢村で起こった大災害から20年後の世界。前作はこの大災害については深く触れていない。というのも、前作で続いていたループの世界というのは、大災害の直前までを描いた世界だったからだ。そこでの謎はある程度明らかになったが、大災害を含めた大きな謎のほうは依然明らかになっていない。惨劇が繰り返されるループの世界を抜けているのはレナだった。前作の中盤では前原圭一がループを抜け出していたように思うのだが…。ともかく設定がバイオっぽい。今作では古手梨花が大きな役割を担っていることは間違いないようだ。

第02話 鬼ごっこ(厄醒し編 其の壱)

大災害前のループに戻る。今回も序盤は平穏な萌え萌えな日常が描かれている。これまでと少し異なるのは、園崎詩音が双子の妹として学校にいること。これはかなり大きい。これによって過去の惨劇の大部分は防ぐことができるから。あと、北条沙都子が注射を打っている。人体実験のモデルであることが暗に示されているわけで、これは前作の一回目のループで圭一が打たれそうになっていたことと、前話で竜宮レナが古手梨花に渡された注射器を拒否したことが大きな謎の複線になっているんだろうと思う。

第03話 無力(厄醒し編 其の弐)

完全に古手梨花のターン。大災害の話はひとまず放置。その前に殺されてしまう古手梨花は、綿流しの惨劇までの日常が繰り返されていることに気づいている。そして、その抗えない運命について会話を続けている。北条沙都子はそのことに気づいた模様。いよいよ、ループから抜けるための一歩を踏み出すのだろうか。踏み出したとしても、その後に大災害が控えていると思うんだけどね…。

第04話 予定調和(厄醒し編 其の参)

今回は萌え萌えな日常シーンが長いな。古手梨花は完全にループに抗うことをあきらめている。どんな選択肢を選んだとしても、バッドエンドしか迎えないからだ。しかし、北条沙都子はループを知らない。だから梨花を助けるために必死で奔走する。今回は医者が自殺。また違う選択肢が選ばれた。そして、不振な作業服の男の数が増えており、刑事を一人殺した。たしかにゲーム的だな。『痕』というゲームの何度目かの繰り返しプレイ時のような気分で見ている。

第05話 雛見沢大災害(厄醒し編 其の四)

今回、初めてこれまでのループを超えて雛見沢大災害まで話が進んだ。死を予告していた古手梨花は殺害され、いつも置かれていた神社に放置される。その後、生き残ったのは北条沙都子(吊り橋から落ちて生き残るなんてw)。しかし、病院で死亡した。竜宮レナは行方不明になっているが、第01話とあわせて考えれば追っ手から逃れることができたのだろう。ともかく、世界観がだいぶあらわになってきたことで最終章に近づきつつある。『ドラゴンヘッド』の後半みたいな感じと言えばよいか。

第06話 迷路の法則(皆殺し編 其の壱)

またいつものループに戻る。しかし今回は古手梨花が世界がループしていることの事実を隠そうとしない。残念なことに、一度はループに気づいた前原圭一が今回はまだ気づいた様子がない。ただ、ゲーム大会で得た人形をレナではなく魅音に渡したことで一つの惨劇は免れた。古手梨花それら一連の流れを独白によってうまくナビゲーションしている。ゲーム的に見せるための技術が上手に生かされている感じ。今回から羽入という新キャラ登場。古手梨花はスタンド使いでもあったのだw

第07話 運命の変え方(厄醒し編 其の弐)

トゥルーエンドに向かっているような話の流れ。明らかに全員の選択肢が上手くいっているように見える。この作品が他のタイムリープものと少し異なって見えるのは、登場人物がゲームのフラグ(選択肢による分岐点)を意識しながら行動しているからかもしれない。あとの話数が結構残っているので、このまま終わるとは思えないけどどうだろうか?

第08話 揺らぎ(厄醒し編 其の参)

さすがに、このままトゥルーエンドに向かうはずもなく、北条沙都子のおじが帰ってくるイベントが起こってしまった。このイベントはバッドエンドにつながっていることを圭一はすでに理解している。彼以外の人間も、どうやらこの世界がループの途中にあって、トゥルーエンドで抜け出せると漠然と考えているようだ。いつの間にそんな気持ちの変化があったのだろう? ともかく、完全にゲームを攻略するかのごとき振る舞いで物語が動いていることは間違いない。さすがに「解」とついているだけあるな。

第09話 交渉(厄醒し編 其の四)

「解」になって、殺戮シーンが減ったことと、展開が遅くなったことで、ちょっと引きが弱くなったように感じる。向かう先が明らかになってしまっているので、そこへ向かう楽しみはあるのだけど、ミステリーの部分がちょっと弱い(とはいえ、まだ残っているのだが…)。話数が残っているので、まだまだどんでん返しがあるのだろうと思う。北条沙都子をおじの虐待から救うことがともかく一番の目的。

第10話 対決(厄醒し編 其の伍)

役所と町会の関係とか、児童相談所の所長のくだりとか凄い古臭い気がするんだけど…。なんかちょっとずつ面白さに対しての不安感が大きくなってる。あれだけの人間が児童相談所の前に集まっているのに許可とっていないとか、ダム戦争をやっていたのなら当然そんなことくらい知っているはずなのになぁ。っていうか、北条沙都子の件をあのような形で先延ばしにする児童相談所って存在するのだろうか…。ようわからないけれど。

第11話 強い意志(厄醒し編 其の六)

タカノに新しいフラグが立った! 前半にトゥルーエンドにいくとみせかけといて、ひっくり返って新展開。雛見沢症候群という、これまでのループより大きな話のミステリーが少しずつ解明されるほうに物語が転がり始めた。これまで活躍した仲間たちは完全に放置プレイだけど、少しずつ世界観が開陳される楽しみというのを少しだけ感じることができた回だった。ひっくり返しの哲学がいきている。

第12話 雛見沢症候群(厄醒し編 其の七)

すごい展開になってきたw 古手梨花が死んだら、それが引き金を引く形になってその後の大災害が起きるのだという。そらループするわけだな。なかなか面白い構造をしているな。ただ、そこに至る裏側の設定はずいぶん強引だなぁ。この点に関しては『 AIR 』の時と同じ感想。物語をスムーズに動かすためにつくられた側壁で、それがずいぶんと直接的なのだ。面白ければそれはそれでよしということなんだな。いいと思う。刑事二人が死んでしまった。おそらく新しいタイプのバッドエンドに近づいているのだろう。

第13話 終末(厄醒し編 其の八)

バッドエンド! にしても、タカノのくだりっていうか、陰謀論めいた展開はちょっとトーンダウンしてしまったな。ミステリーって大概そうだから、仕方ないって言えばそうなのかもしれないけどね。あと、『 AIR 』のときもそうなんだけど、逃れるべき方法なんていくらもあるのに、そんな方法がないかのように物語が進んでいくところはどうしてもスッキリと受け入れられない。北条沙都子も古手梨花も一日だけ生き通したいのなら、警察署に泊まればいいだけなのにわざわざ人里離れた山奥で子ども二人で寝ている。そういうところを一切ぶっ飛ばしていくところに新しさがあるのかもしれないけれど…。

第14話 三四(祭囃し編 其の壱)

タカノの幼い頃のエピソード。タカノも孤児だった。孤児ばっかり。そして、全員トラウマを持っている。タカノはおじいさんの研究を引き継ぐために、フリーメーソンめいた組織(といっても国の関係者なのだけど)に取り込まれ、生物兵器の研究に加担するようになる。その後の爆発につながる経緯はある程度視聴者には明らかになっている。ほとんどネタばれしているのかな? 悟史の失踪とかは後に効いて来るのかな? とりあえず、新エピソード開始。かなりSFめいた展開になってきた。

第15話 蠢き(祭囃し編 其の弐)

タカノのエピソードから新しいループへ。父の宿命を背負ったというだけで、タカノが人の命を顧みずに殺人をしまくるというのはちょっと変な気もするが、ともかく物語は大きな方向へ。ダム戦争の時代に少し時間が戻って話が進み始めた。

第16話 終わりの始まり(祭囃し編 其の参)

羽入の役割も大きくなってきた。惨殺のループとダム戦争を経由して大災害へと接続させる手腕はなかなか凄い。このアニメは本当にこれまで見たタイプのどれとも違っていて、とても好感触。そして、「解」は前作と比べて明らかに作画に力を入れている。金がかかっているということは、それだけ支持している人がいるってことなんだろうね。

第17話 謀略(祭囃し編 其の四)

羽入の声って堀江由衣さんだったんだ…。古手梨花=田村ゆかりってことでのコンビなのね。もちろん狙い撃ちなんだろうな…。ということはさておき、タカノが勝ったり負けたりしながら話がまっすぐに進んでいる。わりとザックリ進んでいるので、そんなことあるかな? なんて突込みが頭をもたげたりもするけれど、過去の殺人事件の謎が少しずつ解決しているのはいい。

第18話 最後の駒(祭囃し編 其の伍)

オーラスへ向かって外堀を埋める回だった。最後に前原圭一が登場してほとんど舞台の裏側は明らかになっている。後は運命に抗い、戦うだけ。敵ははっきりとわかっているのだ。しかし、そのための駒が一つ足りない。ということで、最後に新キャラとしてスタンドだった羽入が登場? すごい大技だなぁw

第19話 幕開け(祭囃し編 其の六)

羽入完全登場。羽入はタカノが主犯であることを記憶していた。ようやく最後の敵を明らかにした状態でゲームが進められるようになった。相手の規模(まさかの陰謀説ですけどw)がどの程度かは判然としないが、ともかく戦う目的と信じられる仲間が設定されている。あとは戦うだけ。…という流れが結構長く続いているなぁ。引っ張り過ぎ?

第20話 トラップ(祭囃し編 其の七)

みんなしてタカノ包囲網をつくっている。このままいけば、それなりに終わってしまいそうなんだけど、もう人波乱くらいあるのかな? あるといいな。

第21話 48時間(祭囃し編 其の八)

なんか凄いでかい話になってるww いいですねー。こういう展開は久しく見てなかったのでとても楽しい。悪の組織がちょっとでか過ぎるというか、タカノの論文を信じて全力で行動するお前らこそ何なんだよ、みたいな感じもあるけどね。

第22話 攻防(祭囃し編 其の九)

えええええっ!? 最後、えええええっっ!?? いやいやいやw カンフーですやん。ピストルとか爆弾とか持って追い詰めたのに、最後にカンフーとか。しかも、山犬による二度目の突入はあっさり撃退してるし。ってことは、最初の突入でも止められたんじゃないの? カラシニコフを持ってる相手を生きた状態で捕まえるとかどうやったのよ?? 最後に悟史が生きていることが判明。気になっていた最後の謎もいよいよ解けようとしている。

第23話 血戦(祭囃し編 其の拾)

ヤバい…どうしよう。この数話というもの、お笑いアニメ道場みたいな展開になってる。山犬の馬鹿さ加減によって、これまで築き上げてきたミステリの部分がどんどん色あせていく。悟史失踪の謎も解けたし、最終話を前にして、緊張感が一気になくなりかけている。いやあと一話。総決算として、もう一度冒頭の緊張感を呼び覚ましてくれるはず!

第24話 オシマイ(祭囃し編 其の拾壱)

タカノのキャラは最後まで掴めなかった。最後の最後でピストルに弾が一発入っていた。狙うのは当然梨花だろう。しかも、弾は入っていなかった…みたいなオチとかさ。山犬の後の番犬とか、結局陰謀のところがすんごいザックリしてしまって、ここのミステリの部分はスッキリしたけど、大オチだけ妙にお子様ランチ風だった。だから最後にお子様ランチのエピソードが?

てな疑問もあったけど、総じて面白かった。両シリーズ通じて全50話を1ヶ月足らずで制覇したのだから、かなり熱中して見たのだと思う。どちらかというと、「解」よりもミステリと構造だけに特化した 前作 のほうが面白かったかな。作画は断然「解」だったけれどもね。

Posted by Syun Osawa at 00:53

2008年10月29日

マンガ 物理につよくなる

原作:関口知彦/作画:鈴木みそ/2008年/講談社/新書

マンガ物理につよくなるうーん…。難しい。

物理の内容じゃなくてね、この漫画の捉え方がよくわからなくて難しかった。前作の『 マンガ 化学式に強くなる 』はモルという概念を教えるためだけにすべての章を費やしていたので、比較的漫画の要素を強く入れつつも、教材としての側面も強く持っていた。

ところが今回は教材としての側面はきわめて薄い。入門書でもなく導入本でもない。いや、導入本なのかもしれないが、それだったら本書で扱われた内容があまりに限定されているのではないかと思う。導入として仕立てるのなら単純に物理現象の面白さを伝えればいいわけだし…。

では誰のために書かれているのか?

この本は物理に対してアレルギーもなく、まさに白紙の状態の人へ向けて書かれているのだろう。しかも、物理が苦手な人が主なターゲットになっていることは間違いない。理科に対する苦手意識を和らげて、理科嫌いな人にならないための啓蒙活動をしているのだ。そう考えると、これは導入のための導入本と言えるかもしれない。そのわりに、後半ではいきなり慣性の法則の応用をやったりしてハードルをグッと上げてるのはなぜなんだろうか…。

ストーリーの骨格について。テストでいい点を取るために物理の公式を暗記するようにすすめる女の子を否定し、じっくりと自然現象を解き明かした数式の意味を考えることで、その本質を知ることをすすめる女の子の立場を肯定することに異論はない。

ただ、野球部のバッテリー二人は、そもそも物理が好きになる必要があるのだろうか? テストでいい点を取るために仕方なく物理の勉強を始めた二人が、高校の物理の導入の導入の部分を学んだだけで好きになった気になって終わったところが気になった。ようするに、物理の勉強をやる気になった気になったところで終わったのだ。

うーん。僕にはわからない。

Posted by Syun Osawa at 01:36

2008年10月27日

銀色の髪のアギト

監督:杉山慶一/2006年/日本/アニメ

銀色の髪のアギト画面のクオリティがバカ高い。ゴンゾの本気が伝わってきて、その点に関してはちょっと感動。KOKIAの曲も好きな感じだった。

ぶっちゃけ内容的には完全にナウシカ&ラピュタだし、構造もかなり両者を意識したようなつくりになっている。劇場版だから王道を…ということだったのかもしれないけれど、そういう目で見るとちょっと弱い。

…と言うか、この作品を観て「宮崎駿はやっぱり神だな!」的な懐古趣味的なアニオタ(僕とかw)を喜ばせるだけなので、そこはあえて批判的に外しても良かったのではとも思ったりする。

特に森と人間との関係のところの世界観に意味を持たせようとして、整合性というかつじつまを合わせ過ぎている気がした。人と自然との関わりに重点を置くのなら、あと20分時間を延ばしてでもそこは丁寧に描いて欲しかったと思う。

Posted by Syun Osawa at 00:39

2008年10月25日

また負けた=イベント=疑似科学=子どもとネット

粟生選手に続いて榎選手も負けた。フェザー級以上では、なかなか日本人は勝てないなぁ。そう考えると、ライト級でチャンピオンになった小堀選手ってかなりの強運と実力の持ち主だと思います。

手に入れた本など

新しい高校化学の教科書『新しい高校化学の教科書』(講談社)
ムック『リトルボーイ 第2号』(ふゅーじょんぷろだくと)

FLASHアニメ台頭後のクリエイター事情

ルンパロさんと竹熊さんのトークショーです。加藤久仁生さんがアヌシーでグランプリを受賞した今、何を語るかって興味ありますね(加藤さんもかつてはFLASHアニメの人だったりするので…)。それにしても、あと一週間早く知りたかったよ…orz

そういえば、最近はのすふぇらとぅさんが 自分史 をブログで連載されています。のすさんはGIFアニメの神様ですからねー。GIFアニメからFLASHアニメを経過してYoutube&ニコニコ動画へとつながるウェブアニメの文脈を知る上で(とくに初期)、この連載はかなり意味があるように思います。

文学フリマのゼロアカ本まとめ

ゼロアカ関連で一番気になるのは、優勝者が初版1万部デビューを果たすということです。1万部売るためには、優勝者自身が有名になるか、内容がそれなりの過激さを持つかのどちらかしかない。ゼロアカの流れから考えて歴史に耐えうる強い批評本を時間をかけて1万部売っていくというスタンスは取らないでしょう。そうなると必然的にパフォーマンスに焦点が絞られる。どういう系統の本を出すのか、このあたりが結構興味深いです。その辺の焦りみたいなものが、東浩紀さんのブログ からも読み取れます。

村上春樹に会いに行く

村上春樹さんって、ここにきて日本でも世界でも語られまくりですね。で、本人も語ると。

「磁気活水器」に水質改善効果なし

国民生活センターのテスト結果で判明とのこと。水は水道水を飲んだらいいんです。貧乏人と思われようが、ノンカロリーだし、歯も黄色くならないし、デメリットよりもメリットが圧倒的に大きい。

「セックスは経済不況に強い」、豪業界関係者ら

セックスビジネスの話です。

西村博之氏「子どもにインターネットは必要ない!」

僕も必要ないと思っています。教育学部に通っていた頃、情報教育としてネットを積極活用しようという動きがあって、僕はずっと懐疑的でした。今はハッキリ必要ないと思っています。

親密圏と家族

内田ブログより。誰でも家族に頼る。そして、できれば家族に頼りたい。でも頼れない。そのときにどうするか? そこが問題なわけで、そこに焦点をあてないと駄目でしょう。

Posted by Syun Osawa at 02:50

2008年10月23日

空想非科学大全

柳田理科雄/2003年/メディア・ファクトリー/文庫

空想非科学大全柳田理科雄さんの名前はもちろん昔から知っていたけど、何でか空想科学読本シリーズは読む気にならなかった。何でだろう? 漫画やアニメは好きだし、科学も好きなのだから、この二つの欲求を同時に満たしてくれる空想科学読本シリーズはうってつけのはずなのに…。

科学する対象物い対して筆者の愛があまり感じられなかったからだろうか? 多分そうだと思う。やっぱり愛=電波度が足りなかったんだろうな。

怪獣などの重量計算とか、巨大化したときの筋肉の断面積の話とか、なんか妙に納得できないものもあって、詳細なところを僕自身がわかっているわけではないので、うーんと唸る他ないのが残念。でも何か違う気がするんだな…。

こう書いてしまうと、ダメダメなのかというとそうでもなくて、笑ってしまうところもいくつかあった。笑いの種類としてはあまりに下らな過ぎて笑ってしまうという感じなんだけど、笑いのツボとしてそれはそれでアリかなとも思う。

個人的な本丸は『空想科学大戦!』だったりするが(購入済み)、それはまた次の機会に。

Posted by Syun Osawa at 01:34

2008年10月21日

ひぐらしのなく頃に(全26話)

監督:今千秋/2006年/日本/アニメ

ひぐらしのなく頃に(全26話)世界観開陳系のアニメは苦手だったはなのに、こうも開き直ってミステリー仕立てにやられると、これはこれでありかなと思ってしまった。

絵柄もどちらかと言えば苦手なほうだし、各編の最初に描かれる何気ない日常の美少女たちの漫才も得意じゃない。だから最初見始めたときは、その萌え萌えぶりにちょっと焦った。

結果的に僕はこの作品にヤラれた。連続モノのアニメでは『 かみちゅ! 』以来かもしれない。萌えアニメだからと軽く見ていたことが感情の起伏をより大きくしてくれたこともあって、毎日2本のペースで見るほどに僕はこの作品にハマってしまった。予備知識がなかったのも功を奏したかもしれない。

話はとにかく強引。強引&怒号のオンパレード。美少女キャラたちの唐突なシリアスな話し方も過剰だった分だけ楽しめたような気がする。やっぱりアニメってこういう過剰さが必要だよな。うんうん。

以下、感想メモ。

第01話 ハジマリ(鬼隠し編 其の壱)

萌え絵は気にならない。ギャグが多め。主人公が山村の学校で美少女に囲まれながら送る恋愛ドラマだったらどうしようと思っていたら、最後に一気にシリアスな方向に持っていかれた。

第02話 隠しごと(鬼隠し編 其の弐)

ミステリーは強い。しかもホラーも強い。がっちり伝奇のムーブメントにも乗っているし、結局はこういうど真ん中のストレートは見ていても安心感がある。竜宮レナが前原圭一と刑事が会っていたことを追求したあたりからストーリーに加速度がついた。うんうん、いい感じ。

第03話 疑心(鬼隠し編 其の参)

学校で一緒に遊んでいた女の子が全員、連続怪奇殺人事件に関わりがあるという事実が明かされる。主人公自身の命が狙われていることもわかり、加速度は更に増した。少女たちの声のトーンがギャグのとき(日常会話のとき)とシリアスに語るときであまりに変わるので、そのあたりにも何かあるのかもしれない。今はわからない。たんなる演出かもしれない。

第04話 歪(鬼隠し編 其の四)

凄い。4話目で主人公が死んだw しかも、主人公が発狂して死んだよ。時計の裏にメモを貼り付けているところと、その場所に何度か他にも貼り付けられた痕跡があるところがまさにゲーム的なシナリオ。つーか、『ひぐらし』って本当に述べるゲームそのままの展開でいくのね。この回がこの作品の運命を決定付けたね。これは楽しみだ。

第05話 嫉妬(綿流し編 其の壱)

1話と同じ展開に戻る。この点について、編が変わること意外に何も説明されないけど、ヴィジュアルノベル系のゲームとかやったことない人はこういう感覚ってすんなり飲み込めるものなんだろうか? 今回は園崎魅音の双子の妹である園崎詩音が新キャラとして登場して物語を引っ張るようだ。あと、綿流しの日に1回目には明らかにされなかった女性の名前が判明。このあたりで1回目とは異なる話に引っ張られていることがわかると同時に、雛見沢村とオヤシロさまの関係がほんの少しだがわかり始める。

第06話 タカノ(綿流し編 其の弐)

2回目のターンは結構長めに萌え重視の展開が続く。また、綿流しの日にカメラマン、タカノ、園崎詩音と前原圭一が祭具殿に入るという新しい展開を見せる。このあたりのミステリーの展開の仕方と、伝奇的なアプローチは過去にプレイした『痕』によく似てる。カメラマンとタカノは死亡。刑事も登場し、不穏な展開に。今回のターンは1回目とは異なり二人が死亡。過去の事件にならえば、あと二人の失踪者が出る可能性があると園崎詩音より知らされる。恵一発狂。こいつすぐ発狂するなw

第07話 嘘(綿流し編 其の参)

北条沙都子と古手梨花が死んだ。1回目のターンではあの部活の女の子は全員グルだというイメージだったのでちょっと意外な感じ。それぞれの女の子の思惑が結構違っていることもわかった。園崎魅音が大ボスであること、そお怒りから古手梨花は前原圭一を救おうとしたが結果殺されてしまった。園崎詩音も姉に殺されてしまう。長年付き合っている人たちが何でこう性急に憎しみあったり殺しあったりするかな…とかも思わないではないが、そこはまぁアニメだからってことなんだろう。

第08話 願い(綿流し編 其の四)

数々の事件の中心人物が園崎魅音と判明。園崎家の地下から拷問部屋と廊下が見つかった。クラスメイトの北条沙都子と古手梨花も園崎魅音が殺したらしい。正確には園崎魅音に宿った鬼か。何だかんだで祭具殿に忍び込んだ園崎詩音と前原圭一は助かったと思ったら、その後園崎詩音は怪死。前原圭一も最後に鬼に取り付かれ死亡? …かどうかはわからないが、ともかくバッドエンド。最後に4人が祭具殿に入ったとき、タカノはすでに死んでいたことも明らかに。謎が謎を読んでいるが、事件の大枠は意外とあっさり明らかになった? もしくは、まだ先があるのだろうか?

第09話 兄(祟殺し編 其の壱)

3回目のターンに突入。ようやくこのアニメの楽しみ方がわかってきた。昔のやるドラとかもこういう風に見るとよかったのかな? ゲーム的というのがあまりにも当てはまりすぎるな。2回目のターンでは竜宮レナが大人しく、どちらかというと鬼と化した園崎魅音から前原圭一を救う立場に立っていたが、今回はレナがメインっぽい流れになってる。1回目の最後で園崎魅音と竜宮レナが「監督さんが来る」って言ってたけど、あの監督ってこの回に登場した医者なのだろうか?

第10話 キズナ(祟殺し編 其の弐)

3回目の前原圭一は雛見沢村の住人よりの位置にいる。そして、オヤシロさまの祟りに園崎魅音が関わっていることも薄々感づいている。そのため刑事とは少し敵対関係。メインは北条沙都子で、児童虐待を受けている。このあたりの人間関係の変化は、1回目、2回目とは大きく異なるので3度目のループといえども飽きさせないが、事件の全貌が園崎魅音関連のところで終わっているのなら、個人的には少し気持ちがトーンダウンしてしまうかも。今のところはまだ大丈夫。

第11話 境界(祟殺し編 其の参)

主人公自らオヤシロさまの祟りを利用して、沙都子のおじを撲殺。そのあたりで、兄の悟史も圭一と同じように沙都子の親を殺していたことが明らかになった。おじ殺しの後、雨の中を歩く圭一に声をかけたのはタカノだった。彼女は圭一が沙都子のおじを殺したことを知っていた。なかなか怒号の展開。

第12話 失しモノ(祟殺し編 其の四)

主人公である圭一自ら沙都子のおじを殺したはずなのにその死体はなくなっていた。それだけでなく、圭一は綿流しの祭りに出ているとまわりのみんなは言う。一連の事件の黒幕と思われる監督(医者)に、おじ殺しを打ち明けたにもかかわらず監督は彼を精神異常者だと決め込んだ。タカノは焼死体で発見された。謎が謎を呼び収集不可能なくらいに広がっている。大丈夫か?

第13話 謝罪(祟殺し編 其の伍)

登場人物みんな気が狂ってるんだね。しかも簡単に発狂するし。結局謎は解決しなかったが、前原圭一の夢オチという感じで終わった。しかも、夢の終わりが一番の悪夢という壮絶バッドエンド。この物語はどこへ向かって走っているのか、ぶっちゃけよくわからなくなってきた。ところで、沙都子が祭具殿に落ちたところと、圭一が沙都子に吊り橋から落とされるところはどう考えても無理があるな…。

第14話 ヒナミザワ(暇潰し編 其の壱)

番外編っぽい? 赤坂という刑事が、ダム建設を推し進める大臣の孫誘拐事件について極秘操作のために雛見沢村へ。園崎家が中心になってダム建設に反対している。いつの間にか、自分の視点が刑事側ではなく園崎側に移っていることに気づく。ひぐらしの世界観がだいぶ深まってきた。それぞれの謎に関しては完全放置で行くんだろうかね…。毎回ループのたびに殺され方とかも違うから、そのへんは深く追求しないのかもね。

第15話 兆し(暇潰し編 其の弐)

古手梨花の超一人語りでかなりの部分が明らかになった。死ぬ人間が決まっていること。そして、そこに自分自身も含まれていること。そして、それとは別に雛見沢村で大災害が起きることもわかる。つまり、前原圭一だけが生き残ったというのは、夢オチではなく事実だった。ゲームならこの流れだけがトゥルーエンドへの道なのだが、果たしてどうなんだろう? たしかにこれは、わかる人にはわかるという限定ながら、完全にゲーム的だ物語だと思う。

第16話 謝罪(目明し編 其の壱)

新章突入。今回は園崎詩音と園崎魅音の双子が話の中心。前原圭一が転校してくるより前の話で、悟史が初めて登場する。園崎詩音と園崎魅音は立場が違うだけでなく、性格的なところもこれまでの話とは逆のような印象を受ける。世界設定開陳に加速が付き始めた感じ。

第17話 ケジメ(目明し編 其の弐)

悟史がおばを殺害。これはこれまでの話ですでにわかっている。その後、詩音が悟史をかばって、警察に任意同行される。それが本家に知られ、例の拷問部屋で爪をはがれる。詩音と魅音の関係が微妙だったのはこのことがきっかけなのだとわかった。結局、この後に悟史は失踪。

第18話 鬼の血脈(目明し編 其の参)

前原圭一が登場した回につながる。この回はこれまでの流れを接続する回だったので、ミステリーとしてはそれほど目新しいことには出会わなかった。ゲーム的アニメの最大の魅力は、出会い方など細部に整合性をとらなくていいことだろうな。実際のゲームでも、2回目のターンでは出会い方や相手の態度なども微妙に変わっていく。そのことを矛盾として捨てないで、物語の中に引き入れたのは大きいのかなと思う。いずれにせよ面白い。

第19話 仕返し(目明し編 其の四)

2回目のターンの裏側が明らかになった。園崎詩音と園崎魅音は途中で入れ替わっていたのだ。園崎詩音は悟史失踪の謎を追うためにギリギリの選択をしている。しかし、それでも謎はまだ明らかになっていない。鬼対鬼の対決みたいでかなり面白い展開だった。ただ、園崎詩音と園崎魅音が完全に瓜二つってことはあり得るのか? そこはアニメだからいいのかなw

第20話 冷たい手(目明し編 其の伍)

前原圭一が転校してきた後に起きた怪死事件の大部分が、園崎詩音によるものだということが明らかになった。複数のループの間に起きた怪死につながるような部分も混ざっている。しかし、わかっているのは園崎詩音が狂っているということだけで、これまでに起きた事件の謎は明らかになっていない。

第21話 断罪(目明し編 其の六)

園崎詩音狂いすぎ。愛憎とか越えていて、前半のミステリーをひとまとめに解決させるために狂っているとしか思えない。今回、前半の謎が大体明らかになって、自分の中でどういう思いが胸に去来するのかって楽しみにしていたんだけど、意外とあっさり受け止めた。なるほど…って。たぶん、園崎詩音の狂い方にちょっと引いちゃったんだと思う。悟史の謎は今も明らかになってない。

第22話 幸せ(罪滅し編 其の壱)

最後は竜宮レナのターンか。冒頭の幸せな日常シーンは今回が一番強め。ところが、竜宮レナの父親が古典的な美人局にあっている。登場人物全員がトラウマキッズというのは1995年以降のデフォルトなのかね。

第23話 還る処(罪滅し編 其の弐)

竜宮レナが美人局の二人を殺害。圭一らはその事実を知るが、みんなで隠すことにした。その後、綿流しの祭の日がやってくる。これまでとは違った展開。最後に刑事が登場する。前回までのターンでは圭一と刑事は良好な関係にあったが、今回は敵同士ということになる。

第24話 34号文書(罪滅し編 其の参)

オヤシロさま伝説の謎はタカノさんが知っていた。そしてそれは、園崎家の話よりもっと大きなところに接続していた。いいね、この風呂敷の広げ方。どんどん話がでかくなっていくのは純粋に物語として楽しい。オヤシロさまが異国の医者か何かで、伝染病と狂信者がそこに絡んでいる。その宗教を守る人がいる。竜宮レナが名探偵役を担っているけど、この人ちょっと前に人を二人殺してなかったっけ。頭冴えてるなw

第25話 地球侵略(罪滅し編 其の四)

広げた風呂敷が上手く包みなおせなくなってるw そういうのもアリかなと。1回目のループでレナと魅音が圭一に注射しようとしていたのは、彼を救おうとしていたということらしい。その記憶は今も残っていて、この世界は本当にループしていることが明らかになる。話が目まぐるしく入れ替わる。どう終わるんだろうか?

第26話 リテイク(罪滅し編 其の伍)

ようするに、バイオハザード+エヴァンゲリオン+ビューティフルドリーマーって感じかな? 最後の戦闘シーンは妙に演出に気合入ってたなw しかも女子に負けるなよ…。最後は何となくハッピーエンドになったように思えたけど、最後にまた6月がループしていることが示される。そしてその事実を古手梨花は気づいている。おそらく前原圭一も。いろいろな謎は明らかにはされなかった。タカノが知っていたという証拠もレナの狂言なのか、本当のことなのかもぼやかされたまま。謎解き(世界観開陳)を楽しんでいる人に、それをやらずに少しズラしたところで終わりにするという手法は今っぽいんだろうけど、個人的にはあまり好きではない。「解」のほうでそれらは解決するのだろうかね?

Posted by Syun Osawa at 00:01

2008年10月19日

コトリンゴ・ミニライブ

2008年9月28日/13:00−13:30/タワーレコード渋谷

コトリンゴ・ミニライブピアノいい!

めっちゃいい!

コトリンゴは坂本龍一さんのメールマガジンでときどき出てくる名前としてしか認識してなかった。だから、本当に何も知らずに彼女の演奏を見た。優しさの中にある力強さみたいな感じかな? ポップスを歌う人としてはピアノが超絶的にヤバいし、声の感じもよかった。

矢野系と言ったらそれまでで、初見でもコトリンゴとしての色の強さみたいなものが感じられたのだから、きっとその手の呪縛からは余裕で脱していく人なのだろうと思う。個人的にはちょっと切なめの曲がツボりました。あと、坂本龍一プロデュースの1stより、セルフプロデュースの2ndアルバムのほうが好きです。

Posted by Syun Osawa at 00:05

2008年10月17日

おしいっ!=笑った=アイラ新曲=アニメとか

粟生選手おしい! 長谷川選手強すぎ! もしも粟生選手に長谷川選手のようなまとめのパンチがあれば、4Rで試合は終わっていたはず。この差はかなり大きいと思う。僕の人生の教訓としよう。

会社帰りに自転車で後楽園ホールへ行こうとしたら、国会議事堂付近で迷子になって行けず。六本木付近は本当にわかりにくいし交通量も多いので、自転車には優しくない。

今年は夏からずっと雨続きで、自転車に乗っているときに何度も何度も雨に打たれた。今月も数回びしょ濡れになったし、優しくないことばっかりだ。そんなときに僕の気持ちを上げてくれたのがこのニュース↓

リア・ディゾンができちゃった婚

というニュースではなく、それについた2ちゃんのコメント↓

リア「・・・芸能界辞めたい」
修造「声が小さいよ!もっと大きい声で!」
リア「・・・結婚したい」
修造「ぜんっぜん気持ち伝わって来ない!もう一回!」
リア「妊娠した!」
修造「はい今死んだ!今君のファン死んだよ!」

会社でこれを見たときには、あまりの面白さに吹き出してしまった。いつも物静かに仕事をしている僕が急に笑ったので、まわりのみんなはさぞかし気持ち悪かったことだろう。

アイドル関連では、中野ブロンディーズ!経由で 藤崎ルキノ さんの存在を知った(超今さら…)。もっと早く知るべきだったよ。

手に入れた本など

橋元淳一郎『橋元先生のみんなの物理』(学習研究社)
立川武蔵『日本仏教の思想』(講談社)
大塚英志『サブカルチャー反戦論』(角川書店)
イシュトヴァーン・オロス『タイムサイト』(アニメDVD)

ジブリの宣伝誌『熱風』は元レコード販売店員と夢の遊眠社の制作の方の連載が終わってしまったので、またいつもの爺臭い感じに戻ってしまった。90年代以降を語れる人の連載が読みたいです。

Aira Mitsuki『ロボット・ハニー』のPV

Airaのブログで公開となりました。今回はchiptuneを意識したアレンジになってます。こういう安易な流行への擦り寄り方って批判の対象になるべきなんでしょうけど、何と言うか一周回って許せるんですね。アイドルの消費の仕方って、確実に変化してますよね。それって長くアイドルオタクをやっている変態にしかわからないことかもしれませんが…。

藤川ゆりのDVD

アイドルオタクとして見過ごすことはできません。

ゼロアカのみなみさんが辞退

僕の中でアイドル消費しようとしていたみなみさんが辞退。残念なお知らせの一方で、ゼロアカの同人誌はどれも面白そうな感じになってますね。

何気ない人生を描いた3Dアニメ

うーん。気持ちいい。

水墨画風3Dアニメ

水墨画風のアニメって2D的な手法を残しつつ発展させる作品が多いように思うんですが、この作品はもう少し現実的な重力を意識しつつ、水の揺らめく感覚を描いているところが面白いです。

チェチェンのFLASHアニメ公開

「春になったら」ってFLASHアニメだったんですね。公開形式はWMV形式です。自分たちが生きている世界の様子を伝えるツールとしてFLASHアニメはとても有効だし、ネットはそれを世界中の人々へ運びます。にも関わらず戦争はなくならない。

黒帯保持者のプーチン首相、柔道DVDを発表

チェチェンの子どもたちが苦しんでいるのに、プーチンときたら…。この人首相同士で総合格闘技大会とかやったら絶対優勝するだろうな。そういう古典的な男性の凛々しさみたいなものを持ってるからたちが悪いです。

ノーベル化学賞の下村脩氏の息子は有名ハッカー

息子さんの活躍は映画化もされているそうな。知りませんでした。しかも、息子さんはファインマンの教え子らしく、本職は物理学者らしい。ノーベル賞受賞までは息子さんのほうが有名人だったのですね。

MIAUがネット教科書を公開

9月に公開されてたんですね。MIAUという団体については、池田信夫さんの一件で知りました。やろうとしているのはネット使用に関するリテラシー教育みたいなもので、その大枠のところは賛同できます。内容をPDFファイルで読むと、わりとシンプルなことが書かれていました。

出版状況クロニクル

仲俣暁生さんのブログ より。楽しい話なんて一つもないですね。僕は出版でも教育関係なんで少しはマシかと思ったらそうでもなくて、真綿で首を絞められている感じにジワジワと追い詰められているのですな。

自費出版する理由

自費出版でもいい本はたくさんあると思う。例えば夏堀全弘『 藤田嗣治芸術試論 』も自費出版だし。

1000文字小説

とりあえず様子見。

人間ジェット機「フュージョンマン」、イギリス海峡横断へ

着陸と離陸をやらないわけだから、これはちょっとなぁ。

Youtubeに犯行予告! 10人死亡、フィンランドの銃乱射

日本でも流行のフィンランド・メソッド発祥の地で、しかも日本よりも人口が少なくてより実施の効果が現れやすい国でこういう事件が起きていることに、教育業界はもっと真面目に目を向けるべきでしょう。

神舟7号捏造説を一括

この記事で最も恐ろしいのはコメント欄。

「ウェブよりセックス」は74%

そら当たり前でしょう。ネットやっている時間よりセックスやっている時間のほうが圧倒的に少ないわけですから、同じ30分なり1時間なりに当てはめたらセックスのほうを選ぶのは当然というものです。

メガバカの盗作まとめ

今更知った。1年位前のネタなんですね。星新一さんの作品と『イキガミ』のネタがかぶっているという話にヤレヤレと思っていたところで、1年前のこのネタを知ったのです。こちらはある意味で驚きでした。レイアウトをぱくったというのではなく、トレースだというのですから驚きです。コマの張り合わせで別の作品をつくっているだけでも驚きですが、それらがトレースだというのだから二重の驚きですね。

Posted by Syun Osawa at 00:22

2008年10月12日

海外アートアニメーション@トリウッド2008秋

2008年9月13日−10月10日/下北沢トリウッド

海外アートアニメーション@トリウッド2008秋トリウッドにこのシリーズを観に行ったのって何年ぶりだろ? 結構久しぶりな気がする。トリウッドは相変わらずのグダグダした雰囲気がよいね。

(追記)去年 も行ってましたw

今回は中学生以上対象のインディーズアニメのCプログラムとアカデミー短編賞を受賞した作品を含むDプログラムを観た。Cプログラムは結構エログロの度合いが強め。それらのほとんどフィンランドの作品だけど、まぁ…乱射事件との関わりについては考えないようにしよう。

Dプログラムは有名なCAFから送り出された作品ということもあって、どの作品も超絶的にクオリティが高い。そしてCプログラムとは真反対の優しい作品が多かった。特にアカデミー賞に絡んだトーリル・コーヴェ『デンマークの詩人』と『王様のシャツにアイロンをかけたのは、わたしのおばあちゃん』はその優しさが際立っている。若干、優し過ぎる感じがしないでもないが、これが今の流行りなのかな? Dプログラムの作品の多くに、プロデューサーとして 第4回 世界映画人会議 2 で来日されていたマイケル・フクシマさんの名前があった。この人の手腕も凄いな。

ローズガーデン通りの秘技

by ラウラ・パロサーリ

実写合成。女優さんが綺麗で、ちょっとレズっぽいシーンがあった。

執事

by エーリック・ローセンルンド

大人のブラックアニメ。欧米の人ってベッドの四隅にロープを引っ掛けて、人間の両手左右を縛るの好きね。

石油連鎖

by キム・ヘルミネン

記憶なし。FLASHアニメらしい。FLASHアニメ万歳!w

至福の美酒

by タトゥ・ポホヤヴィルタ

ちょっとグロかった。脳に直接シュワーってビールを流し込むのがグロい。頭の中が赤いのもキモイし、頭を自分で切るところもグロいし、最後に死ぬところもグロい。ちょっと悪趣味。好きな人は好きかも。

初体験。今と昔

by ヨナス・オデル

映像の先進性っていう意味では、今回見た作品群の中では断トツによかった。実写とCGを絡めて、かなり実験的な映像をつくっているんだけど、作品の骨格である世代間の性の考え方の違いを描き出すというところがブレていないし、目まぐるしく変化するエフェクトの類もその部分を強調している。こういう作品はセンスがないと絶対につくれないよな。

オペラシャワー

by CHRZU

3Dのわりと典型的なホラー作品。

王様のシャツにアイロンをかけたのは、わたしのおばあさん

by トーリル・コーヴェ

わりとしっかりとしたストーリーがある。小学生のときに読むような本に登場しそうな優しい話。ナチスを追い返したくだりとか、新しい時代の到来でおばあさんの役割を終えるところなど、社会風刺の意味合いも強い。こういう作品は日本人の作品ではほとんど見たことがない。

生物学は心労の種

by ジェームズ・ブレースウエート

一発芸。

新説・眠れる森の美女

by クロード・クルティエル

眠れる森の美女&ドンキホーテって感じ? キャラクターの線数も多く、かなり込み入った感じの絵なのにキッチリ動かしていた。さすがにこのレベルになると美大の卒業制作とかでは作ることはできないだろう。結構面白いギャグとかあったようい記憶しているけど、意外に笑えなかった。シュール過ぎたのかな?

ロイジービブ

by デール・ヘーワード

日本人のクリエイターが好みそうな作品。

ボブ叔父さんのお見舞い

by ジョディ・サミュエルソン

この作品もトーリル・コーヴェの作品と同様にとっても優しかった(優し過ぎ!)。画面はかなり意欲的につくっている。そういうところは感心させられる。

デンマークの詩人

by トーリル・コーヴェ

アカデミー賞受賞作。こういうベタに美しい作品っていうのが今の世界の流行なんだろうか? いやいや、市場規模の小さな短編アニメーションの世界に流行りも廃りもあるわけがない。30過ぎたおっさんには厳しいが、20代の女性ならきっと好きに違いない。船の上での女性の髪のなびき方はかなりいい感じ。

Posted by Syun Osawa at 09:08

2008年10月08日

水戦争

柴田 明夫/2007年/角川SSコミュニケーションズ/新書

水戦争図解雑学 環境問題 』に続いて、環境問題(というかエネルギー問題)について知識を増やすために読んだ。

水問題もヤバい。いやいや、この手の「ヤバいぞ」感って、かつてノストラダムスの大予言が流行していた頃からあったといえばあった。アメリカがトウモロコシを燃料に使用し始めたことで野菜の値段が一気に上がったり、投機の絡みで石油の値段が上がったりしたために「ヤバいぞ」感に拍車がかかったように見えるが、実際のところ生活に大きな変化はない。もちろん様々な材料費が上がっているので、深刻な問題はこれから起きるのかもしれないが、ともかく今のところ生活レベルが激変するところにまでは至っていない。

今後深刻化するであろうガソリンなどの値上がり問題については、そもそもエネルギーの消費量を抑えるもっとも有効な方法が値上げなので、悲しいかな必然なのだ。ガソリンなんて1リットルあたり300円くらいにしたら車に乗る人は一気に減るだろうし、経済活動も停滞する。それは日本にとっては不都合なことだけど、エネルギーの消費は確実に抑えられる(もちろんそれを肯定しませんが)。そして、僕が一番気にしているのは、値上げによって生活に大きな支障が出始めたとき、真っ先に苦しめられるであろう低所得者(もちろん僕も含まれるわけだが)へのセーフティーネットの構築についてである。

エネルギー問題と同じくらい重要な問題が本書の確信である水問題だ。そして、日本は新鮮な水の宝庫である。この水を使って、大陸向けの水商売を積極的にやっていくことは日本が生き残る上でも重要な戦略である。温暖化が進行すれば、日本は熱帯化して作物がよく育つだろうと思うし、食料自給率も上がるかもしれない。水環境と食料の確保について、見通しのいい未来予想図ってのは行く通りも描かれるべきなのだろう。

僕はこの本を読んで、水道の水を飲むようになった。ミネラルウォーターの料金は水道料金の2000倍だそうなので、バカらしくなったからだ。しかも、外国産のミネラルウォーターはいろいろ悪い影響も出る可能性があるので、安全面でも水道水のほうが上なのだ。

Posted by Syun Osawa at 01:31

2008年10月06日

イシュトヴァーン・オロス上映会&トークショー

2008年9月15日/19:00−21:30/杉並公会堂小ホール

イシュトヴァーン・オロス上映会&トークショー久しぶりにアニドウの上映会へ。

「叫び」という作品でいきなり度肝を抜かれた。手描きの線でひたすら書き連ねるという古典的なアニメのスタイルなんだけど、ともかく絵が超絶的に上手い。あれはライブトレースなんだろうか? 画面の変化のさせ方とかも想像の斜め上に行っている感じで。感動しまくり。うーん、凄い。

しかも、今回は作者本人のトークショー付き(ありがたい)。オロスさんの話によると、メディアで一番よく取り上げられるのは『マインド・ザ・ステップ!』という作品だそうな。この作品は冷戦時代につくられた作品だからだ。作品の中では閉塞感に満たされたアパートを舞台に袋小路に入って行き場を失っている人間の姿が描かれている。しかも、出口には戦車が控えている。この作品は昨今大流行の日本のループアニメにもつながりそう。

オロスさんは『マインド・ザ・ステップ!』について、この作品は冷戦時代だったから意味があったと述べ、「自由な社会になった後に『マインド・ザ・ステップ!』のような政治的な作品をつくることは、表現技法のテクニックの一つである」と述べた。今回の上映会の中で、オロスさんのこの言葉が僕にとって一番の収穫になったかもしれない。というのも、個人的に戦争は芸術家にとって無視できないものであるという観点から、戦争と芸術 について考えているためで、表現者の中で実際に冷戦を体験したような人からこのような言葉を聞いたのは初めてだったからだ。

例えば 聖徳記念絵画館 には戦争や政治に関係する作品が展示されているが、その多くがリアルタイムで描かれたものではない。どこまでを戦争の当事者であるかと考えると、それはまた微妙になるのだけど、ともかく芸術家が見つめる世界が自分の作品に投影されないわけがないし、逆に時代の変化を無視してそこに固執し続けるのも変な気がする。

そういう部分も含めて、『マインド・ザ・ステップ!』とそれ以降、もしくは東欧諸国で冷戦時代につくられた作品と、冷戦後につくられた作品の変化に注目してみると面白いのかもしれない。もちろん、何もない…ということも十分に考えられるのだけどね。

凄いわ…。いやマジで。DVD買ったよ。

(関連)戦争と芸術

Posted by Syun Osawa at 00:45

2008年10月04日

図解雑学 環境問題

安井至/2008年/ナツメ社/四六

図解雑学 環境問題環境問題と一口に言っても、何がどう問題なのかよくわからない。石油はもうすぐ無くなるらしいし、地球が温暖化していて海抜が低いツバルなどは、やがて海の下に沈むと言われている。そして、人口の増加によって食糧問題も加速しており、水の枯渇問題も深刻さを増しているらしい。

この手のニュースは僕が小学校の頃から聞いている気がするが、当時は話が大きすぎてなかなかしっくりこなかった。最近のゲリラ雷雨なんかを経験すると、これも環境の変化によるものかと勘ぐってしまうが、実際のところよくわからない。とにかくわからないことだらけなのだ。ただ仮に、地球温暖化によって人類に重大な危機が訪れようとしているとするならば、エネルギーの消費を抑える事以外に解決策がないことは間違いない。

よって、エネルギー消費を抑えることについては、地球温暖化に懐疑的な人であっても考えていく必要があるだろう。もちろん経済活動が活発になればなるほどエネルギーを多く消費するわけで、豊かな暮らしを求めれば求めるほど環境は悪化していく。それを、人間の日々の心がけで何とかしようというエコな人の話は耳に優しいが、その程度では現在のエネルギー消費の問題は到底解決しないようにも思える。

本気で地球温暖化を考えるなら、ガソリンを300円くらいにすれば車の乗車率が一気に減るだろう。同時に、経済も停滞するわけだけど、少なくとも地球に優しい社会にはなる。ようするに、環境問題ってそういうことなんだということは、最近少しずつ感じ始めている。

この本では、いろいろな環境に関する問題を幅広く取り上げていて、知識を蓄えるためにはとてもいい本だと思う。あと、この本の中で、エネルギー消費を低く抑えるための方策として、高価なもの、付加価値のあるものを買うという提案はなかなか面白かった(エコプレミアム型)。

僕はブランドとかあまり好きじゃなかったけど、ブランドは人間が勝手に作り上げた価値だから、ぶっちゃけエネルギーの量とは関係が無い。そういう価値によって経済が活発になるのなら、つまりエネルギーをあまり消費せずに経済が発展するのならば、今後はそういうことを良い行為とするべきなのかもしれない。そうなると、僕のものの考え方や価値観についても若干の修正が迫られるような気もするが、今のところそこまでの緊張感は無い。ともかく、環境問題についてはもう少し勉強が必要だな。

ともかく「エコバックを持って車でスーパーへ買い物に行く行為」がエコでないことくらいは気づくべきなのだ。

Posted by Syun Osawa at 01:48

2008年10月01日

Aira Mitsukiインストア・イベント

2008年9月20日/17:00−17:30/タワーレコード新宿

客多すぎてワロタw

本人にとってもデートピアにとってもここが勝負どころなんでしょう。頑張って欲しいです。TSUTAYAへ行ったら、フューチャーポップとかっていつの間にか変なカテゴライズができているみたいで驚きました(世の中の流れって本当に早いね)。相変わらず日本発のカテゴライズは名前に音自体の一貫性があるわけではなくて、何というか雰囲気芸ですよね。

AllAboutの本当にアバウトな フューチャーポップのルーツとしての渋谷系 などを読んでも、その分類に一体何の意味があるんだろう? …とか思うだけで、それ以上に発展させようがないのが現状です。「ジャンルを越えた音楽を作る」ことを宣言させるための前置きみたいなもんでしょうか。崩すための壁をわざと作るというか何と言うか…。

ともかくアイラミツキに関しては、バタ臭いアイドルの要素がいいんですね。もちろんそれだけでは駄目で、そこに素晴らしい楽曲が重なりあったときに、アイドルとして一歩前へ突き抜けるのでしょう。アイドルってやっぱり歌ありきだよなと思う今日この頃でした。

Posted by Syun Osawa at 01:21