bemod
« 2009年03月 | | 2009年05月 »

2009年04月29日

ETFとは何か

北村慶/2009年/PHP研究所/新書

ETFとは何か金融リテラシーを身に着けたくて、4月から小額投資を始めている。とりあえず、インデックス型の投資信託と外貨MMFが簡単なので、そこからポートフォリオを組み立てようとしていたら、世間的にはETFがどんどん過熱。僕も後回しにしていたETFに乗っかってみることにした。

そこで読んだのがこの本。

著者の書いた『 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント 』や『 大人の投資入門 』が好きだったこともあって、本屋の新刊コーナーで見かけてすぐに買った。ETFのしくみや種類、問題点や課題などがサックリと書かれていて、ETFをサクッと知りたい人には最適の書ではないかと思う。

ETFは個別銘柄に投資するのではなく、複数の銘柄の組み合わせでインデックスであったり、アメリカの金融関連銘柄の値動きだったりというものに追随させる仕組みになっている。それだけの話なら投資信託でも似たような商品が数多く存在するが、投資信託に比べて運用手数料が安いことが大きな魅力になっている。

そして、世間の流れも投資信託からETFに傾倒しているようだ。この流れに乗って僕もETFへ…といきたいところだが、ETFは上場された株式であるため、小額投資の僕には少しだけ敷居が高い。

一旦株式投資をはじめてしまうと、市場のチャートを気にかけなければならず、本来の目的(ほったらかしでお金が増えるw)から大きくかけ離れてくる可能性がある。また、小額の場合、株式の取引にかかる手数料によって利食い&元本割れしてしまう危険性が高く、ETFのメリットを十分にいかすことができない。

そういう意味でも、ノーロードの投資信託のほうが、貧乏人の自分には合っているのではないかという気もしている。このあたりはもう少し実際の投資を体験しないことには何とも言いようがない。ひとまず小額でも買えるTOPIX追随型のETF(有名な1306ね)を購入して様子見。

今現在、海外も含めると様々なETFが上場されており、ETFだけで「日本株式」「海外株式」「日本債券」「海外債券」のすべてに分散投資することも可能である。あらかじめそれら4つのETFを上手く組み合わせた形のETFなんかもあって、まさに金融の世界もポストモダンな世界へと変貌しつつあるようだ。

このように、株式の取引だけで、しかもたった一つのETFを購入するだけで、自分の求めている世界市場への投資といったポートフォリオが完成してしまう状況がもうすでに存在している。こういう状況では、これら4つの相関関係は高まってしまい、やがては分散投資が以前ほど重要な意味をなさなくなることは、素人の僕にも想像できてしまう。

じゃあどうすればいいのか?

それがわかれば誰も苦労しないわなw

Posted by Syun Osawa at 00:57

2009年04月27日

PCヤバい=景気の話=NIN=新書=嘘=ロシア

PCがいよいよヤバい…。

昨年の秋にSP3にアップグレードできなかったあたりから怪しくて、ここにきていよいよ挙動がおかしい。AVGの動きもヤバい。いずれ再インストールはもちろんするとして、これを機会にPCをもう一台買おうかなと検討中。デスクトップ型がかなり安いらしいので…。

これからはデフレ? それともインフレ?

経済関連の本とかテレビなんかだと「これからはインフレだ!」と言ってるのに、外食チェーン各社が値下げを断行している。吉野家、松屋、すき家すべて値下げ。底辺に生きる私にはありがたい話だが、これって要するに円高で材料費が下がったことが影響しているのかな? スーパーの輸入食材も安くなってるし…。

ただ、こうなると国内で起きるインフレとデフレというのがどんどん複雑になって、投資的にはどう先を読んでいいのかさっぱりわからなくなる。うーむ。

区議会の国旗掲揚とかどうでもいい

ポストに入っていた「なかの区議会だより」を読むと、「中野区区議会本会議場に国旗の掲揚を求める件」なるものが賛成多数で採択されていた。で、それに反対する請願が2つ不採択。

…どっちでもええよなぁ。しょーもないことに時間を費やさないでほしいわ。こう書くと「非国民」のレッテルを貼る人がいるけど、脳みそが完全にセカイ系になってるように思う。

ニコニコ生放送にホリエモンが再登場

ライブドア事件について振り返っていた。彼が最近ブログでかなり重要なエントリをあげていて、僕自身かなり勉強になった。当時のライブドアが複雑な金融操作で利益を上げようとしていたことは間違いないが、生放送の中でも言及されていたように、彼らが犯した罪というものがそもそも罪なのかどうかも疑わしい。

粉飾決算で起訴された他の一流会社は、桁違いの額で帳簿の付け替えをやっていたらしい(酷いのは数千億円レベルとか)。もちろん一方的な意見なのかもしれないが、話を聞く限りは、世間の見せしめのために叩くという古典的なな社会秩序の守り方を、検察と裁判所がゴリ押ししているようにも見える。

手に入れた本など

竹川美奈子『投資信託にだまされるな!』(ダイヤモンド社)
橘玲『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)
竹山博英『マフィア ― その神話と現実』(講談社)

新潮社『波 2009年4月号』で米谷ふみ子さんがアカデミー賞の選考に関するネタを書いている。アカデミー賞の会員が6,000人というのは前から知っていたが、会員は年寄りが多いため、選考対象になっている国内映画は、協会から送られるDVDで見て選考している事は知らなかった。つまり、外国映画はDVDにならないために劇場へ行かねばならず、結果として投票そのものがとても少人数になってしまうらしい。これは、おそらく『つみきのいえ』が受賞した短編アニメーション部門も同様だろう。

筑摩書房『ちくま 2009年4月号』は「オタク文化の現在」が最終回。ベクトルの向きは三者三様だったが、みんな制度化の欲望に絡めとられていて、かつて文学部と小説教室が辿ったような、時代のループ性を感じさせられた。少なくとも 戦争と芸術 を勉強している僕には…。

ジブリ『熱風 2009年4月号』は高畑勲さんが『ルパン』について語っていた。高畑さんの話って必ず宮崎駿の話が出てくるので見逃せない。

ポップアップじかけのショートフィルム

「Magic Chest」という作品。クロアチア産だそうな。

神風動画の今!

安室奈美恵『Dr.』のPVをつくったそうで。いつの間にか、セルシェード系3Dを大量生産するチームって印象が強くなった気がする。今回の映像見ると、受注でPVを作るのが難しいということを感じさせられる。曲に特別な思い入れがないと曲と映像がバラバラになるから、大変なのだろう。

その点ニコニコ動画なんかの自主制作のPVは、作り手が好きな曲をチョイスしているので、映像と音楽の間に働く引力が非常に強い。このあたりについては、何かしら思うところがある。個人的には、IKKIの付録で松本シェーダーとか言って『吾』を映像化したのがあったけど、あのシェードを使った作品って今後作る予定はないのだろうか…。

中国の乳揺れCMの3分バージョン

小太郎ぶろぐ より。露出が多すぎてCMのほうが放送禁止になったらしいが、この程度の露出なら普通に受容されているということなんだな。

2008年に北米で売れたマンガ

ちょ…ほとんど『ナルト』じゃねーかw

2nd ニコ寅の踊ってみたネタ

いとくとらとぬるぽんが出るというので、チケットを買う寸前まで行ったのだが、別の予定が入り断念(いつも暇なのに悔やまれる…)したという経緯があるイベント。

『ninja 2009 tour sampler』を聴く

Nin Inch Nailsも長いなぁ。Nin Inch Nailsを知ったのは、中学生のときに『サイキック青年団』で板井さんが流したのを聴いたのが最初だったか…。あれからずっと同じ位置で走り続けてるというのも凄い。何気に今回の音源もかなりいい感じ。普通にリプレイしまくりで聴いてるが、これ無料でいいのか?

理化学教材に特別予算を

理科室を充実させると理科離れが克服される…のか?

アフタヌーン新書って…どうなの?

書店で立ち読み。僕秩さんとか明らかにウェブのほうが面白いし、どうなんだろうなぁ…。ゼロアカの人なんかが、この新書から続々と批評本を出すのかも。今のところ軸足がかなりブレてる気がする。

「エリア51にUFOはない」元職員5人が証言

この手のネタバレって必要なんだろうか? 良識のある人ならば、あの場所でUFOの研究をしているとは思っていないだろうし、そうであっても謎のままだから妄想の余地があるという点がいいわけだ。ポイントはそうした妄想を人工的に作り出している点である。妄想の余地がドンドン狭くなっている昨今、こういう余地くらいは残しておいて欲しかったと思う。

ロシア、チェチェンでの対テロ作戦に終止符

この前行ったユーラシア研究所のイベントで聴いた話によると、メドベージェフはやり手らしい。もしもプーチンの背後で暗躍していたシロビキ派を抑えつつの撤退ならば、この流れは妙に納得できる。

クルーグマンが日本に謝罪

こういうニュースが出ると、池田信夫ブログ を見る癖がついてしまった。アメリカの景気が回復しないと、円高が加速してしまう…。そうすると外貨MMFが生きない…とか、無駄なことが頭に浮かぶようになってしまった。これは明らかに投資本を読んだことによるマイナス効果だろう。

「世界経済回復は2010年」欧州中央銀行総裁

3月にフルインベストするべきだったかな。いや…もう一回今年に下落はある…とかいろいろ考えるようになる。投資なんてやるべきじゃなかったんだろうか…w

Posted by Syun Osawa at 01:13

2009年04月25日

めいど in あきはばら

監督:多胡由章/2005年/日本/実写

めいど in あきはばらMAKOたん(;´Д`)ハァハァ

MAKOがネットラジオをやっているので、その繋がりでふと思い出して見たのがこの作品。MAKOは『 かみちゅ 』でハマって以降、ちょこちょこは追いかけているんだけど、本職のボンブラの活動が忙しいからか声優活動はそれほど多くないのが残念。声はかなりの萌え路線直球派なんだが…。

内容はというと「メイドとは何か?」「萌えとは何か?」といったマジックワードと化して久しい用語の一側面を自己言及的にドラマ化している。古くは岡田斗司夫の『 おたくのビデオ 』がそうであったように、秋葉原のメイドものをやるときは、こういう方向性は避けられないのかな?

一つ疑問に思ったのは、秋葉原に集うオタクがなぜメイドに萌えなきゃならないのかという点だ。この作品でも、最初にメイド喫茶に集うオタクたちの様子が描かれているが、彼らは様々な趣味を持った人たちとして描かれている。ところが、彼らはメイドに対してはかなり単一的な萌えの反応を示すのだ。ただ、こうなるとオタク関係なくね?

このオタクの描き方はわりと古典的で、オタクと呼ばれている人につけられたネガティブな印象とその印象から想定される恋愛感が軸になっている。そして、ここからオタクのキャラクターを性癖で微分するような形で「萌え」が導き出されているようにも思うのだが、果たしてこれは本当なのだろうか? 今でも女子高校生はルーズソックスをはいている思っているおっさんと同じ感性の古さを感じてしまうのは僕だけだろうか?

そうそう話は戻るが、自己言及的といえば、この作品に登場するヤクザ(というか悪役商会)なんてまさにそんな感じじゃないのかな? ヤンキー文化に批評性うんぬんするより、悪役商会の批評性を考えたほうが何かしら見えてくる世界があるんじゃないかと思う今日この頃…。

まぁ…別にドラマの内容はどうでもいいわけだ。アイドルオタクな僕としてはMAKOが見たかっただけだしw そして、そういう流れで小清水亜美、野川さくら、宮崎羽衣らが出演していたDramagixの実写ドラマシリーズ(黒歴史?)を続いて見てやろうというのが本筋だったりする。

Posted by Syun Osawa at 01:18

2009年04月23日

スタバではグランデを買え!

吉本佳生/2007年/ダイヤモンド社/四六

スタバではグランデを買え!今の僕の読書状況はというと…。

北村慶『 大人の投資入門 』などの投資関連の本を読み、分散投資の必要性を知るようになった。次に、昨今の経済にまつわる状況について書かれた本(小幡績『 すべての経済はバブルに通じる 』や中原圭介『 サブプライム後の新資産運用 』など)を読んで、日本株式、海外株式、日本債券、海外債券と分散投資しても、それらの値が独立して動くことは難しくなっており、分散投資の効果が薄れていることを知った。実際、内藤忍氏なんかも『 内藤忍の資産設計塾 実践編 』では分散投資をすすめていたのに、マネックス証券のコラム内では相関係数が高まっていることを認めている。

それらを受けて、庶民は「じゃあこれからどうすんのよ?」となるわけだけど、そこで明瞭な指針が書かれた本は結構少ない。仕方がないので、ひとまずは手数料の安いETF、パッシブ型の投資信託、外貨MMFあたりを抑えつつ様子見することに…。そして、読書としては、もう少し現実的なレベルの本(最近僕が読んだ本の中では荻原博子『 給料はこうして増やしなさい! 』あたり)も読むことにした。

ようするに、それがこの本。

この本では、映画のDVDが時間が経過するごとに安くなる理由、携帯電話の料金が複雑な理由などお金にまつわるカラクリについて書かれている。他にもデジカメが大量に作られれば、工場の機械の稼働率が上がって設備投資分が回収されるために値段が下がる話や、100円ショップで取り扱われている商品の話など、金儲けの仕組みを知ることができて、商品を見る視野が少し広がったように思う。

特に人為的なコストの話として「比較優位」の話が面白かった。

よく仕事の出来る人と、あまり仕事の出来ない人が二人で同じ仕事を行う場合の仕事の配分の話である。できる人のことだけを考えていては、利益を最大化することはできない。あくまで仕事の総体が可能なかぎりの利益を追求できているかいるかどうかが問題なのであって、そうした判断の上で二人の仕事は配分しなければならないのだ。ところが、「カンチガイ君」と呼ばれるような自分の能力を過信しているタイプは、相手と自分との間の優位性だけを追い求めてしまって、結果的に総体として利益の最大化ができていないことが多いというのだ。

野球で考えるとわかりやすい。自分の成績だけを気にして、送りバントをしなかったり、走者を進塁させるための犠牲フライや右への流し打ちをしないなど、チームへの貢献が低ければ、個人がいくらそれなりの成績を残せていても、チーム全体としては勝利に対しての可能性は最大化されていないということになる。

つまり本当に優秀な人というのは、比較優位を十分に把握しており、出来る人は出来る人なりに、出来ない人は出来ない人なりに仕事を割り振りながら仕事の効率化を目指せしていける人なのである。これらの考え方は、今の職場にも大いに当てはまってしまうので面白かった。

なお、本のタイトルになっているスタバの話には若干の意義あり。

スタバはおかわりが100円でできるため、1度にショートの2倍の大きさのグランデを注文するよりも、ショートを1回おかわりしたほうが、「店員が二度コーヒーを入れる作業をすることによってコーヒーの温かさが持続される」というコストの分だけ得しているような気がするからだ。

あと、日本盤CDが3000円、還流CDが1000円で売られている場合、著作権者に入る印税が同じだとすると日本盤CDのほうが高くなるのか? という話で、著者は還流CDに30%の印税をのせれば、より安く出来るのではないかと書いている。確かにその通りだとも思うが、還流CDというのはあくまで日本盤CDが作られた後に作られるCDである。そして、日本盤CDというのは、著作権者が所属するレコード会社が製作しているCDなわけで、単なる流通元としてあるわけではない。その部分がスルーされていたので、話の意図が少しよくわからなかった。プレスを海外でするとかそういった話ではないような気もするので…。

Posted by Syun Osawa at 00:24

2009年04月21日

起創展街フォーラム『中野、ここが一番!』

2009年3月24日/14:00-18:00/中野サンプラザホール

起創展街フォーラム『中野、ここが一番!』普通、平日の昼間にこんなイベントやるか?

つか、爺ちゃん、婆ちゃんは毎日が日曜日だから関係ないんだろうけど、中野ブロンディーズとかインスタントジョンソンなんて客層とミスマッチ過ぎだろ。しかも出演予定だった松村はマラソンで倒れちゃったし…。

ただ、この日は偶然WBCの決勝があって1ヶ月前から有給をとっていた。「俺はこういう引きは強い!結果オーライとはこのことか!」と思って小躍りしてたのに、そうは上手く事が運ばなかった。WBCが延長するほどの熱戦だったために、イベント開始時間の14時に間に合わなかったのだ。

中野ブロンディーズ(正確にはAKINAと藤崎ルキノ)の美しい姿は拝見できたが、パフォーマンスを見ることはできなかった。残念。もしかしたら後半にも出てたのかもしれないが、2部になって区長とかが話し始めたので静かに退散した。

AKINAは腐女子シスターズの二番煎じみたいなことに参加するよりも、Folder5を復活したらどないやねん…って思ったりもするんですが、需要ないんですかねぇ。

Posted by Syun Osawa at 01:09

2009年04月19日

お金を知る技術 殖やす技術

小宮一慶/2008年/朝日新聞出版/新書

お金を知る技術 殖やす技術この本のサブタイトルには「「貯蓄から投資」にだまされるな」とある。別に騙されてるつもりはないんだけどね…。

僕の場合はお金に関するリスクを抱えたときに、今のままでは対処できない気がするので、予防線としてお金に関するリテラシーを身につけようとしているわけだ。例えば僕の親くらいの世代だと金利も余裕で1%を超えていて、何だかんだで経済そのものが上昇し続けていたから、お金について無関心のまま奇麗ごとが言えるわけだ。だけど、それは僕の今の実感とは大きくかけ離れている。だから、湯浅誠『 反貧困 』で語られていたセーフティーネットを国に求めるだけでなく、自分のほうでも構築しておこうというのが僕狙いだったりもする。

この本では、自分の持っているお金を「ある一定水準の生活やライフスタイルを維持するために必要なお金(守るお金)」と「より豊に暮らす可能性を追求するために運用できるお金(攻めるお金)」に分けて、それぞれの運用法の違いを説明している。

これは実に理にかなった方法であるが、少なくとも著者の理論に従って考えれば、僕の持っているお金はすべて「守るお金に回すべきお金」ということになってしまう。それはつまり、低所得者は金融に手を出すべきではないということである。俺…m9(^Д^)プギャー

日米の個人金融資産を単純に比較すると、日本が約1,170万円なのに対してアメリカが1,470万円となっていて、アメリカのほうがより金融資産を持っているとされている。もちろんアメリカにはバフェットのような大金持ちがいるわけで、そういう超勝ち組を入れた形での平均値なわけだ。下位層だけを比較すると、日本のほうが株式の保有率が高いのだそうだ。

こういう事情を踏まえてしまうと、投資に関心を持っている今の僕の立場というのは、自ら蟻地獄へ飛び込む蟻であり、ネギを背負ってやって来た鴨である。

著者の言いたいことは理解しつつも、彼の言う手堅さが妙に気にかかった。そこで略歴を見たら、彼は証券会社出身ではなく、銀行出身のコンサルタントであった。書かれている内容は基本的に著者の立場を色濃く反映していることはこれまでの本でも学んできているので、いろいろ納得した。これは文学でいうところの「見れば私小説は著者本人か?」的なものにも近いニュアンスとして受け止められるかもしれない。

ともかく、僕自身もっと勉強する必要がある。ネット証券を使用しての投資は始めたものの、財務諸表を読めないし、ETFについても詳しく知っているわけではない。結局はもっと勉強しないといけないということだけが、本を読めば読むほどわかってくるというのが何とも虚しい現実である。

Posted by Syun Osawa at 01:46

2009年04月16日

Saori@destinyインストア・イベント

2009年3月23日/17:00−17:30/ISHiMARU SOFT2 7F

このエントリは、東浩紀のゼロアカ道場 第五関門 の感想ともちょっと繋がる話かも…。

今回のSaori@destinyの新譜はいよいよ「悪ふざけ」が熟成されてきた感じ。今回の新譜用につくられた衣装なんかまさに悪ふざけ。もちろんここで使ってる悪ふざけは、良い意味で使っている。

例を一つ挙げてみる。

『ナインティナインのオールナイトニッポン』というラジオ番組には、ネタ投稿用のコーナーがあって、最初のうちはコーナーの趣旨に沿ったネタが送られてくる。ところがしばらくすると、コーナーの趣旨そのものを壊しにかかるネタが送られてくるようになる。なぜかと言うと、趣旨に沿ったネタだと面白さに限界が見えるからで、より大きな面白さを追求した結果、コーナーの趣旨を壊しにかかるネタが送られるようになるのだ。これは言い換えれば「悪ふざけ」である。そして、やがてコーナーは悪ふざけによって破壊しつくされ、寿命を迎えて終了する。

この展開に僕はある種の「メタ」的な匂いを感じ取るのだ。というのも、ハガキ職人がコーナーの構造を理解しているからこそネタのメタ化が可能なわけで、シンプルに面白さを追求し続ければ、いずれはそういう方向へいかざるを得ないということを彼らは知っている。このように面白さはエントロピー増大のように拡がり続けて、自分達が設定した枠組みを食い破るという点が、僕の好きな点でもある。これは、先日まで追いかけていた ゼロアカ道場 も同じで、あれだって僕にはシンプルな面白さを追求した結果の悪ふざけに思えたのだ。

よーするに、僕は悪ふざけが大好きなのだ。

残念ながら僕には悪ふざけを実践する素養はないが、デートピアはいい意味でも(もしかしたら悪い意味でも)悪ふざけをしているから面白い。今回のSaoriの新譜も前回同様に、そしてAira以上にPerfume以降のアイドルとエレポップとの関係を理解し、その構造で遊んでいるように思えた。

しかし、悪ふざけは破壊の美学でもあったりするわけで、実際のところ彼らは今にも消えてしまいそうな小さな世界を、Perfumeよりずっと速い速度で縮小再生産し続けている。

こうした面白さがある一方で、アイドルオタクとしての僕は、新アルバムの中で一番好きな一曲『 ステンレス・スターライト 』歌詞を読むと、ちょっと複雑な気分にもなる。この詩を本人が書いているのかどうかも、もはやわからないわけが、この悪ふざけにつき合わされているアイドルの心性みたいなものが見事に表現されていて、とっても切ない。この切なさも含めてアイドルってええやん? って話なんですが、これ以上書くとあまりにキモすぎるのでこのへんで自重しておくw

でも、そういう文脈でこの曲を聴くとちょっと泣けます。

Posted by Syun Osawa at 00:59

2009年04月14日

スパー=サイキック=めぐり逢う世界=まさかの月収

会社の帰りによく行くベローチェが全席禁煙になった。個人的には服に匂いがつかなくなって嬉しいが、タバコを吸う人が日に日に追い詰められている状況には異議を申し立てたい。というのも、彼らは僕よりも多く税金を払っているからだ。タバコの副流煙の問題はあるとしても、タバコを吸う人にはどんどん吸ってもらって、少しずつタバコの値段も上げさせてもらって、人一倍税金を払ってほしいというのが僕の本音である。

最近、毎週末スパーリングをやっているため、日曜日は頭がジーンと痛い。このジーンには痛みはないものの、なんだかモヤモヤして妙に怖いのだ。ジムに来ている脳外科の先生の話によると、脳は年齢とともに収縮するらしく、脳と頭蓋骨の間に空洞が出来やすくなるらしい。その状態で殴られると脳が揺れて危ないのだそうだ。もう少し若い頃に始めるんだったなぁ…。

手に入れた本など

北村慶『ETFとは何か』(PHP研究所)
國貞克則『財務3表一体理解法』(朝日新聞社)
徳川宗賢 編『日本の方言地図』(中央公論社)
手塚眞『ヴィジュアリスト』(新書館)
アニメDVD『トムとジェリー DVD-BOX』(宝島社)

宝島社もこういう商売をやるようになったのか…。

北野誠の活動休止はサイキックが原因だった

僕は90年代、ずっとサイキックを聴いていた。そして、大学を卒業して東京に来る日まで聴き続けていた。残念ながら、東京に来てからはほとんど聴いておらず(一応、ICF-SW7600という高感度ラジオも持っているんだけど,それでも聴く機会は減っていった)、一度 東京のイベント に行っただけだ。

3月にラジオ終了のニュースを耳にして、「とうとうサイキックも終わったか…」と感慨深いものを感じてたら、今回の活動休止で一気に生臭い感じになってしまった。うーん。何て言うか、サイキックのネタって西武の東尾みたいに危険球ギリギリが生命線だったからなぁ…。

2000年以降、『サイキック青年団』をほぼ聴いてないので詳細はまったくわからないが、たまに覗いていた2ちゃんの関連スレッドやファンサイトの情報などをあわせると、『サイキック』に対するアンチも多く存在していたようだ。そしてまた、その場かぎりの嘘のような本当のような情報が、ネット上でテキスト化されることで別の文脈で消費されてしまったような印象もある。

飲み屋でおっさん二人が「あんな奴死んだらええねん」と発言した言葉がテキスト化され、小学校のホームルームでその言葉についてマジ討論が交わされてしまうような状況がネットにはあるし、それはもはや避けられない。サイキック的なアンダーグラウンドは絶滅する運命なのは自覚しつつも、いつかロフトプラスワンあたりのイベントで懐メロ的に復活してくれたら、そのときには観に行きたいと思う。

『めぐり逢う世界』にめぐり逢った

後半 とあわせて15分の短編。超力作でヤラれちまった。僕はやっぱし自主制作好きだなぁ。何でかわからんけど、この青臭い感じ(中二病?)が僕は結局好きなんだと思う(嫌い嫌いと思ってたけどw)。

鈴木謙介『 サブカル・ニッポンの新自由主義 』の読書感想文でちょこっと書いたが、チャットモンチーの「橙」という曲に感じるビルドゥングス・ロマンの不成立というのをこの作品にも感じた。さすがに、この作品では不成立とまでは言い切れないが、それでも一年前の私と今の私がかなりのシンクロ率で等価であり、相手との距離が内側の部分で今も昔も変わっていないというところが興味深い。

あとは「世界」か。セカイ系という言葉もさすがにあまり聞かなくなったが、ちょっとだけ。宣伝誌『本 2009年4月号』(講談社)で野矢茂樹が世界観について、僕らは狭い行為空間では世界観(この世界は過去と未来が斉一的である)を前提としているが、それは広大な論理空間の片隅に過ぎないと書いている。セカイ系の作品というのはまさにこの行為空間内での前提を何やらしているもののように思えるが、よくわからない。

「やる夫で学ぶ」シリーズがアニメ化

なんか違う…。そして、やる夫の思想を汲み取ってない気がする。

佐藤秀峰の月収は70万円?

佐藤秀峰がこういう状態だと、他の漫画家はどうなるんだよ…。ヤバすぎるだろ。つか、原稿仕上げるのにメチャメチャコストかけてるんじゃなかろうか? …とも思ったりもするのだが。

そして、そんなことより佐藤先生! 早く『特攻の島』を再開してください! 出渕裕の『ルーンマスカー』も復活したことですし…w

木とか自然物を描くのに便利らしいブラシ

Photoshopのブラシ。僕はPSでのブラシの使い方が未だに上手くいかないために、バカの一つ覚えのようにセル塗りを繰り返している。何とかしないと、カラーイラストの幅が全然広がらないよ…。

セクシー化が進む世界のお天気キャスターたち

朝のお天気キャスターってやたらとピュア度を売りにしているような人が目に付くけど、あのたどたどしさは朝グッと来ないのよね。お天気お姉さんのセクシー化路線は日本でも期待したい。特に朝。

ニセ科学の定義と判定について考える

旧ブログのエントリの改訂版。

「ユーチューブ」もうジリ貧らしい

Youtubeの不幸は、動画だけを他サイトに埋め込むことを許可していることだろう。あれって、サーバーの負荷だけかかるのに、外側の部分は全部他サイトに持っていかれてる。

村上春樹氏のエルサレム賞受賞スピーチに思う

宗教ではなく信仰というところが、日本人の「中二病2.0」的な感性が、世界にも徐々に浸透していることを感じさせられる。

iシェアーズを30億ポンドでCVCに売却へ

「iシェアーズ」って知ってますか? 投資信託とかやらない人ならどうでもいい話なんだけど、こういうことに足を突っ込んでしまったがゆえにスルーできなくなってしまった。このスルーできない状況もリスクになるわけだな。しかも見ることで費やされる時間の分だけコスト増だし。金融リテラシーを身につけるという目的がないとやっとられんわな。

Posted by Syun Osawa at 02:00

2009年04月10日

サブプライム後の新資産運用

中原圭介/2008年/フォレスト出版/四六

サブプライム後の新資産運用僕が読んできた長期投資の本では,たいてい分散投資とインデックス投資がよいとされている。僕にはそれが正しいのか正しくないのかが判断できないため,そうした投資方法に異議を唱えている本をいくつか読むことにした。この本もそのうちの一つ。

この本ではインデックス投資は世界の成長性に投資しているとした上で,現在の市場は日本株式と日本以外の海外株式が連動していると指摘している。この点は僕が分散投資の本を読んでいたときにずっと気になっていた点だった。

90年代バブル崩壊以降の時期には日本株式が低迷する中で海外株式は上昇したため,分散投資のメリットを十分に生かすことができた。ところが,サブプライム後の世界の情勢というのは,世界中の株式市場が連動して動いてしまうので,分散投資のメリットがあまり生かせないというのだ。このことは小幡績『 すべての経済はバブルに通じる 』でも指摘されており,今のベーシックな考え方でもあるのだろう。

そういう議論を踏まえた上で,著者は株式投資と外国預金による分散投資をすすめている。うん? 外国預金については,橘玲『 臆病者のための株入門 』とか北村慶『 貧乏人のデイトレ 金持ちのインベストメント 』あたりではやめたほうがいいと書かれていた気がするのだが…。

こうなると迷うんだな。たとえば内藤忍『 内藤忍の資産設計塾 実践編 』では外貨MMFで資産を積み立てて,ある程度たまればETFに乗り換えろと書かれていて,これについてはこの本でも似たようなことが書かれている。ただ,外国預金の代替として外貨MMFをすすめていて,そうなるとだんだんどういう選択肢がベターなのかもわからなくなってくる。

ひとまず今は,ETF一本でいくのが良いということは確からしく,その方針に従いながら学んでいくしかない。結局のところ,北村慶『 大人の投資入門 』で書かれていたようなほったらかしの運用というのは難しくて,一度投資をはじめたらそれなりに経済の動向は追い続けることは避けられないのかもしれない。

この本でも最後の部分で,投資よりも今の仕事を最優先すべきであり,自分の時間を大切にするべきだと書かれている。これは橘玲『 臆病者のための株入門 』などにも書かれていた。つまり、投資をギャンブルか何かと勘違いしてのめりこむのではなく,優先順位を間違わない範囲で資産運用を粛々とすすめていくのが本来の形だということだ。

でも、ほったらかさない程度に市場や世界の動きに気をかけるのは結構難しいよなぁw そして、何より投資を始めると、それ自体が楽しくなってしまう。しかも、投資が金融リテラシーの勉強にもなっていてるわけだから、僕にとっては一石二鳥というヤツである。損をしない程度にもう少し楽しんでみることにしよう。

Posted by Syun Osawa at 00:50

2009年04月08日

フリクリ(全6話)

監督:鶴巻和哉/2000年/日本/アニメ

フリクリ(全6話)僕は悪ふざけが好きだ。

このアニメも全力で悪ふざけしている。ただ、エヴァ以降のセカイ系的想像力というか、メンヘラ的な心性にキャラクター達の志向が絡め取られていて、少し痛々しい印象も残った。公開年が2000年なのでそれはもうしょうがないのかもしれない。そのあたりはよくわからん。

ともかく、音楽の青臭さといい、メタ的な志向が逆に自分たちの想像力に蓋をしてしまって、どこにも出られない袋小路に迷い込んでしまったような、何とも言い難い作品だった。パロディの部分を僕がちゃんと理解できていたらもっと深く楽しめたのかもしれないが…。

作品の中では漫画のフレームを用いたアニメがわりと頻繁に登場する。これは後に個人制作アニメ作品の中でも見かけるようになったが、手法としてはわりと昔からある手法なんだなぁと改めて思った。

以下、感想メモ。

第01話 フリクリ

ポップでキュートなライトコメディという感じ? いきなりメタ視点ていうか、自己突っ込み形式の作品なんで、ちょっと困惑気味。GAINAXが手がけたエヴァ以降のOVAらしいので、こういう作風にならざるを得なかったのかな? ようわかりません。

いずれにせよ、90年代的なセカイ系視点は残っていて、怠惰な日常。平凡な主人公。やり手なヒロイン。ありふれた世界に一つだけある建造物もしくは集団。みたいな世界設定は継続されている。ポスト萌えアニメ的なスタンスを持っていることは間違えないにしても、9年前に作られたこの作品が当時どのように受容されていたのかはわからない。

いかんな、こういう感想を持つこと自体よろしくない。でも、話としては平凡な日常に超少女が現れて日常をかき乱しますよっていう王道の登場シーンの変奏以外何ものでもないからなぁw

第02話 ファイスタ

物語なき時代におけるメタアニメの臨界点的作品ということなのかなぁ。筋の通ったストーリーが引っ張っていくという展開じゃないので、おっさんには少ししんどい作品。ナオ太にちょっかいを出していたマミ美が高校で虐めを受けていることが明かされるなどキャラクターたちの内面が少しずつ明らかになってきた。

完全にセカイ系の亜種というか、エヴァ以降のオリジナル作品をどうつくるかというところで、中二病的な症状が出てしまっているわけだけど、よく考えるとこういう作品をセカイ系と考えるのがそもそも間違いなのかも。閉塞感を打ち破るパンクス的な想像力、80年代のリヴァイバル的な何か、ユースカルチャーの復権というか、ぶち壊して突き抜けたいという感情を表現したいと思っているから、音楽にpillowsとかを持ってきているわけだろうし。

第03話 マルラバ

ニナモリ(市長の娘、学級委員長)がアンケートを操作して劇の主役になった話。最初の展開は唐突で良くわからなかったけど、後半のアクションシーンを見てようやくこの作品の楽しみ方がわかってきた。独白の連鎖がこの作品が作られた時代特有の現象かもしれないことはもう少し後に調べることとして、アンチ萌えとポップの間にあるものをシンプルに追求している彼らもやはり中二病的な宙吊りの中で作品を作っていることを伺わせる。アクションシーンってやっぱしアニメの核だと思った。

第04話 フリキリ

よくできた回じゃなかろうか。前半に野球とトラウマの話で前フリして、情報を開陳しながらセカイ系的な大風呂敷で幕。父親を殺すくだりなどのミステリーの要素も加わっていて、『エヴァンゲリオン』凝縮版といった感じ。まさにガイナックスの十八番芸といったところだろう。

ところで、この作品を観ているとなぜだかFLIP FLAPを思い出してしまう。もちろんフリフラと呼ばれていたという以外ないのだけど…。あと、途中で無駄に鼻血を出した美少女の描写があったが、あれって大昔にコザキユースケさんがホームページでやってたネタと被るな。

第05話 ブラブレ

明確にポストエヴァ的な志向を持ってる。セカイ系をメタってネタってパロッて乗り越えようとしている雰囲気は伝わる。ただ、その手のサブカル的な文脈のほかに、この回を見ていて気づいたことがある。昨今、キャラ化する若者について語られている状況をよく目にするが、そうした言説の一端はこの作品に出てくるような女性によくあらわれているように感じる。つまり、キャラ化の傾向が強くなっているのは、男(オタクの男も加えていい)よりも女のほうではないかということだ。

第06話 フリクラ

世界設定を開陳するような内容だとは思ってなかったなのに、最終的にはそっちに一気にシフトしていった。毎日変わらない日常とかそういう世界への諦念みたいなもの、そういうところから抜け出すための処方箋として導入されるハルコみたいな女性や、不思議ちゃんを演じる女子高生。何かが変わったわけではないのに、少しだけ大人になるといった、ただそれだけのビルドゥングスロマンさえも達成されにくい世界。

ではこの世界とは何だろうか? 箱庭の中に生きているという、そういう狭い視野の中でクリエイターがもがいているような気もする。メタアニメだとはいえ、そういう作り手の苦しさみたいなものも何だかちょっと感じられる作品だった。

Posted by Syun Osawa at 00:17

2009年04月05日

金持ち父さんのファイナンシャルIQ

ロバート・キヨサキ/2008年/筑摩書房/A5

金持ち父さんのファイナンシャルIQ 分散投資の本ばかり読んできたが、いい加減飽きてきたので反対意見の本を読んでみた。

金持ち父さん貧乏父さん 』の著者であるロバート・キヨサキ氏の意見は「自分でコントロールできない分散投資で金儲けしようとかお前らバカなの?」といったもので、それはかなり的を得たものだと思う。彼は不動産の売買と、アパートの家賃収入から得られる不労収益を軸にしており、この本でも自分でコントロールできるお金の儲け方をすすめている。そして、そのための能力としてファイナンシャルIQの重要性を訴えているのだ。

お金に関する知識、この本で言うところのファイナンシャルIQはたしかに僕には備わっていないし、そんなものを学んだ記憶もない。ところがお金の問題は常に僕の傍らにあって、夕食の献立のように毎日僕に判断を迫ってくる面倒な存在なのである。だからこそ、そういう問題からできるだけ目を伏せ、『 大人の投資入門 』の北村慶氏が言うように、ほったらかしの運用でお金が増えるならこんなに幸せなことはない。僕はこの考え方にある程度賛同している。つまり「あえて無知の分散投資」を肯定しているのだ。

ただ、ほったらかしであっても、まったくお金に関する知識(フィナンシャルIQ)を身につけなければ、ライブドア事件で年金をごっそり持っていかれたお年寄りと変わらなくなってしまうので、やはり学ぶ必要はある。そうすると、積極的にお金を儲けることの重要性も見えてくるので、キヨサキ氏の言うように分散投資ではない方法を考える機会も増えていくだろう。

ただ、彼のようにお金に執着して逞しく生きることが出来ればいいが、世の中には彼のような成功者が一握りしかいないこと、そしてほとんどの人が成功しないことを僕らは知ってしまっている。だから、行き着くところは静かに分散投資で負けない運用をしつつ、自分の飯の種はリーマンとして地道に稼ごうというひどくショボイ結論にならざるを得ないのだ。

うーん、お金の問題は本当に難しい。

Posted by Syun Osawa at 00:22

2009年04月03日

カナダ・アニメーション映画名作選

2009年3月17日−29日/東京国立近代美術館フィルムセンター

カナダ・アニメーション映画名作選フィルムセンター久しぶりかも。

ここの作品のクオリティって何気に高くて好きなんだな。プラプラ生きていた頃なら全部見たんだけど、さすがに今はそういうわけにもいかないので、「知性とユーモア」というプログラムだけを観賞。

幸運にもシネマテーク・ケベコワーズ学芸員のマルコ・ドル・ブロワ氏のトークショーも同時に見れるということで勇んで行ったのに、この日は何故だか凄く眠くて、上映のほうでもトークショーのほうでもほとんど寝てしまった。うーん、もったいない。

アニメの話と関係ないけど、マルコ・ドル・ブロワ氏のトークショーで一番感心したのは、通訳の人の能力の高さ。曖昧で難しい表現とかを上手に要約されて、かなりわかりやすかった。第4回 世界映画人会議 2 の同時通訳もかなりわかりやすかったし、国の絡んだイベントの優れているところって実はこのへんだったりするのかも。

上映作品は60年代から80年代に作られた古めの作品にも拘らず、今観ても新鮮な面白さがあった…はず。寝てしまったのが悔やまれる。Youtubeでいくつかの作品は見つけたので、リンクを張っておいた。以下、覚えているものだけ感想メモ。

ハエを飲み込んだおばあちゃん

by デリック・ラム

凄いおバカ作品。おばあちゃんがハエを飲み込んでしまって、そのハエを退治するためにクモを飲み込んで、そのクモを退治するために…と、どんどんエスカレートしていく作品。こういうコメディ作品って大好き。

ファイナンシャル・キャリア

by グラント・マンロー、ジェラルド・ポッタートン

この上映会に行った頃にちょうどロバート・キヨサキ『 金持ち父さんのファイナンシャルIQ 』を読んでいたので、そのことを頭に浮かべていたことだけは覚えている。どんな内容だったかは覚えていないw 

大玩具強盗

by ジェフ・ヘイル

クリスマスにカウボーイと強盗がガンガン撃ち合うという非常にバカっぽい作品だったように思う。イラストの雰囲気が古きよき海外コメディアニメという感じで好き。オチも超くだらないし。

あやとり

by ポール・ドリエッセン

線画がかなり繊細でかなりセンスのいい画面だった。シュールな展開だったはずだが、そもそも内容があったのかどうかも疑わしい。

会社でへとへとになった日

by アル・センス

記憶なし。

どうしてボク?

by ジャネット・パールマン、デリック・ラム

これも記憶ないなぁw

特別な配達

by ジョン・ウェルドン、ユニス・マコウレイ

絵本っぽい絵でつくられたアニメ。こういうストレンジでありながら伝統のあるインディペンデント系アニメが、カナダではきっちりアーカイブされているのが凄い。その一方で、日本では一部のマニアしか見れないというのはとても残念に思う。そういう事態はひとまずYoutubeが解決してくれているが、完全に違法だしなぁ。

3分で解る世界史

by マイケル・ミルズ

タイトル的に凄く面白そうなのに、まったく覚えていないw

ジェスチャー

by ジョン・ミニス

これはかなり面白かった。しかも、かなりくだらないw 誰が見てもわかるジェスチャーなのに、解答者の二人組みがまったく見当違いの答えを言い続けるというもの。昔、どこかで見たような気もする。こういう本当にくだらないコメディ作品はもっと見たい。

大喧嘩

by リシャール・コンディー

この作品も相当面白かった。コメディを作れる人って本当に凄いと思う。ネタが多重になっていて、キャラの部分とストーリーの部分の両方で笑わせにかかってるのがいい。これって、ネタの面白さもさることながら、演じている人の上手さもかなり重要だろうな。

Posted by Syun Osawa at 00:53

2009年04月01日

定額給付金で買ったものなど=いつもの下世話ネタ

「定額給付金を何に使う?」

…っていう糞くだらない話に僕はのることにしたw

というのも、Tripswitchの「 Silver robot baby mix 」に軽くヤられて、「 Silver (Ott Remix) 」で美曲オーラに晒されて、Ott「 The Queen of All Everything 」で完全に撃沈したからだ。後半ヤバい。

つーわけで、定額給付金は全額CDの資金に充ててやったぜ!

手に入れたCDなど

中野ブロードウェイで5枚300円に釣られたり、新宿HMVでの50%OFF商品に釣られて買ってしまったものなども含まれる。しかし、探してたものは店頭では一枚も買えず、結局欲しいものはすべてオンラインで手に入れるというw 何だかおかしいよ。

Ott『Skylon』
Tripswitch『Circuit Breaker: Rewired』
Zero Cult『Ikebana』
Younger Brother『Flock Of Bleeps』
V.A.『ORIGINAL DANCE CLASSICS SELECTION』
V.A.『Breakbeat Science』
MixCD『TranceMatch Best Hit Trance 3』
Junior Vasquez『Junior Vasquez vol.2』
Eddi Reader『Eddi Reader』
Madonna『Ray of Light』

Zero Cultの7曲目以降が音飛びして正常に再生されない…。返品うぜー。あと、60円で買ったMadonna『Ray of Light』が、予想の斜め上をいっていて、かなりの名盤臭を漂わせていた。オービットいい仕事するなw こういう価格破壊は何だか嬉しいような悲しいような感じ。

手に入れた本など

野矢茂樹『入門! 論理学』(中央公論新社)
『ユーロマンガ vol.2』(飛鳥新社)
『フィルムセンター vol.46』(NFC)
『NHCニューズレター 第13号』(NFC)
『NHCニューズレター 第55号』(NFC)
『NHCニューズレター 第56号』(NFC)
アニメDVD『空軍大作戦』(コスミック出版)

宣伝誌『ちくま 2009年3月号』で連載中の「オタク文化の現在」にて、伊藤剛氏が「マンガ実作指導と理論化の実践」というコラムを書いている。漫画読みの深さを教える指導というのがとても興味深かった。

ところで、ふと思ったのだが、漫画の専門学校というのは金を払って漫画を習うん場所なのだろうか? アシスタントに行けばいいのに…と、率直に思う。僕が漫画家のアシスタントをしていたときに、漫画の専門学校を出た人と二人出会ったが、アシスタントをしたほうがよっぽど技術が身につくと言っていた。文学部が小説家の養成をメインに据えていないわけだから、シンプルに漫画研究のほうでいけばいいんじゃないんだろうかと思うのだが、どうなんだろう。

『センコロール』がメジャーリリースされるらしい

個人制作系のアニメの中では一番楽しみにしている作品。2009年の今、個人制作を強く打ち出す必要はないような気もするけど、いずれにせよこれは買います。

2分でわかるバットマン・ロゴの歴史

バットマンのロゴが毎回変わっていたこととか全然知らなかった。

文化庁のアニメ関連の予算らしいが

誰かNFBとの比較して欲しい。たぶんNFBとは路線違うんだろうけど…。

今夏、メアリー・ブレア展開催

東京現代美術館、必死ですねw ディズニー、ジブリ、ディズニー、ジブリ…とりあえず現代美術を名乗った美術館の冠はそろそろ外したほうがいいのでは?

僕はIMALUをアイドル消費できるのか?

できるのか、おい? 俺? って感じですがw

『Zipper』とは意外な感じ。木村カエラの方向性はオタクからは結構遠めだし、動いている姿を見ないことにはなんとも言えないな。すでに ブログ も始まっている。

mF247 Episode2開始!ひろゆきが音楽の未来を語る

僕はiPodを使っておらず、しかもクレジットカードを持っていないために、2009年になってもダウンロード販売の恩恵を受けていない。CD買うメリットなんて、PCに取り込むからほとんどないんだけど、あえてメリットを挙げるならヤフオクで売れるということくらいかな。

ようするにダフトパンク専用のサンプラー

white-screen.jp より。何てことはないんですけど、これ楽しい。

なぜロボットは美少女なのか?

ネット上での波及効果を考えたら、美少女も出るが一番費用対効果が高いって結論になるからで、だからいつもロリコン趣味なものが社会に流通しまくるわけですな。

USエアウェイズ不時着のシミュレーション動画

シュミレーションで見ると、いかのこの不時着が凄いかがわかる。

ウェブ炎上の簡単な消去法

まったくその通りだと思いつつも、その通りにできない人の問題というのは、結局のところいきずぎたコミュニケーションによるコミュニケーション依存症の問題とも関係しているのかなぁとも思う。

「批評について」の愛について

これが愛! そして、愛以外には必要がないのだ。

オーマイニュース閉鎖についてしみじみと…

市民メディアと言いながら、そのすべてが金の問題に回収されるという…。結局、聖者のようなパトロンが現れるのを待たなければ、市民メディアは立ち上がらないのだとすると、そんなものにはもはや需要などないのかもしれない。

ホリエモンが語る株式分割の話

投資の本を読んでいると、何度も何度も出てくるのがライブドアの株式分割の話。株式分割によってライブドアの株価を吊り上げていたという有名な逸話について、ホリエモン自身が反論しているエントリ。僕には彼らの言い分が正しいのかどうかすらよくわからない。

AIG社員の最後の手紙(翻訳、藤沢数希)

ホリエモンのブログ より。これ読んだけど、なんとも言えない気分。こういう複雑な状況が生まれるのならキッパリ公的資金を入れなければいいわけだが、そうするとアメリカ経済が大きなダメージを受けるというこのジレンマ。僕には難しすぎる問題。

Posted by Syun Osawa at 00:42