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2014年10月16日

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて

安田浩一/2012年/講談社/四六

ネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて講談社のノンフィクション誌『 g2 vol.6 』と『 g2 vol.7 』に掲載されていた在特会のルポが単行本になったので改めて読むことに。本の内容についてはほとんど『 g2 vol.6 』の感想で書いたのであまり追記するところはない。付け加えるとすれば、僕がよく利用する2ちゃんねるやニコニコ生放送でネット右翼と称される人たちの偏狭なナショナリズムは未だによく目にすることと、そこが完全に居場所として認知されているためにその数が増えているように思うことだ。この問題はとっても根深い。

先日行った中央図書館で『朝鮮人虐殺関連児童証言史料』という本を見つけてパラパラ眺めていると、そこには関東大震災の後に日本人が朝鮮人を虐殺している様子が児童の手によって書かれていた。ルワンダ紛争のツチ族とフツ族も真っ青の虐殺っぷりで、読んでいるだけで気分が悪くなるほどだ。今のネット右翼によるヘイトスピーチの裏側にはこうした日本人の朝鮮人に対する思いが今も地続きになっているのかもしれない。

日和見主義の僕からすれば、アメリカとヨーロッパの経済が傾いている今、経済規模で世界2位の中国と3位の日本が地理的に近い位置にあり、グローバル企業が快進撃を続ける韓国がその間にあるという東アジアは世界の中心になる可能性を秘めているようにも思う。

もしもかつてのような大アジア主義を言うのなら今こそ連携を強化していくべきなのに、偏狭なナショナリズムでお互いをけん制しあっては相乗効果など生まれるはずもない。そのことが残念だ。

Posted by Syun Osawa at 00:02