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東京アニメアワード・フィルムフェスティバル

 8 月 29 日から 9 月 5 日まで恵比寿の 東京都写真美術館 で開催されていた 東京アニメアワード・フィルムフェスティバル に,二日間にわたって参加しました(ヒマ人全開です☆)。だって無料なんだもの。

 まず一日目は TAF2003 東京アニメアワードの公募受賞作品を鑑賞。

 公募受賞作品というのは,いわゆるインデペンデント系(もしくは自主制作系)アニメーションを指す(はずである)。この分野は関わっている人が少ないこともあり,どこの賞レースでも似たようなラインナップになることが多い。今回で言えば,『水のコトバ』『しももも』『風雲猫忍録』は DoGA コンテスト ですでに見ているし,『 雲のむこう、約束の場所 』や『 スキージャンプ・ラージヒル・ペア 』はネットでいやというほど目にしている。さらに優秀賞受賞の『攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX 』はモロ商業アニメだし,『 小川のメダカ 』は優秀賞で本当にいいのかと疑問の声も。

 受賞作 11 作品が上映されたのだが,日本のアニメーションはこれで大丈夫なのかと少し不安になった。何だかよくわからない。とりあえずかき集めたという印象が強く,意図不明である。

※もしお暇でしたら,当ページの左項目で紹介している fab animations をご覧になっていただきたい。優れたアニメーションとは,本来このようなアニメーションを指すと思うのだが,如何か?

 今年の 3 月に行われた東京国際アニメフェアで海外アニメーション劇場という会場があり,そこで上映された作品群はどれも素晴らしいものだった。ここで上映されたドイツの学生作品『 Das Rad 』などは,2003 年度のアカデミー賞にも ノミネート されている。いいアニメーションは本当にたくさんある。しかし,それらが商業主義の中で抹殺され,すべて矮小化,矮小化しているように思えてならない。個人的な収穫としては,ネットで話題になっていた『オーバーマン キングゲイナー』が予想に反して見応えがあったということ。これは今度全部レンタルして見たいと思った。

 さて二日目(ヒマ人認定)。

 二日目はアニメ上映会ではなく「韓・日アニメビジネスセミナー」という企業向けシンポジウム。平日ということもあり参加者は少なかったが,韓国の政府関係者や投資会社の社長が来日するなど,韓国側のアプローチは強かったように思う。

 現在,韓国でアニメ関係の仕事に従事しているのは 1 万人程度。年間 TV アニメ(平均 300 話)と長編アニメ( 3 〜 4 本)が作られている。「韓国のアニメ市場は日本と比べると 4 分の 1 程度である」と韓国漫画・アニメーション団体協議会事務局長のイ・キョギョン氏は話していた。韓国の GDP が日本の 10 分の 1 であることから考えれば,アニメに力点を置き過ぎている気がしないでもない。

 この日の主題は「日本と韓国が共同で,アニメ市場を活性化するためのビジネスモデルを作り上げていこう」というものだった。SAMSUNG 電子のパク・へジョン氏は「日本と韓国の共同プロジェクトは市場の拡大と,制作費のリスクの分散のためぜひとも推進したいが,現状としてはビジネスとして成功した例が少ない。」と現在の状況を冷静に受け止めながらも,「インターネットのデジタルコンテンツやオンラインゲームのアニメ化など,期待できる分野も数多くある。」と日・韓共同プロジェクトについて期待感を示した。

 よーするにこういうことだと思う。アメリカで 5000 億円を超える市場を持つジャパニメーションに韓国も乗りたいと。イニシアチブ(主導権)は日本にある(はずである)。もしジャパニメーションを一つのブランドと考えるならば,ビジネス優先のグローバル化はむしろ避けるべきではないだろうか。国産にこだわり,ジャパニメーションとしてのブランド力を高め,そこから世界配信の道筋を作っていくハリウッド方式の方が,絶対に日本の優先権が取れると思うのだけど…。

 僕は小汚い格好で参戦したのだが,なぜか会場入り口で ocon という韓国の 3D アニメスタジオの人からプロモ用 DVD を貰った。さっそく自宅に戻り,DVD を鑑賞。1 話 2 〜 3 分のデモ映像が 16 本収録されていた。動きもいいし,3D アニメーションとしての技術力も高かった。 しかし,決定的な「惹き」を見つけることはできなかった。いや,これは韓国に限ることではない。3D アニメーションの最も危険なところは,国の文化や国民性が繁栄されにくく,非常にグローバルな作品に映るところである。

 今回の二日間のイベントで僕にとって最大の収穫となったのは,中野の自宅から恵比寿ガーデンプレイスまでは,チャリ機(自転車)で行くことはできるが「結構しんどい」ということである。

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