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TAMALA2010

TAMALA2010

 ポップでキュートな暴力アニメ『 TAMALA2010 』を鑑賞。一体全体このアニメ,どこまでが狙いで,どこまでが本気なのだろうか?

 FLASH で作ったようなお粗末なアニメーションは,レトロポップで人気を博したアメリカの暴力アニメ『 ビーバス&バットヘッド 』や『 サウスパーク 』の思想を受け継いでいる。こう書ききってしまうと語弊があるかもしれないが,商業的な側面から見ればまず間違いないだろう。

 カクカクと動くアニメーションは会話劇が面白ければ気にならないのだが(むしろアニメは不必要なくらい),3D による背景の長回しやアニメーションで見せようとするシーンも多かったし,会話劇としての要素も少なかったことから,気にならないどころかむしろ「手抜き」に感じてしまった。

 引っかかったのは,物語の中に介在する思想について。これをノミノス教授(ゾンビ・ネコ)が長ゼリフで二回も説明するのだが,これが何とも中途半端な印象を受けた。人間の愚かな歴史をネコ地球に反映させて,資本主義の愚かさを嘆いてみたり,レーニン像を模した銅像を登場させてみたりといろいろやっているのだが,まったくもって「実」がない。もっと言うなら体験談として語れていない。これは僕の世代を含めた日本人の最大の欠点であるかもしれない。

 結局のところ,「そもそもこうなったのは俺が悪いんじゃない。社会が悪いんだ。」という自己肯定をネコに語らせてるわけだ。そして「全部ぶっ壊したい」という作家の本音さえも,それを実行するのは「自分」ではなく TAMALA のような「スーパーパワー」に委ねているのである。う〜ん,言い過ぎた(すいません)。

 しかしながら,この感想は二十代のどうしよーもないオタク男の視点である。恐らくポップでキュートな女性が観れば,感想はすべて「可愛いかった☆」に集約されることであろう。また,さんざん映画を酷評した筆者であるが,TAMALA の壁紙 は壁紙チェンジャーのフォルダにしっかり収まっている。

 可愛いっていいなぁ〜。

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