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森脇健児を思う

青ベジしんぶん

 僕は森脇健児を嫌いではない。

 むしろ好きな部類に入るだろう。何故なら僕は京都にいた頃,青ベジリスナーだったからだ。ちなみに「青ベジ」とは日曜の夜 10 時から KBS 京都ラジオで放送していた『森脇健児の青春ベジタブル』の略である。

 東京に出てきてとにかく驚いたのは,みんな森脇健児が嫌いだったということだ。東京進出は彼にとって転機ではあったが,正解だったとは言い難い。なぜなら彼の面白さは京都とその周辺地域を超えなかったからだ。

 しかし,東京の人は知らない事を彼はたくさんやっていたのだ。例えば,彼が日曜日にフジテレビで八木アナとスポーツニュースのキャスターをしていた時の話だ。意見を求める FAX を募集したところ大量のチン拓(チンチンのコピー)が送られてきた。もちろん送ったのは同時間に京都で放送があった青ベジのリスナーだ。CM 中に森脇がラジオに電話をかけてきて「俺を潰す気か?」と怒る。それを面白がって青ベジリスナーはさらなる遊びを企てる。そういうバカな事を繰り返すコアなラジオだった。鴨川でドッチボール大会とかもした。僕が高校生だった頃の懐かしい思い出である。

 そんなわけで,僕は森脇健二が大好きだ。当時,関西では『ヤンタン』がアイドル&ミュージシャン路線だったので,コアなリスナーは『サイキック』と『青ベジ』に流れていた。もちろん『ヤンタン』も今思うと豪華な布陣で,森高千里や根本要が DJ をしたり,つんくが即興で曲を作るワンコーナー(しかも毎回キダタローにダメ出しされる)に出ていたりとそれはそれで楽しかった。

 そんなわけで,まぁ…どーってことない話だが,今で言うと北海道の大泉洋なんかが東京の番組にガンガン出たとしても,恐らく彼の面白さは伝わらないだろうと思うわけだ。だがそうした限定的な面白さというのは,地方で生まれた人にしかわからないある種の特権なのかもしれない。と思うことにした。

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Composed by Syun Osawa since 10.1997