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そのわかりやすさは必要か?

アップルシード

 セルシェード(セルアニメ風のレンダリングを施した3D)を全編に採用したアニメ映画『アップルシード』を観賞。深夜の情報番組でもやたらとトゥーン・シェーダー(セルシェードと同じ意味)を強調していたし、数ヶ月前に同じ士郎正宗氏の原作による『イノセンス』(監督・押井守)が公開されていたこともあり、一般人的には話題を呼んでいた印象がある。

 でも、この映画は『アップルシード』じゃない。『わかりやすいアップルシード』だ。そして、わかりやすい時点で士郎正宗の世界ではない気もする。冒頭で繰り広げられる戦闘シーン、その後それぞれのキャラクターが順に登場し、映画の中の目的が明らかになる。そして終盤に向かって山場が段階的に用意され、ラスト直前に一度「もうダメか」と思わせながら、最後は見事に解決して終了する。ハリウッドスタイルのわかりやすいプロット。戦闘シーンは細かなカメラアングルの切り替えや、爆発エフェクトなどのたくみな組み合わせにより迫力ある映像表現が展開されていた。もちろん映画の見所はここ。実にわかりやすい。

 アニメの捉え方は人それぞれ。僕のアニメ感が「特殊なジャパニメーション業界」のそれ(文学でいうところの文壇みたいなものかな?)に知らない間にすっかりやられてしまっていたのかもしれない。だけど、テレビコマーシャルでの「普段アニメとか見ないんですけど、これなら…」というコメントの裏側に隠されたモノを、少なくとも僕は好きではないようだ。内容に関して言うならば、押井守の『イノセンス』は語りたいと思うのだけれど、この作品は後を引かない。

 顔の表情の硬さの問題は、数年前に公開されたトゥーンシェードアニメ『プラトニックチェーン』と比べればある程度解消されている。では感情移入できるか? となると、まだそこまではいってない気もする。あと、服のテカテカした感じも気になった。

 監督は荒牧伸志氏。1989年に『メガゾーン23 V』の監督をつとめている。メガゾーン23…『U』の作画監督をつとめていた梅津泰臣が頭に浮かんで、消えた。

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