bemod

2004年08月07日

「動くの?コマ」展

ugokuno?驚いた。いやー、驚きました。キャラも動きも最高です。

京橋ASKという小さなギャラリーで開催されていた布山タルト氏の「動くの?コマ」展はなかなか刺激的な体験でした。ギャラリーで上映されていたのは平成15年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞作品「FRANK」と「SFの助」の2作品。「FRANK」はシアトル在住の漫画家ジム・ウードリング氏のコミックから、「SFの助」は「猿飛佐助」で知られる故・杉浦茂氏の漫画をアニメ化したものです。どちらも2003年の作品らしいのですが僕は初めてその存在を知りました。

ネタのチョイスからもわかるとおり、アニメといっても方向からしてアート系。僕には近寄りがたい部分もある。でも、そこにどんな思想があろうとも技術の流れは萌え萌えどころと基本的には同じ。セルシェードの3Dアニメなわけです。特に目を引いたのは3Dの使い方。コミック作品が3Dで動くということを忠実に再現しており、例えば背景などは2Dのグラフィックを数枚重ねて3D的に動かすなど、細かな配慮がなされていました。また中盤に大蛇のような生き物が登場するのですが、テクスチャマッピングが美しく技術力の高さにも感心しました。

「SFの助」も漫画のコマをアニメ的に捕らえようという試み。「FRANK」とは違ったやり方で、2Dを2Dらしく捉えて動かしています。

コミックをアニメーション化するという試みは、商業アニメの世界ではずーっと前からやりつくされているわけなんですけど(当たり前かw)、これを村上隆みたいに現代美術方面に置き換えると何となく目新しく感じてしまう。たしかにデザインとか細部までカッコいいんですよね。で、見ると「うわっカッコイイ!」って思うのですが、ちょっとすると「これって、でも…」と思うに至ってしまう。

今年のDoGAコンテストの選考結果が散漫だったことでもわかるとおり、「ほしのこえ」で萌えベースのアニメが個人製作の世界にドドッと参入してきたことにより、それまでジャパニメーション系とアート系で何となく住み分けがされていたはずの「アニメ」の捉え方が、今何となく揺らいでいる感じがします。そんな風に思うのはたんに僕が修行が足りないだけかもしれません。精進します。

Posted by Syun Osawa at 20:50