bemod

2004年09月23日

クリスマス・テロル

クリスマス・テロル『クリスマス・テロル』というタイトルの意味するものを考えながら読んだ。考えれば考えるほど腹が立った。佐藤友哉は『フリッカー式』から順を追って読むべきだったかもね。

「密室」というテーマが前提としてあって、しかしストレートなトリックや物語で勝負したら負けは見えていて、だからこそのズラしなのかなとも思う。平均点しか取らない僕の認識は少なくともそうだ。僕もたまに「僕はどうしようもないヤツだから」とか「平均点しか取らない僕」と自分を貶めることで、自己防衛するギャグを言うときがある。もちろんそれは自分の予想する範囲を超えて他人に自分を貶めさせないためだ。それを隣の席のヤツが屈託なくやってるって感じかな。

もしかしたら最初の第一歩は非常に気持ちが内側に向いていたのかもしれない。そこはわからない。でも肥大する自尊心が外側からの評価で何となく確信に変わり始めていて、上手くやっている自分を自覚しているんだけど、でも屈託なくやってると。もちろんわかりませんが。

僕はタイトルの「テロ」に響きがなかったのと、弟が主人公の横を素通りしたのに気づかなかったというアングルに共感を覚えなかったので、おそらくこれ以上何を言っても空回りなのだと思う。

Posted by Syun Osawa at 15:57