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2004年10月15日

戦争写真家 ロバート・キャパ

戦争写真家 ロバート・キャパ加藤哲郎著『戦争写真家 ロバート・キャパ』を読了。いつ買ったのか憶えてない。別にキャパが好きだったわけでもなく、ただ誰かに「好きな写真家は?」と聞かれたら「キャパ」と答えておけばいいだろうという程度の認識。沢木耕太郎の訳本も『ちょっとピンぼけ』も読んでいない。

なんでも今年はキャパの没後50年だそうで、ネットで調べたらいろいろな本が発売されているようだ。この本はというと、長く編集者をやっていた著者が、平々凡々と平和な日本で暮らしてきた自分の人生をひとまず横に置いて、キャパの巡った国々を順番に旅行しながら、写真を撮りつつキャパの半生をまとめているという自費出版のような本。冒頭で、自衛隊のイラク派兵により日本人は初めて戦争写真に直面したというような事を書いているが、オッサンの戯言で悲哀を感じる。

本書の中で「リアリズム」という言葉がよく登場する。わかったようなわからないような言葉だ。そういう言葉でキャパを論じることで、自分の心を補完しているようにも映る。「戦争というものを感傷的にではなく、リアリズムとして考えるよい機会」とか書いてるけれど…結局、不肖宮嶋が言うように「戦場に行って写真を撮るのが好き」でいいし、そんなキャパが好き。でいいように思う。ウソがなくて。

Posted by Syun Osawa at 00:42