bemod

2004年10月26日

comic新現実 vol.1

コミック新現実 vol.1新創刊の漫画雑誌『comic新現実 vol.1』を読了。「何でまた?」との声が大半だろうが、大塚英志が編集長をつとめる『新現実』が『エース特濃』の部数を上回ったために実現した企画らしい。

漫画雑誌としては正直、微妙。漫画部分は微妙なんだけれど、「かがみあきらとその時代」「安彦良和×大塚英志」「みなもと太郎×大塚英志」などの読み物はかなり面白かった。本家の『新現実』よりも漫画やアニメに主眼が置かれていて明快、心地いい。漫画はいらないから読み物だけ、500円くらいで売ってくれれば嬉しいんだけれど。

残念なこともあった。大塚英志と安彦良和の対談での大塚の発言。共産党を推すなら推すでいいけれど、潔さがない。共産党の改名はするべきでないと共産党支持者に気を使いつつ、だけど自分は保守の左で、橋本派に近いなどと言う。反戦運動などは「仕方なく」やっていて、でも何もしないよりはいいと。何だかなぁ。選択肢が共産党しかないって、だったら新党作りますって言ってよ。その方が一万倍支持できる。考え方はわりと大塚英志に近いけれど、安彦良和の発言の方が心に残るし、人間的には小林よしのりの方に愛着が湧く。

同書の最後に、大澤信亮が小林よしのりとヒトラーを重ねて論じていた。何が言いたいのかサッパリわからなかった。よーするに、小林よしのりはヒトラーとダブるから動員されるなよって事なんだろうか。「俺は別にステロタイプでこんなことを言ってんじゃないよ」的な防御壁を築きながら、僕の生活とは程遠い場所からわかったようなわからんような話が展開される。そもそもあんたのいう「左」って何だ? 保阪正康の「まぼろしのアナーキストたち」の骨太のレポートに感銘を受けたあとに、「小林よしのりのマイン・カンプ」ときたもんだから。きどりやがってとガッカリした。次号からは立ち読みだな。

Posted by Syun Osawa at 22:19