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2004年11月20日

ウラBUBUKA 2004年11月号

2004年11月号/コアマガジン

ウラBUBUKA 2004年11月号エロ本系本屋に立ち寄ったところ「マンガ家のウラ」と書かれた見出しに釣られ購入したのが半月ほど前。あれ? 『ウラBUBUKA』ってこんな雑誌だっけ? ムックと思いきや裏表紙を見ると雑誌コード。角川の逆か。でもいつのまに『Quick Japan』化したんだろう…。

書かれている内容は、それなりのものもあり、ネット寄せ集めもありって感じ。むかし読んだ大泉実成『消えたマンガ家』ほどのインパクトはなかったけれど、出版社への持ち込みなんかのちっちゃい実話はそれなりに面白かった。ただ、マンガ家師弟関係相関図の劇画村塾から板垣恵介が抜けるなど気の抜けた部分も多く、浦沢直樹のブレーン、長崎尚志への言及も曖昧だ。講談社の樹林と小学館の長崎って言ったら有名な話だし、オフィシャルなところでも数年前のロフトプラスワンのイベント(藤田和日郎、村枝賢一、河合克敏のトークショウ)で小学館の編集が内実を明らかにしている。

こういうネタ本はつい食いついてしまうのだけれど、読んでみると悲しい部分もある。「ネタをネタとして…」ってことなんだろうけど、僕としてはやっぱり『オレのまんが道』(全二巻)が心のバイブルであり、『燃えろペン』があるべき姿だと思う(『吼えろペン』も一応全巻揃えてますが、こっちはそれなり)。あとは『編集王』の回想シーンか。

ちなみにこの号で一番面白かったのはマンガ家裏話ではなく、タコシェの店長が語る「漫画でわかる刑事の世界」だった。刑事と名の付く漫画は、俯瞰してみると確かに笑える。たとえば『マイコン刑事』についてこう書かれている。

〈人質を取った犯人を目の前に「(作戦成功)確立は50%、五分五分か…」と悠長にポケコンで逮捕成功率を弾き出す矢崎は、この後、上司から激怒されるのだが…当然である。〉

この記事を読んで、先日、古本屋で中国系の留学生二人(女性)が片言の日本語で「この店に『ドーベルマン刑事』はありますか?」と尋ねていて、ギョッとしたことを思い出した。あとは何も思い出さない。

Posted by Syun Osawa at 00:08