bemod

2004年11月29日

ピカソ展 −躰[からだ]とエロス−

ピカソ展東京現代美術館は僕が行った数少ない美術館の中でもTOP5に入るキレイな美術館。そんな場所でデカデカと開催されていたピカソ展へ。イメージの所作にそもそも答えなんぞないわけで、あんまり深いことを考えずにぼんやりと眺めた。

彼の絵のヘンテコさってのは認識のバグから来ているんだろうか? いやそうじゃない。まとまりのよさがどうにも気にかかる。「アトミー『三人の女』」なんてキャラクターデザイン的な今っぽさがありあり。縦が横、横が縦のシュールレアリスム。意外に平凡な鼻と体の造形(平凡というのは悪い意味ではなく、今に通じてしまうカッコ良さがあるという意味)。どれもこれも今なんだよな。何でだろ?

やっぱピカソは絵との戯れ方がいいんだな。「海辺の人物たち」とか「赤い肘掛け椅子の女」なんか接地点の感触のみで描いている感じがする。気持ちいいのはチンチン、乳首、舌、みたいな。女性に対する愛欲も結構スマートで、オナ禁中の中学生みたいな熱っぽさを感じる。どこでそれを感じるかというと、漫画風の連作「ラファエロとラ・フォルナリーナ」あたり。二人の男女が愛し合っているところに、教皇が現れるのだが、そのタイトルと描かれたシーンが面白い。二人が愛し合っているのを眺める教皇だったり、便器に座る教皇だったり。あれはまともじゃないと描けない。まともに嫉妬してないと。ジャン・コクトーのにも笑ったけど、こっちのが面白い。

Posted by Syun Osawa at 22:07