bemod

2004年12月16日

ドラゴンズ・ウィル

ドラゴンズ・ウィル最近「世界は虚構だ」とかそんなんばっか読んでる気がして、うんざりだから竜と魔法の本でも読んだれと思ったら、これまた虚構だった。身も蓋もない突っ込みは次に控えている『物語消費論』でするとして、愛少女ポリアンナ的ヨカッタ探しをツラツラと。

科学技術が魔竜と勇者という民話的世界を駆逐していく端境期が物語の舞台。この設定にまず引かれた。しかも、物語の中の住人が竜と勇者という関係が舞台装置に過ぎないことを認め、消費している。かなり冷めた視点から書かれた物語である。でもそこは富士見ファンタジア文庫。そんな刹那的な要素だけで物語が構築されるはずがなく、竜。勇者。美少女。スケベ男。妹とお兄ちゃん。至れり尽くせりなキーワードが並んでいた。

僕はこういう小説をどういう風に読んでいいのか、実をいうとよくわからない。エチカという元気いっぱいの少女に萌え属性を見つけることも、菜食主義者の竜に感情移入することもできずにいた。だけど全体的には悪くなかったという印象だけが残っている。それは物語の後半に泣かせる山場があるからか、それとも初期設定が自分のツボに入ったからか。うーん。よくわからない。

Posted by Syun Osawa at 23:02