bemod

2005年04月03日

多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業制作展 2005

長いタイトルですね。全体を通しての感想は、とにかくみんなアッパーだなぁって事。アッパーもアッパー、超アッパー。きっと自分とその周辺のこと以外は眼中に無いんだろうなぁとか、年金とか選挙とかどうでもいいんだろうなぁと思わせるアッパーさなんだけど、そのアッパーさがインディーズアニメ界を牽引していることは間違いない。さて。

BIBLIOMANIE

by 藤田純平

大人気でした。30分越えの超大作にも関わらず、時間の配分が上手く一気に見ることができた。物語的には後半はかなり急いで進むんだけど、あそこでネタ明かしを丁寧にやったんではたぶんダレたんじゃないかな。一気に見せたのは正解だと思う。そのへんの客を意識した作品の作り方は才能というヤツですか。あと、この作品の核とも言える「ゲームの部屋」での漫画や格闘ゲームを意識した映像作りは秀逸。あれを『フリクリ』を見ないで作ったとすればなかなか凄いと思う。こもれ才能か。たいしたもんだ。

とはいえ、この作品は僕の好きな狭義のアニメではない。どちらかと言うと「高速紙芝居」という新しいジャンルではないかと思える。テンポと音楽とキャラクターで物語を作っていく。画面は常に動いている(このあたりはFLASHアニメ作家の森野あるじさんに近いかも)という感じ。中割り部分を客が脳内で補完してくれるんだから無問題。そこを突っ込むオタもいないだろうし(僕くらいか)。エンディング曲とか客ウケを狙いすぎな気がしますが、全体通して素晴らしい内容。それにしてもアッパーですね。

よるとり

by 田中由香利

全体通して、一番心に残ったかも。この手の温かいアニメって、紙芝居状態のものが多いけど、これは丹念に作っていて凄く沁みる。

Go to school

by 宮内亜美

作品としては今回の卒展で見た作品群の中では一番楽しんだ。このノリはアッパーの中でも好きな部類。今は無きアメリカン・ショートショート的なコメディ。

room_runner

by 波多喜一

最初3Dかと思ったら、かなりヘタだったんで手描き(トレース?)なんだと思う。真相は不明。そこでちょっと愛着が湧いた。こういう作品を見ると、すぐにナイキのCMとか『CUBE』みたいって言ってしまう僕の言葉の浅はかさ自体に問題がありそうなので、感想を書きづらい。気合入っている作品は何しろ好き。

Posted by Syun Osawa at 17:54