bemod

2005年12月13日

スポーツ漫画の中のラグビー漫画メモ

GilCrowsのFLA板観測所 さんが「アメフト漫画は成功している」と的確なことを言われていました。そうなんです。アメフト漫画はなぜか昔から成功しているのです。不思議ですね。ヘルメットでキャラの描き分けが制限されるはずなのに。

バスケットボールに目をやると、井上雄彦さんというのはバスケ漫画に新境地を開いた凄い人だと思います(あらためて言うまでもありませんが)。手塚赤塚賞で入選を果たした「楓パープル」では『スラムダンク』ほどの集団スポーツとしてのバスケは描くことができず、1on1にとどまっています。『カメレオンジェイル』収録の読み切りを見ると、その後も何度かバスケットを漫画で表現することについて試行錯誤があり、ようやくスラムダンクに繋がっている。スラムダンクも「不良漫画」で初期の頃は引っ張っています。もちろんバスケ漫画の場合、これまでに何度も成功した漫画(『ダッシュ勝平』など)がありますが、でもちょっと違うんですね。『スラムダンク』以降に描かれたバスケ漫画の多くは井上式のバスケ漫画になっていることに注目したいです。

漫画研究家ではないので突っ込みませんが、とにかくスポーツを漫画で表現するにはそれ相応の技法を確立する必要がある。『キャプテン翼』も高橋式のサッカー漫画です。ラグビーの場合、青春ドラマの代名詞という事もあり『愛と誠』(ながやす巧)などでも最初の方にラグビーは登場します。でもこれらは、スポーツ漫画の捉え方とは違う。

井上雄彦さんのようなやり方でラグビー漫画を描こうとしたものでは、大御所では『ガンバFly high』の菊田洋之さんが『HORIZON』(サンデー/小学館)という作品を、『うっちゃれ五所瓦』のなかいま強さんが『ゲイン』(サンデー/小学館)という作品を描いていますし、池田文春さんの『ノーサイド』(ビジネスジャンプ/集英社)なんかもありました(女性が男子に混じってラグビーをするというトンデモ内容ですけど)。新井英樹も『8月の光』というのを描いています。でも一番は『ラグビーマガジン』でも連載を持っているくじらいいく子さんの『マドンナ』w

また、マガジンで連載していた山下てつおさんの『IDATEN』をコンビニで見かけたときは、いろいろな思いが交錯しました。なぜなら貧乏な少年が兄弟を食べさせる為に万引きし、走って逃げていた時、才能を見初められるという展開だったからです(21世紀なのに)。でも脚力を使った1対1の戦いを軸に試合を描こうとしていて、努力の跡の見える作品でした。

話がとりとめもないので、このあたりで。ちなみに宮下あきらさんの『魁!男塾』(ジャンプ/集英社)にもラグビーは出てきます。そして、これが実はなかなか上手いところをついているように思ったりもするのです。ラグビー漫画ネタはだらだらと続いていきます。

Posted by Syun Osawa at 21:44