bemod

2005年12月27日

素人と黒人

夏目漱石/短評/1914年1月7日−12日/東京朝日新聞

とても面白い文章なのに、まだ青空文庫には置いてないみたい。短いので僕がPDF化しようかなぁ。素人の僕にはうってつけのカンフル剤です。夏目漱石って熱い文章を書きますねぇ。

玄人(黒人)に関する視線も、素人に対する視線も古くない。今もそのまま当てはまる。

黒人はだいいち人付が好い。愛想がある。気がきいている。交際上手で、相手をそらさない。

これと似たようなことをこれまた宮崎駿さんが インタビュー(ほぼ日刊イトイ新聞)で語っているんですねぇ。不思議です。ニュアンスは少し異なりますが、才能はあっても共通の言葉を持たないとプロとしてはやっていけないというようなことを話されています。

そこから展開も両者は似てます。宮崎さんはそうであっても「アニメーションは一人からでも始められる」と続けるわけですね。夏目漱石さんも以下のように語っています。

素人が偉くって黒人がつまらない。ちょっと聞くと不可解なパラドックスではあるが、そういう見地から一般の歴史を眺めてみると、これはむしろ当然のようでもある。昔から大きな芸術家は守成者であるよりも多くの創業者である。創業者である以上、その人は黒人でなくって素人でなければならない。人の立てた門を潜るのでなくって、自分が新しく門を立てる以上、純然たる素人でなければならないのである。

こういう文章は好き嫌いがあるかも。そしてそれは宮崎駿さんが好きか嫌いかみたいなところとも絡んでそうな気がする。宮崎駿オタの妄言。

Posted by Syun Osawa at 23:12