bemod

2005年12月28日

鉄路の彼方

原作・監督・制作:御影たゆた/2006年/日本/アニメ

鉄路の彼方僕はSF耐性がないので、過去・現在・未来モノ(そんなジャンルはない!)に弱い。初老の駅長さんが童貞だった瞬間に、僕は宮沢賢治のピースをどこかに当てはめながら楽しむのかと思っていたがそれもわからず。

結局、時間を行き来する電車の運転席に子供を乗せていたシーンで、東武電鉄のあの一件を思い出すなど、どーでもいいことばかりがフックにかかった。事故が起きたときに運転マニュアルを探すシーンとか。こういうのは鉄道趣味の人が見ると楽しみ方がまた違ってくるのかも。鉄道って奥深いからなぁ…どうなんだろう。

陰影の強い3Dキャラクターと駅と線路しか描かれないシンプルな世界観。配色もシンプルで明快。こういうそぎ落とした世界が、個人制作アニメには合っているのかも。作業効率を高めつつ、特徴も出せて、テーマもしぼりやすい。ショートショートの(もしくは作家性をもたらす個人制作の)あるべき姿なのかもしれない。

…と、上っ面ばかりなぞっておりますが、物語の中心はそんなところじゃあない(当たり前か)。時間軸を使った逆転のトリックによって、未来・過去・現在の自分の有り様が浮き彫りにしている。そして、過去の自分に投げかけられる未来へのメッセージ。これが意図的にそのメッセージは伏せられているんだな。なぜ伏せたんだろう?

Posted by Syun Osawa at 23:32