bemod

2006年02月01日

カウボーイ・ビバップ(全26話)

監督:渡辺信一郎/1998年/日本/アニメ

カウボーイ・ビバップ(全26話)本当に久しぶりにアニメらしいアニメを見た感じ。セットされた4人プラス1匹の関係は社会的に見ると凄くドライな繋がりなのに、各々の内面はどこかでその繋がりを求めてるという。擬似家族モノは自分が子どもの頃に見ていたアニメそのものであり(言い過ぎ)、郷愁を感じまくった。

全24話の流れは至ってシンプル。まずスパイクとジェットがいて、そこに犬のアイン(第2話)、フェイ(第4話)、エド(第9話)が加わってパーティーが増えていくというもの。で、このパーティーが巨大な敵に向っているかというとそうじゃない。みんなそれぞれの問題やトラウマを抱えていて、向っている先も別方向。でも今の繋がりを受け入れている。寂しさの裏返し。ライトコメディって得てしてそんなもんかも知らんが、自分の中ではこの手のライトコメディ最強だわ。物語の終盤になってエドとアインが去り、スパイクが去っていくときに感じた悲しさは、80年代アニメの中に僕が見ていた「この物語が終わって欲しくない」というオタク的わがままのソレだもんね。

そういうおっさん視点もあって、全体を貫くエピソードとは関係のない第6〜8、11、14、17、20、22、23話あたりは、各話単体で楽しめて好きだったりする。中でもマッドピエロの出てくる第20話とか新興宗教の教祖になった少年を描いた第23話あたり。前者は戦闘シーンが半端なく凄く、後者はミニマルテイストな演出が冴えていたように思う。

今回あらためて全編を見通して思ったことは、自分の中で『エヴァ』以上に持ち上げていたこの作品も、各話の中で出てくる小ネタは意外と映画とかドラマの引用(つーか遊び?)によるところが大きかったのかもということ。アインが去っていくときに二人でガツガツ食うあたりとかも含めて。音楽に至ってはそれを売りにしてるし。

何のかんの言っても「殺し屋モノ」とか「賞金稼ぎモノ」のようなハードボイルド系の作品が好きなら好きってだけの話でしょう。萌えすぎず、感傷的過ぎず、ほどよく泣けて、ほどよく笑えて、ちょっと皮肉。Produciton I.Gなんかも、この手のライトコメディにもう一度立ち戻ってくれないもんかなぁ。

Posted by Syun Osawa at 01:46