bemod

2006年04月28日

ベルヴィル・ランデブー

監督:シルヴァン・ショメ/2002年/フランス/アニメ

ベルヴィル・ランデブー思っていた作品とずいぶん違った。

予告動画ではおばあちゃんの3人組が踊りながら歌うシーンが前面に出ていて、ミュージカル風な作品なのかと思ってた(こういう宣伝の仕方ってまだしてるのね…)。実際は、もう少しシュートな内容だった。

バナナマンみたいな孫が自転車選手になるくだりで、キャラクターの造形が一気に変化する。この作品はミュージカルアニメだと勝手に決めて見ていたから、最初はうまく飲み込めず戸惑った。しかも台詞が少ないもんだから、いろいろ頭をめぐらせながら見る感じになってしまった。

とにかく、この映画は不思議な展開をする。

一本道のストーリーとご都合主義な演出のアニメに目が慣らされているので、作品世界の中の様々な事象(日常の風景など)をメインに描いていく本作は、僕にはとても新鮮な作品に感じられた。何より自転車が好きな孫が自転車選手になって、それを応援するおばあちゃんという構図だったら、普通はツール・ド・フランスの中で物語を終わらせると思うんだけど、そうしない。そこに僕は惹かれた。

そして情景描写が素敵。例えば電車が通るたびに吼える犬がいて、電車の通る感覚がパリとベルヴィル(ニューヨークか?)では違うものだから、ベルヴィルでは犬はしょっちゅう吼え続けているというようなシーンに作品の深みを見てしまう。また、一つ一つの造形物が個性的で、にも関わらずそれらの動きがとてもスムーズで納得できる。描きたいシーンを描いている感じがするのも素敵なポイント。

実に実に学ぶべきところが多く、感銘するところの多い作品だった。初回の限定版では短編『老婦人とハト』が収録されていたらしい。見たい。

(追記) 2006.04.28
結局、新古品(限定版)を購入。
でも買うと見ないんだな。借りないとw

(おまけ) 2006.04.28
このアニメとは全然関係ないが、僕は以下の曲をベルヴィルのイメージ曲として、頭の中でリピートしている時期があった。何でだろ?

Take One (Eloi Brunelle Remix) [The Town Hall EP / Epsilonlab]

(mp3/192k/8.73mb/06:21s)
Remixed by Eloi Brunelle

(追記) 2006.04.29
どうやら上記のファイルは消されているみたいなので、サンプル版に差し替えました。LIVE音源 を聴いて、すっかりEloi Brunelleのファンになってしまいました。

Posted by Syun Osawa at 00:04