2006年05月24日
野の白鳥
監督:ミハイル・ツェハノフスキー/1962年/ソ連/アニメ
ここ最近見てたロシア・アニメ作品の中で一番好きかもしらん。トレース系の動きを丁寧に作りこまれたキャラクターに落としこみ、しかも背景を絵本のようなペタッと簡略化された絵で統一してある。
インパクトのあるシーンをカメラのアングルとか、アップとかで見せるんではなく、あくまで劇場スタイルでキャラクターの動きを通して表現している。しかも、兄弟が11人もいるような無茶な設定。全員を全身で描いた上で動かしてるし、こんなん力技以外の何ものでもないよ。スゲーなぁ。
ロシア・アニメらしく、ストーリーよりも「人間をどう描くか」に力を注いでいるような感じもして、そこも好印象。とくに陛下が歌いながら、バイオリン弾くところとかメチャメチャカッコいい。美男子の陛下は肌の色が中央アジア系だったけど、何か歴史的な何やらがあるのかな? わからず。お約束の継母(ままはは)もちゃんと出てきたし、決闘のシーン(陛下なのに殺しあうのね)もあるしで、ロシアを満喫できて楽しい作品だった。でも原作のアンデルセンってデンマークの人なんだよね;
ツッコミどころもちゃんと用意してある。ヒロインのエリーザは魔法の泉に入ることで魔女の魔法を解くのに、同じく魔法にかけられている11人の兄弟はその泉に入らず白鳥のまま。あれは何だったんだ…。
Posted by Syun Osawa at 00:45