bemod

2006年05月26日

ガリバー旅行記

監督:デイヴ・フライシャー/1939年/アメリカ/アニメ

ガリバー旅行記冒頭の作品解説で淀川長治さんが出ていて、妙に嬉しくなってしまった。「フライシャーはハイカラでモダン」って話されてた。

たしかにハイカラ。つーか斬新。ガリバー旅行記なのにガリバー視点で作品が描かれてない。冒頭にガリバーが登場するも、その後は小人の国の話になり、ガリバーそっちのけで物語が進んでゆく。

ガリバーが難破して打ち上げられ、気づいたら捕まっていたが、縛られていた縄を振りほどいて起き上がる、そして敵国を蹴散らす。僕が昔読んだガリバー日記はこんな感じだった。だから当然ガリバー視点で展開されるはずなのに、冒頭以降、一気に視点を返還して、小人の話にしてしまった。白雪姫の影響だろうか(適当)。

本作ではガリバーが縄を振りほどいて立ち上がるまでに30分以上を費やす(77分の映画でw)。ちゃんと群像を描いているし、その一人一人がちゃんと演技している。ありえないよねぇ…。今では絶対にマネのできない芸当なんではないですかね。費用対効果が合わないから。

照明による影の付け方とか、映像に対する音を当て方とかも芸が細かい。中でもガリバーの手と王様が踊るというトリッキーなシーンは印象的だった。また、ガリバーをリアルな動きとキャラクターで描き、小人たちをデフォルメされたな動きとキャラクターで描き分けていたのも意欲的で大好感だった☆

やっぱし、フライシャーって凄いね。

Posted by Syun Osawa at 00:38