bemod

2006年06月06日

アリーテ姫

監督:片渕須直/2001年/日本/アニメ

アリーテ姫そんなに可愛くないメンヘルなお姫さま(桑島法子さんは可愛いが)と、年取っても変わらずメンヘルな魔法使いの話。

「没物語の物語」と言うか「退屈な自分を考える物語」と言うか、いずれにせよ予備知識ゼロで見たために、展開のノロノロさに驚いた。あと、絵画のような世界観がかなり印象的で、バベルの塔なんかの雰囲気はブリューゲルかなと思ったり。ただ、コントラストが強すぎて、僕のボロテレビでは暗いところの動きが潰れてしまって見えなかったのが残念。

絵画的というのを意識しつつ、原作を知らないままに感想を書こうと思ったが、アレゴリー(寓意)がどういう風に込められているのかが僕にはあまりわからなかった。たしかに人間模様は描かれるんだけど、あの世界の中で思い悩むアリーテ姫と魔法使いのボックスは、明らかに20世紀型の現代病にかかっているように思う。前述したブリューゲルの寓意とはどうも違って見えてしまうのは、危機感がないからかなぁ。うーん。

ようするにメンヘル的な身勝手さと、それがもたらす空虚感。もちろん僕の中にもその素養が無いわけではないので、その点を強く思ったりしてしまうわけですな。

ちなみに音楽は千住明さんだった。なかなか印象的。

Posted by Syun Osawa at 01:15