bemod

2006年08月08日

宗教入門

中沢新一/1993年/マドラ出版/四六変型

宗教入門仏教関係の仕事をする機会があったので、とっかかりに読んだ本。とっかかりが中沢新一さんってのは、どーなんだ? って気もしないでもないが、サクッと読めたし、いきなり挫折という憂き目に会わなかったので良かった。

この本はTVで放送された学生相手の講演を書籍化したもの。そのため文字がデカく、内容もシンプル。そんな敷居低さも手伝って、すっかり「仏教」にやられてしまった。音楽で言うところのミニマルだったり、エレクトロニカな感覚がモロにハマってる感じだし、インド仏教からチベット密教あたりのところは、僕の普段の考え方にすごく近くて妙な引っ掛かりを感じてしまった。も、もしかして、仏教徒になるのか僕? いや、それくらいのインパクトあったなぁ。

キリスト教的な考え方が日本でもデフォルトで捉えられている今だからこそ、仏教の思想は僕の中で響いてしまう。中沢さんはキリスト教と仏教の比較を、簡単な語り口でこんな風に書いている。

深い内容を持った表現というのは、往々にして人気を博さないものです。
(中略)
こういう視点からキリスト教の表現と仏教の表現を比べてみると、仏教の方は、なんていうか電通っぽくない。(笑)早い話が人気を博さないようにできてるんです。ベストセラーになりにくい条件を持っています。逆に、シドニー・シェルダン言うところのベストセラーの条件は、聖書の方が持っています。聖書の言葉は、非常に深い意味内容を持っていますが、その表現のいちいちは、広告文学的で、人気を博して大衆化する条件を、いっぱい持っているんです。

すごく納得。

ちなみに、仏教に属するあの団体については「おせっかいな親切仏教」と書いてあった。なかなか上手い表現なので、今後は僕もこの表現を使うことにしよう。

Posted by Syun Osawa at 00:48