bemod

2006年08月30日

ライトノベル「超」入門

新城カズマ/2006年/ソフトバンククリエイティブ/新書

ライトノベル「超」入門中学生の頃に夢中で読んでいた『ロードス島戦記』『イース』『吸血鬼ハンター“D”』『銀河英雄伝説』などは、完全にライトノベルだとようやく知る(遅っ!)。…というのも、中学生を卒業すると同時にこの手の本から卒業してたから。

もしかすると、知らないままでよかったのかもしれないし、知ったとしてもスルーして置けばよかったのかもしれない。10年以上が経過した後にもう一度こういうものを呼び戻そうとするのはまっとうなことだとは思えないから。自分的に。

とかいう「かわいそうなゾウ」ならぬ「かわいそうなボク」的なオタの悲哀はともかくとして、この本は今日のライトノベルの状況をわかりやすく解説している。とくに空気感を損なっていないのがよい。

また、キャラクターに対する言及が深く、物語の中に登場するキャラクターの書き分けに対する考察はとても勉強になった。中でも「物語の中で○○したヤツ」ではなく「○○しそうなヤツ」という可能性を残した存在としてのキャラクターがライトノベルのキャラクターであるという話。よーするに、世界観とキャラクター設定がすべてであるという話で、当然のごとく漫画にもアニメにも当てはまる。

キャラクターの話は頭では理解しながらも、どうにも複雑な気持ちにさせられる。物語を前提とし、その中で葛藤し結論を導くという過程を経ない「キャラ」という概念は、僕にとってはやっかいな小骨である。

Posted by Syun Osawa at 00:15