bemod

2006年10月10日

「突破人」について

「突破人」というのはこういう作品

…なわけですが、えらく中途半端に中断してしまいました。その理由はひとえに僕の力が未熟だったことにあります。その時々に描きたいエピソードを形にしたら作品になるだろうというのが甘かったのです。

今思うと、この作品は森を出るべきではなかったのです。望月峯太郎さんの『ドラゴンヘッド』がトンネルから出たとたんつまらなくなったように、森の中で起きた一夜の出来事を軸にしながら、それ以外のことは平行して描くべきだったと思います。2話以降は深みのあるストーリーを成立させようと必死になりすぎており、ピンチが少しも感じられません。ドキドキ感が足りないのです。

「突破人」は東アジア系の少女とイタリア系のマフィアの逃避行を目指した作品でした。そのためのプロローグをシンプルに描こうと思ったら、間延びしてしまい、本編に入らないままに中断してしまったのです。

僕は本編の一つとして、デブのマザコン男が母を亡くし、復讐に向うエピソードを描きたいと思っていました。マザコン男は復讐を果たす際に死んでしまうのですが、そこで初めて男として成長するのです。マザコン男が復讐相手に対して放った弾丸は当たりませんでした。復讐相手は逃避中のバッジョ(マフィア)の弾丸に倒れるのです。復讐相手の銃弾によって死が近づくマザコン男を介抱するケイ(少女)。マザコン男はケイに対して「僕やったよ。見たでしょ? 僕がやったんだ。」と語り続けます。ケイはバッジョに目を向けますが、バッジョは何もこたえません。このベタなエピソード。ヤクザモノの王道ですね。

…というようなことを思っていたのですが、制作方法を変えないとこうした作品をつくるのは難しいようです。「突破人」は現在放置状態にありますが、前記したような森での演出を加えて、ドキドキワクワク感のある作品にリニューアルさせたいと思っています。

Posted by Syun Osawa at 00:14