bemod

2006年12月30日

ルソーの見た夢、ルソーに見る夢

2006年10月7日−12月10日/世田谷美術館

ルソーの見た夢、ルソーに見る夢展示会のタイトルに「ルソー」が二回も入っているので、てっきりルソー展なのだと思っていた。

そしたらルソー作品は20点ほど。あとは素朴派とかいうよくわからない括りで集められた作品によって占められており、ようするに素朴派展だった。

別に不満はないんだけどね。最近すっかりハマり気味のカミーユ・ボンボワの作品も見れたし、清水登之さんに代表される戦争記録画を描いた当時の洋画家たちの作品もたくさん見れたので。彼らが描いた戦争記録画はロマン派のそれなのに、一方でルソーに魅了されメルヘンチックな作品も数多く残している。このあたりの対比も戦争と芸術を眺める上で結構面白いところ。

メルヘンチックとサラッと書いたけど、「ルソーの見た夢」の日本人的解釈ってようするにそういう事なんだと思う。ルソーは日本の「可愛い」を刺激した最初の人かもしれないのだ。村上隆さんが「スーパーフラット」なら、ルソーは「フラット」。平面について、日本画とは別のアプローチで多くの画家を刺激したことは間違いない。1922年(大正11年)に日本でもルソーの画集が発売され人気を博していたらしい。

はぁ…ルソー展じゃなかったのかぁ…。それだけが残念。

Posted by Syun Osawa at 00:14