2007年01月22日
ロシア国立ボルコフ記念劇場「熊」「結婚申込」
2006年12月13日−23日/ロシア国立ボルコフ記念劇場/東京芸術劇場
演劇を見るのなんて数年前の東京乾電池以来じゃないだろうか? しかも字幕のコメディ。
字幕のコメディで笑えるのか? しかもチェーホフの古典である「熊」と「結婚申込」で? 「熊」はまずまず。「結婚申込」はベタな展開がわかりやすく楽しかった。
日本でロシアの劇団が公演すると、決まってチェーホフが題材になるし、文学といえばトルストイ、ゴーリキー、プーシキン、ドストエフスキーなどを中心にされてしまう。ロシアからやってきた演者たちはそのあたりどう思っているのだろうか? 結構楽しんでやっているのか、それとも商売だからやっているのか。
それにしてもロシアの演劇は、金と女の絡んだドロドロとしたした話が多いのかなぁ。しかもすぐに銃とか持ち出して、ぶっ放すとか血の気が多い。古典だからという言い訳はさておき、そのあたりの野蛮性(文学者が酒場の決闘で死ぬとかさ)がアンナ・ポリトコフスカヤやリトビネンコの暗殺にもつながるのかなぁと思いながら笑っていた。
一つだけ謎だったのは「結婚申込」の訳がなぜか日本の方言風だったこと。少し前の話になるが、海外作品に登場する田舎者の口調として、日本の方言を使用するのは問題があると書かれた本を読んだことがある(タイトル失念)。田舎を表現するのに有効なのかもしれないが、博多のような東北のような無国籍ならぬ無地方な方言を訳として用いるのはどうなんだろう? それが面白さを倍化させるかどうかは正直微妙なところだ。
Posted by Syun Osawa at 22:45