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2007年05月01日

人類にとって文学とは何か

2007年4月29日/13:30-16:30/紀伊國屋サザンシアター

人類にとって文学とは何か小松左京、瀬名秀明、スーザン・J・ネイピア、巽孝之という豪華メンバーで行われたシンポジウム。岩波書店の『文学』で夏にSF特集をやるらしく、シンポの前半はそのために書いた原稿を読みながらのプレゼンで、後半はそれを受けてのディスカッションという流れだった。

シンポのタイトルに「文学」とあるが、どちらかというと「人類にとってSFとは何か?」に近いニュアンス(当たり前か)。多くのジャンルに入り込み、いまや透明な存在となってしまったSFはどこへ進むのか? 見たいな感じ。近いところで東浩紀さんが ギートステイト を通じて未来学的思考の新しい可能性(?)を示そうとしているので、透明になったSFの輪郭を取り戻す動きが小規模ながら方々で起きているんだなぁと実感した。

SF小説ってほとんど読まないので、このジャンルのことがさっぱりわからないんだけど、少し引っかかったのが小松左京さんの言葉。ヴェルヌがウェルズに対し「現実には起こりえないただの妄想だ」と批判していたらしく、そのときに小松さんが「妄想でもいいじゃないか」と思ったというような内容で、桜坂さんと東さんがやっていたネットラジオと妙につながってしまったのだ。ギートステイトは現実に起こりえる40年後の世界を考えており、世界設定を緻密にやっているわけだが、その中でドラマ部分を担当している桜坂洋さんが「物語にするときは40年後の世界で起こりえる“非日常的な世界”を書かないといけない」というようなことを語っていたからだ。この部分が妄想ということになるだろうか。

あと、最終的には「情」が重要になるというオチもなかなかまっとう。いや…まぁ、別にそれ以上、特にないですけど(^_^;)

Posted by Syun Osawa at 00:22