2007年05月12日
バルカンの心
田中一生/2007年/彩流社/A5
先日亡くなられた田中さんの遺著を読んだ。
田中さんのおかげで僕はユーゴスラヴィアに興味を持つようになった。そして、映画『ユリシーズの瞳』や『アンダーグラウンド』を見たときに放置した宿題に取り組むようになって数年が経った。にも関わらず、この本の中にある深みには少しもたどり着けそうにない。
民族紛争の本質はコソボ紛争だけを眺めていては当然見えてこないし、社会主義時代のユーゴを含めてさえもたどり着けない。オスマントルコに征服されいた頃のバルカン、それ以前のバルカンを含めて学ばなければ、輪郭さえもつかむことができないのだとこの本は教えてくれる。
ともかくアンドリッチやニェゴシェの本も読まねばならない。
そしていつの日か、僕もバルカンへ行こう。
Posted by Syun Osawa at 08:20