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2007年09月25日

カリスマ先生の数学 ― 7日間で基礎から学びなおす

山本俊郎/2004年/PHP研究所/四六

カリスマ先生の数学代々木ゼミナールの人気講師が書いたやり直し本。

スムーズな導入を狙って先生、拓也君、貴子さん、大先生の四人のキャラクターを登場させている。先生は著者の山本先生。拓也君、貴子さんはともに社会人だ。この時点でこの本が10代に向けて書かれた本でないことはわかるのだが、大人が読む教材であっても高校生を登場させるのが常套かなと思っていたのでちょっと意外な感じがした。もっとも同書の中では社会人というよりは拓也君は高校生っぽい扱いではあるのだが。

導入として4人の軽妙な会話から問題に入っていくのは上手い。あまりにも関係ない話が散見されるが、読者を脱落させないための工夫といえるかもしれない。脱落するというのは本を読むことをやめてしまうことを指す。ともかく読ませる。読み終えさせる。内容は半信半疑でも読み終えるのと読み終えないのでは大きな違いがある。そういう意味でこのあたりの本は数学に触れるための準備運動としては十分に機能していると思う。これでキャラクターがもう少し物語をつくっていてくれたら完璧なのであるが、続編はより教材の方にベクトルが向いているらしくその点はちょっと残念。とはいえ、僕自身このあたりの本にとても興味があったりするので、続編も読んでみることにしよう。

Posted by Syun Osawa at 22:52