2007年10月14日
とわにみるゆめ。
三浦靖冬/2004年/ワニマガジン社/A5
悲しすぎ。
ロボットと人間の愛が主題。しかもそのロボットは人間の代わりに子どもを生むだけの役割しか与えられていない。このロボットの主である人間(ミクニ)も女性でありながら自ら子どもを生むことを許されず、薬の投薬を受けながら男性として育てられているという悲しい宿命をもっている。
ロボットに微細な感情があるというのは変といえば変だが、そういうSF的な設定とグロめのエロの先にこのような作品が作り出されるところにマンガの面白さはあるんだな。この作品を女性が書いているというのだからそれもまた凄い。
ともかく最後の最後まで悲しかった。
ロボット少女の動力となっていたNTエネルギーが知らず知らずの間に最愛の男の体を蝕んでしまっていたという悲劇。結局二人はどうやっても一緒にいることはできなかったのだ。そんなどこまでも絶望的な二人の間をつなぐ純粋な思い。そんな思いが描いた夢の中でさえも少女の体は男の腕からスルリと消えてしまった。
ロボット少女がセンターの機密事項であったため、男は少女との記憶を完全に消されてしまったのだ。病院で記憶を消された男、しかし男は彼女の一部であった古びたネジを握り締めていた。
本当に素晴らしい漫画。漫画家って凄いね。
Posted by Syun Osawa at 22:25