bemod

2007年12月18日

まんが攻略BON!中学理科(全2巻)

筒井千夏 他/2004年/日本/A5

まんが攻略BON!中学理科新刊本を最近購入したんだけど、2年で5刷までいってるってことはそれなりに売れているらしい。この本は教材マンガである。教育漫画と混同する人がいるが教材マンガと教育漫画は少し意味合いが異なる。教材マンガはあくまで学習指導要領に基づいた教材なのだ。

複数の漫画家やイラストレーターが各単元ごとに漫画を描いており、アプローチは様々。1分野と2分野でもその色合いは異なっていた(これは担当編集者の志向の違いかも)。例えば、関係のない物語の中に教材の要素を取り込む漫画、よくある会話形式で頭から説明的な漫画、理科の漫画なのに擬人化した植物や宇宙人が登場しまくる漫画などなど。

そんな中で、一番面白かったのは、ひのもとはじめさんの作品群だった。この人より絵のうまい人はたくさんいるのだけど、教材と漫画のかかわりが一番シンプルで、かつギャグも面白かった。アプローチの方法としては、いかに自然に教材を溶け込ますかというのではなく、教材そのものを始めから受け入れながら、ちょっと茶化したりして楽しんでみるというもの。なかなかセンスがいいと思う。

単元と単元の間に「サイエンス・ゼミ」というコラムページがある。その2分野のほうで血液型を扱ったコラムがあった。血液型占いが当たる事も当たらない事も科学的に証明できないとしながらも、その下に血液型別の性格を紹介していた。補足として「一般的に言われていることをまとめてみました」と書かれてあるが、こういうのは危険である。というのも、ニセ科学にハマりこむ人というのは、科学的根拠のあるなしは関係がないからだ。つまり、上で根拠無しと説明していたとしても、下に血液型別の性格が紹介されていれば、そちらを積極的に受け入れてしまうのだ。

Posted by Syun Osawa at 01:29