bemod

2007年12月23日

中学受験と生きる力

小宮山博仁/2007年/日本評論社/四六変型

中学受験と生きる力うーん。対象としている読者層が中学受験を考えている母親あたりなんだろうから、まぁ…こんな感じなんだろうかね。結局、良い人生=大企業に入って安定した収入を得て…みたいなところへいくんだから笑ってしまう。

村上龍がいうように、お金によって避けられる不幸は多い。そのために最低限の学力は身につけておきましょう。僕はこの程度のことを教育だと思っているのだが、中学受験にはもっとポジティブで能動的な態度が含まれている。若いうちから成熟し、気持が安定したら生涯学習を行う力が身につくという。それが「生きる力」ということらしい。生涯学習をしている大人がいったいどれくらいいるというのだ?

批判したい気持ちはいろいろ浮かぶが、揚げ足をとってもつまらないのでやめておく。ブランド化や詰め込み教育には批判的で、不安を抱えている母親への処方箋としての一冊としては、まっとうな本なのかもしれない。ただし、自分の生きてきた学生時代や人生観とあまりに違うため、違和感をぬぐうことはたぶんできないだろう。この違和感を放置しておきたくないので、もう少しこのあたりの本を読んでみる必要はありそうだ。

Posted by Syun Osawa at 00:25