bemod

2007年12月28日

強育論

宮本哲也/2004年/ディスカヴァー21/四六

強育論学習法が自分の理想に近い。デューイとヘルバルトをミックスさせたような感じ。

ユニクロを運営するファーストリテイリング社が失敗したトマト事業とも近い。このトマト事業は永田農法を応用したもので、必要最小限の水と肥料しか与えないことでトマト自身が強く成長しようとし、結果、甘いトマトができるのだという。宮本算数教室を主催する著者の宮本さんは、質問を受け付けない。ただひたすらに考えさせる。考えて、考えて、考えさせることで強く成長させているのだ。

実際にこういう学習ができるケースは稀である。

なぜなら、子どもを強くさせるための環境の調整がとても難しいからだ。ただひたすらに厳しい環境におけば、子どもの方が潰れてしまう。だからといって、子どもに与える問題が易しすぎれば強く成長することができない。宮本さんが主催する塾は、難関中学校合格85%以上ということなので、通っている子どもは学習意欲が人一倍強い子ども達に違いない。だからこその学習法と言ってしまえばそれまでで、その難易度を調整することで、中学受験をしない普通の小学生にも彼の学習法(宮本メソッド)が普遍性を持ったらさらに凄いなと思った。

宮本さんは百ます計算のような学習法には否定的である。その理由として、巻末で手順暗記型学習法と試行錯誤方学習法を紹介していた。これがなかなか素晴らしく、僕はすっかり彼の学習法の虜になってしまった。『情熱大陸』に出るだけのことはあるな。

Posted by Syun Osawa at 23:25