2008年01月17日
数学は暗記だ ― 受かる青チャートの使い方
和田秀樹／2000年／ブックマン社／A5
いろんな意味で物議をかもした本。
高校生活はわずか3年しかない。その間に数学の公式を詳細に理解して、その理解を通して問題に向かうのは至難の業である。だから公式の理解はひとまず置いて、解法をまるごと暗記してしまえ。学生の間ではちょくちょく交わされるこの手の暴論を、灘高校から東大理�傾膤覆魏未燭靴神鎖晴憤紊�言ったから物議をかもしたのだ。
ぶっちゃけ、高校時代にこの本に出会っていればもう少し数学の成績が上がったと思う。というのも、僕自身、高校3年になっても数学の成績が上がらなかったため、受験に間に合わないと思って暗記に切り替えたからだ。自己流だったので、プランも何もなかったし、暗記の効率が良かったとは思えない。ただ即効性があったことは確かだ。
この本は数研出版の青チャートを丸ごと覚えることを目的として、その方法を具体的に説明している。さらに、むやみに暗記するのではなく、解法の意味を理解しながら暗記するという理解型暗記を推奨しているので、応用力も十分に養えると思う。高校1年生で大学受験を考えていて、なおかつ暗記で何とかしてやろうという野心家ならそれなりに効果のある本かもしれない。
だからといって、僕は決して暗記肯定論者ではない。ただ、上記のような点を否定できないところが悩ましいのだ。今、ちびちび読んでいる五島辰夫『世界史はこう整理してこう暗記する！』なんかも高校生のときに知っていれば、世界史の成績が10点以上伸びたと思う。暗記という言葉にはネガティブなイメージが付きまとうが、ナチュラルに頭のいい人というのは、暗記している感覚を持たずに覚えてしまっているだけなんじゃないだろうか。
Posted by Syun Osawa at 21:48
