bemod

2008年02月13日

MEZZO(全13話)

監督:梅津泰臣/2004年/日本/アニメ

MEZZO『メガゾーン23/PartII 秘密く・だ・さ・い』で梅津さんのファンになり、『A KITE』と『MEZZO FORTE』の神OVAを見ていれば、当然彼のテレビシリーズは凄いことになっていると思うのが自然だろう。

今回の作品も梅津さんが原作、脚本、監督をつとめており、制作が発表された当時は期待が膨らみまくりだった。それから随分年月が経って、ようやく鑑賞。うーん。これまでの流れで見てしまうと、どうしても粗のほうばかりが見えてしまったは仕方ないかな。

とはいえ、求道者のごとく、自分の道を突き進む梅津泰臣という人がアニメ界にいることを誇らしく思う気持ちは今も変わるところがない。

以下、感想メモ。

第01話 恋の殻

「アニメ観たー」って感じ。僕の好きな軽快に動くアニメ。TVシリーズになって『MEZZO FORTE』の頃のアクションは控えめになるのかと思ったら、動く動く。無茶する無茶するw ぶっ飛ばしな設定とか含めて、これジャパニメーションだよねって言ったりなんかして。

第02話 星の殻

いいねぇ。ぶっとびのSF設定。細かなドラマとか一切無視して、さっさとアクションシーンにいくんだもんなぁ。作画するほうからしたら大変だと思うんだけど、そういう心意気は大好き。あさみのこけっぷりとか凄い上手い。話は無茶苦茶だけどね。

第03話 恐の殻

冷却装置付のスーツケースに入った殺傷能力の高い最近を運ぶという仕事の回。運び屋のはずが、犯人に仕立て上げられるというとラップに引っかかった。わりと恐ろしい話のわりには、何だか妙にハートウォーミングな印象だけが残った。それにしても難しいレイアウトで画面つくるなぁ。時間も予算もなくて、それでも高いところで画面つくろうとしてて、志が高くて感心させられる。

第04話 嘘の殻

ちょっぴり雑な回だった。社長婦人の浮気調査。ミクラは今回は参加せず、男二人の調査。尾行の仕方から始まって、クラブでの乱闘劇、その後の展開。どれもこれも雑な感じ。どうしたんだろ?

第05話 嘘の殻 episode nega

第04話と同じ時間軸の別場面。パルプフィクション的試みは完全に失敗に終わっている。観ている人のほとんどがそう感じたと思うし、きっとそれは監督が一番わかっているだろう。久々にメゾフォルテの映像を見たが、あまりのクオリティの違いに愕然としてしまった。エロアニメの方がクオリティ高いって…。今回、ミクラの過去がかなり明かされた。神がかっていた前作『MEZZO FORTE』の複線が入っていたので、そっちに主眼がいってこういう形に落ち着いたのかな?

第06話 億の殻

原田の過去も明らかに。高校時代に付き合ったツンデレキャラのマノンという女性が、実はアサクラ技研がつくったアンドロイドで、それを知って怒った原田が研究室を破壊。捕まるという内容。マノンの精神はソフトウェアで、ハード部分は入れ物としての身体という捕らえ方がなされている。晩年の押井守の世界ですな。ここ数話でキャラクターの絵の感じが随分と変わってしまった気がする。

第07話 哀の殻

少女の霊が出るという幽霊マンションの話。そのマンションをヤクザが占拠しており、マンションの所有者が依頼してくるという流れ。ヤクザはフェイクで、核は所有者にあった。所有者の夫婦が40年前に自分の娘を殺し、ミイラにした。アクションはかなり少なめ。ハートウォーミング過ぎな感じもあるが、それは松来未祐さんの回だったことが原因か。松来未祐いい声してるよ松来未祐…って事で。

第08話 想の殻

安っちい回だった。夢をコントロールするってのは『トータルリコール』が元ネタだろうか。触手とか出てきて、完全なエロアニメの世界。神動画だった前作の『メゾフォルテ』はたしかにエロアニメだったが、こういうことはしなかったよなぁ。どうなんだろう。うーむ。

第09話 夢の殻

無差別殺人を行うピエロの話。あんまり記憶にない。

第10話 呪の殻

さすがにこのシナリオは無いなぁ。財宝の詰まったミイラの輸送を請け負う。この時点でもかなり無理はあるのだが、さらにその極秘裏の仕事が敵にモロばれしてるし…。カーチェイスの果てに敵が全部ネタばらしするし…。MEZZOは全面的に肯定したいのに、このストーリーはさすがに軽すぎて困る。話が大きくなるとどうしても無理の方が目立ってしまうなぁ。

第11話 幻の殻

なかなか面白いプロットだった。画面を見た人に自己催眠をかけるというコンピューターウィルスを使用して、ヤクザの組長の命を狙う。組長の側は何人も替え玉を用意するが、ウィルスによって殺人犯はランダムに現れるため、次々と替え玉は殺される。しかも催眠状態の殺人犯は殺しを終えると自爆するという徹底ぶり。その一人の替え玉に抜擢されたのが黒川。ここに別件で黒川の命を狙うブラックシザースの話が絡んだために、30分ではちょっと消化不良気味だった。ブラックシザー関連は何話もまたぎながら底流でずっと続いているが、リアリティにかけるのであまり好きではない。そういえば、組長を守る組員が普通にマシンガンを持って門の前に立ってたけど、このアニメの世界って日本じゃないのかな? 近未来の日本っぽいどこかって事なんだろうか。

第12話 因の殻

細かなプロットで興味深い展開。そういう演出が2度続いている。いい感じ。序盤の戦闘シーンなんかは間違いなく監督は不本意だろうな。このアニメって、ハリウッドのアクション映画と同様、画面のインパクトありきの演出だもんなぁ。ブラックシザースとの関係は悪くないし、おそらくアメリカのギャング物とか好きなんだろうなぁ…というのも伺える。僕もそういうの好きだし、この作品の持ってる雰囲気も好きなんだけど、どうもしっくりこない。残念。

第13話 壊の殻

所長とアイドルの関係が白昼のもとに晒され、何だかんだで、根の深い警察絡みの悪事が解決された。みんな無事だったしハッピーエンド。チョキチョキの人も残っていたりで、まぁ…いいんじゃないでしょうか。

Posted by Syun Osawa at 23:49