bemod

2008年03月19日

人類は衰退しました

田中ロミオ/2007年/小学館/文庫

人類は衰退しましたライトノベルって、軽く読めるからライトノベルと呼ばれていると思ってた…。うーん。確実に半マークずらされてしまった読後感。

ライトノベルをたくさん読んでいる人だったり、ノベル系のゲームをやりまくっている人ならば、玄人的なノリというか、一周か二周くらい回った後の楽しさみたいなところで読むんだろうけど、僕にはちょっとハードルが高かったかな。

物語の舞台は「猿の惑星」よろしく人類が衰退した世界で、人類にかわって妖精が繁栄している。その妖精たちの生態を開陳すること自体がそのまま作品の骨格になっており、世界設定開陳モノとして読むならば、そこに描かれるアイデアはなかなか面白い。そのあたりの世界観を作り出す上手さは、さすがはゲーム屋だなと感心させられる。

ただ、ほのぼのとした雰囲気とは裏腹に、メタ臭が漂っているので、僕が中学生の頃にこれを読んでそのまますんなり楽しめたかな? とか思うと、たぶん難しいと思う。僕の読書力はあの頃から進歩していないこともあり、そういう意味でもハードルの高い作品だった。

Posted by Syun Osawa at 16:33