bemod

2008年05月25日

ダーウィンの悪夢

監督:フーベルト・ザウパー/2004年/アメリカ/ドキュメンタリー

ダーウィンの悪夢悲惨やなぁ。ビクトリア湖に放たれた外来魚ナイルパーチが繁殖したことで、周辺住民の生活は向上するかに見えた。ところが、貧富の差は拡大し、生態系は壊れ、不幸の連鎖は今もなお続いている。

ナイルパーチは日本の安い弁当で使用されている白身魚のフライの正体らしい。オリジン弁当のノリ弁当とかよく食べるけど、あれもナイルパーチなんだろうか。

ところでこの映画、かなり恣意的につくられているとの声も多い。アフリカ各国で起きている内戦を助長しているのは、欧州から運ばれる武器であり、その対価として輸出されるナイルパーチは生活環境を破壊している。そのため先進国と発展途上国の間で交わされる取引は、結果として発展途上国の人たちに二重の苦しみを与えているのではないかという負の連鎖のストーリー。こうした流れがあらかじめ用意されており、それに沿って一部の事実を並べただけなのではないかという指摘があるのだ。

先進国へ向けた警鐘というドキュメンタリー映画の役割を見込んだがために、正しく現在のルワンダの状況を伝えていないのだとしたら残念だ。さらにまた、その表現方法が結果として、今のルワンダという国の評価を貶めているかもしれないと思うと複雑な気分になる。ルワンダはアフリカ諸国の中では比較的安定しているらしい。ただし、ビクトリア湖の環境問題が深刻であることは間違いないらしい。

Posted by Syun Osawa at 17:22