2008年09月29日
文章トレーニング
白井健策/1987年/筑摩書房/文庫
ようするに肩の力を抜いて文章を書きなさいということなんだろう。まぁ…そうだわな。
この手の本を読むときは、たいてい技術的なところを知りたくて読み始めるのだが、大抵の場合、心構えのところでお茶を濁されて終わってしまう。これはつまり、文章を上手に書くための技術などというものはほとんどなくて、むしろ何をどのように書くかという前段階のほうがが重要なのだということなのだろう。
文章の書き方については、書きたい内容を思いついたままメモに書き出し、それをパズルのように組み合わせてまとめるというシンプルな方式が紹介されていた。昔の新聞記者らしく、できるだけわかりやすく、短いセンテンスにするように心がけることをよしとしている。これもそのとおりなんだと思う。
特に肩の力を抜いて書けというところは、ボクシングのパンチにもつながる話で共感できる。パンチを打つには当然力を入れなければならない。しかし、肩に力を入れてパンチを打つと連続した素早いパンチを打つことは不可能になる。一見矛盾しているようなことを要求しているところがよく似ている。重要なのはパンチを打つための回転の軸となる部分。文章で言うなら話の核となるネタなわけで、そこを強固なものにするのが一番難しかったりする。当たり前の話だな。
Posted by Syun Osawa at 01:23