bemod

2008年11月06日

BLACK MAGIC MARIONETTE-66

監督:士郎正宗/監督:北久保弘之/1987年/日本/アニメ

BLACK MAGIC MARIONETTE-66めちゃめちゃ面白かったw

軍が開発している人型ロボットが完成間近に移送中のトラブルで暴走。プログラムで書き込まれた相手を殺すために作られたこのロボットは、仮プログラムとして入力されていた開発者の娘の命を狙う。そんな中、偶然今回の事件に遭遇したフリージャーナリストが、ロボットが娘の命を狙っていることを知ることになり、娘のもとへ向かう。

早い話が「ターミネーター」ですな。強いロボットが娘とフリージャーナリストを追って追って追いまくるというだけの話。この単純さが成功していて、ブレがないからスピード感が保たれたまま最後まで突き進んでいる。

人型ロボットは圧倒的に強い。ただし、2体あったロボットのうち一体は序盤に軍隊の手で破壊される。この流れから、誰も止められないほどの強さはないことが示されているのも上手い。

一人の少女を助けるために十数人の兵士の命が奪われた。そして、この人型ロボットは修理されて敵国へ向けた兵器として用いられることが最後にさりげなく示される。こういうテーマ性を最後にチョロッと入れる演出も王道で安定感がある。

こういうハリウッド映画のような作り方でつくられたアニメって最近はほとんど見ないような気がする。巨匠たちは独自路線に行きたがるし、若手は日本国内で受容されている商業アニメの方向で作品を作っているから、ハリウッドを意識する必要もないのだろう。強いストーリーに引っ張られたハリウッド映画のエッセンスは、今の日本のアニメ業界でも普通に使えばいいように思うし、個人的にはそういう作品がたくさん見たいという思ったりもする。

ちなみに作画監督が沖浦啓之さんだったりでスタッフも豪華。ともかく古き良き日本アニメの見本みたいな作品だった。

Posted by Syun Osawa at 01:17