2008年11月25日
早稲田文学 十時間連続公開シンポジウム
2008年10月19日/10:30−20:30/国際会議場・井深大記念ホール
登壇した面子が豪華だった。
今回のシンポジウムは4部構成(プラス余興が2つ)になっていて、1コマの長さは2時間くらい。かなりの長丁場だったにも関わらず、どのコマの議論も充実していて飽きることがなかった。
やっぱこういう場ではしゃべりがこなれている人、キャラが立っている人が強いねぇ。特に東浩紀さんが全部のコマに参加していたことが、盛り上がった一つの要因だったのかもしれない(つーかそうでしょう)。
ともかく、座りっぱなしの10時間はさすがに疲れた…。
pod 1 文化メディアの現在
論壇プロレスを見ることのできた唯一の回。朝から「佐々木敦 VS 東浩紀」のバトルが見れたのはよかった。最初のきっかけは『エクス・ポ』の編集者による宇野常寛批判だったんだけど、そこから親同士の争いって感じに展開した。よーするに、下北沢から音楽を通じて批評している人にしたら「ゼロアカはダサい」ってことなんだろうかね。
僕も6年くらい下北沢で働いていたし、音楽評論も大学生の前半くらいまでは好きだった(ベタにロッキングオンですが…)。ただ、エレクトロニカについて言うと、音楽雑誌とCDショップ経由ではなくオンライン・レーベル経由で音を聞くようになった10年前から、少なくともエレクトロニカの中にヒエラルキーを見つけることは絶対に不可能だと思うに至っている。よーするに、下北幻想はエレクトロニカの全体性を確保していないってことですね(当たり前か)。
pod 2 日本小説の現在
この回は「渡部 VS 東」の緩やかな新旧世代間闘争。渡部直巳さんの話が面白かったし勉強になった。
exe 1 ゼロアカ道場告知
昼飯食っていたので見ていない。ニコニコ動画と東ブログを見ると、軽くすべった模様。
pod 3 文芸批評の今日的役割について
大澤真幸と福田和也が並んでるだけで、もの凄く豪華に感じる。宇野さんが批評について「江藤淳みたいに、ぬえみたいな文章を書きたい」と言ったのに対して、大澤さんは「そういう文章を書きたくないというのが出発点だった」と言ったのがとても印象的だった。世代的には宇野さんと近いが、大澤さんの話のほうがより共感できた。
pod 4 読者と小説
文学系のシンポジウムって言ったらこんな感じだよね! って感じの回。アイドル評論家としての中森明夫さんの力量が光った。アイドル評論の話から始めて、北乃きい主演の映画の原作が早稲田文学新人賞の作家によるものだという話にもっていく展開はさすが。あそこでプレイヤーとして「書評ってこういうことでしょ?」という風に示してみせたのがよかった。
ただし、夏帆主演の映画『天然コケコッコー』の話については、中森さんはちょっとだけ重要なことを隠蔽した。「あの映画は夏帆が可愛い」と結論付けたが、アイドルオタク的には当然足りない。「あの映画は夏帆の水着が見れる」これが正解なので。
exe 2 東浩紀×阿部和重対談
奇跡の再開。5年ぶりらしい。阿部さんって40歳なんだ…。見えない。
(追記)
新城カズマさんが最後に言った「東浩紀は誘い受け」という言葉が一番ツボに入った。
Posted by Syun Osawa at 00:36