bemod

2008年12月18日

火の鳥 鳳凰編

監督:りんたろう/1986年/日本/アニメ

火の鳥 鳳凰編この映画を劇場で観たのは小学生の頃だったか。たしか『時の旅人』という映画との同時上映だったような気がする。月日の経つのは早いもんですな。

驚くべきことに、この作品から受けた印象は、小学生のときに僕が感じたものと大差がなかった。殺戮の限りをつくしていた我王の罪が、テントウ虫を助けたというエピソードだけで許されるわけもなく、その一方で茜丸の愚かな振る舞いに同情することもできない。そのため、勧善懲悪のカタルシスを得ることができないのだ。僕はただ、愚かなキャラクターたちを眺めながら、優しさと罪深さは誰の心にも同居していて、それはいつの時代も変わらないということを、小学生の僕も今の僕も同じように感じさせられたのだった(成長してないなw)。

プロットについては、悪人と善人と思われる人間を最初に対立する形で配置し、そのキャラクター像を後半に入れ替えることで深い人間像を作り出しているところに、手塚治虫のストーリー作りの上手さを感じる。

Posted by Syun Osawa at 00:13