bemod

2009年03月19日

臆病者のための株入門

橘玲/2006年/文藝春秋/新書

臆病者のための株入門最近、投資関連の本をいろいろ読んでいるが、どれもこれも勉強になるものばかり。この本も投資関連の経済の話がとてもわかりやすく書かれている。

特に金融商品のからくりについてはとても勉強になった。ワンルームマンションの話とか年利1%の銀行の定期預金の話とか、そのからくりを知らされて「なるほど!」と思ったものが多い。それだけ僕には金融リテラシーがなかったのだ。

僕が読んだ本はどれも結論としては「インデックスしかないよ」というもので、それは世界経済の成長性をまるごと購入しようとしているわけだ。この方法は、期待リターンがプラスであり、資本主義の自己増殖システムであるというお題目を信仰しているからこそ成り立っている。

この本ももちろんそれを最後には言っている。ただ、この方法だとあまり大きな儲けにはならないので、できるだけ手数料の安いものにしようと…個人でしかも投資に時間をかけたくない人はこれ以上の選択肢を見つけるのは難しいのかもしれない。

ところで、上の結論とは別に、この本では投資に関して証券会社と関わるよりもまっとうな方法があると言っている。それは、サラリーマンは毎月給料というキャッシュフローがあるのだから、自分自身の「はたらくという価値」にもっと投資しろというものだ。

 20代や30代は資産全体に占める人的資本の比率が圧倒的に高いから、人並み以上の金持ちになろうと思えば、自分自身という資産をいかに活用し、そこからどれだけの富を生み出せるかがすべてだ。「資産運用は若いときからはじめるべき」といわれるけど、ボーナスで残った5万円や10万円をなにに投資しようか考えてる場合じゃない。だが人的資本は年齢とともに減価し、退職した時点でゼロになってしまう。
 この大きな資産を考慮に入れないアセットアロケーション理論は、どれほど精密なものであっても、まったく役に立たないのである。

Posted by Syun Osawa at 00:52