2009年05月12日
ネット時代の反論術
仲正昌樹/2006年/文藝春秋/新書
この本の序文に、くだらない批判にまともに反論すること自体が愚かだと書かれている。だからその反論の術を身につけるために、この本を読んでる僕はかなりの愚か者なのだ。
愚か者になりたくなければ、くだらない批判にまともに反論するな。取り合うな。時間の無駄だ。ようするに、そういうことである。
それでも反論したいと考えている人なら、この本も少し役に立つかもしれない。
反論するならば、カッとなって反論するのではなく、「なぜ自分は反論したいのか?」を考えなければならない。そして、その理由が「カッとなった」なら却下。相手から受けた批判をスルーすれば、自分の味方が逃げたと勘違いし、今後の活動に支障をきたすということなら反論する必要はあるかもしれない。しかし、そんな場合でも、相手を叩くような反論をするのではなく、あくまで自分の味方に向けてアピールすることを忘れてはならない。つまり、味方が望む反論をするべきなのだ。完全なポピュリズムですなw
そういう不真面目な態度が嫌ならば、論争になることを見越してルールを決める必要がある。争点がが逸れないように第三者を設けてキッチリやるしかないのだ。ただ、ネットで感想を書き連ねているようなブロガーの多くは、ルールを決めてまで論争をしたいとは思わないだろう。もちろん僕も思わない。だから何かしらの批判を受けてカッとしたとしたら、そのときはこの本を読んで、その「カッ」がいかにくだらないかを思い出すのがいいのだろうね。
とは言うものの…
僕が巡回してROMってるスレにおいては、絶えず不毛な煽り合いが行われているケースが少なくない(例えばネットサービス板やYoutube板など)。突発的に起こる祭りや不適切発言で書き込みが集中するブログの炎上などは、ネットリテラシーの高まりによってその対処法(主にスルー)が定着してきた感はあるが、それでも煽りコメントが減る気配は無い。
著者は2ちゃんねるでの批判は鼻から相手にしていないが、僕は2ちゃんねるが大好きなので、こういう場所での煽り合いを見捨てたくはない(というか見捨てることはできない。なぜなら僕自身の問題でもあるしw)。だから著者とは異なる階層に生きる、僕も含めたウンコ製造機たちの煽り合いが、それなりの方向へ誘導されるような実践的に役立つ反論術みたいなものは必要だろう。セーフティーネットの亜種だと思って、そして人助けだと思って誰か偉い人…書いてくれないかな。
Posted by Syun Osawa at 01:01