bemod

2009年09月25日

天河伝説殺人事件

監督:市川崑/1991年/日本

天河伝説殺人事件岸恵子いいなぁ。演技とかじゃなくて、存在そのものがw この映画に登場する岸恵子の年齢は59歳。映画では、榎木孝明演じる浅見光彦が、岸恵子に憧れ(恋心も少しは含んでいるだろう)を抱くという設定になっているけど、全然違和感ない。

キャストは市川映画だけあって豪華。ただ如何せん、時期がバブルの絶頂期だったために、何もかもがおかしなことになっている。特にファッションが際立ってダサい。主人公の浅見なんてジャガーに乗ってるし、ボディコン&太眉だし、この違和感って何だろうか。ファッションセンスってループしてるから、60年代とか70年代の作品を観てもわりとダサいとかいう感情は浮かばないのに、このバブルの臨界期だけは他のどの年代とも地続きではない不思議な場所のようにも感じられる。

音楽なんかはそういう違和感はあまり感じられない。70年代の市川金田一ではフリージャズが使われていたが、今回はシンセが多用されている。この音楽の変遷は自然なもので、シンセの大胆な導入は今の流れともかなり整合性が取れているように思う。やっぱりファッションセンスとかライフスタイルみたいなものがおかしなことになっていたんだろうな。

演出面は昔と大差なし。前半の会話劇で人間関係をきっちり説明するところも、20分前にネタバレする流れも相変わらず。ただ、今回は上映時間が少し短かった事もあって、殺人にいたるドラマの部分が希薄になっていたようにも思う。それは横溝正史と内田康夫という原作者の違いなのかもしれないが…。

そうそう。相変わらずというか、変わらないといえば、大滝秀治は全然変わらないね。

Posted by Syun Osawa at 00:39