bemod

2009年12月11日

宙博 2009

2009年12月3日−6日/東京国際フォーラム 展示ホールB

宙博 2009人多すぎw 朝から長蛇の列が出来ていて、入場までにかなり長い時間待たされた。公式サイトの入場者数を見たら、あんな狭いスペースに1万人以上来たらしい。超地味なイベントだと思ってたのに、会場内もかなり混雑していて、正直「何でやねん…」って思いが消えなかったのだが、どうやら学校でチケットを配っていたらしい。どうりで異様に親子連れが多かったわけか…。

でも、今回のイベントに参加していた団体は、宇宙航空研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構、東京大学数物連携宇宙研究機構などで、展示している内容ははっきり言って超高度。ロケットの構造にしたって、加速器の話にしたって、電気の伝達装置にしたって、展示パネルに書かれている内容はかなり難しく、客と展示のレベルのギャップを微妙に感じていた。

イベント内で行われた久保田孝氏による講演「月惑星探査ロボットについて」を聴いていたが、あまり手加減してくれないので、「これは…子どもには厳しいんのは?」と思いながら聞いていた。すると、最後の質疑のところで、子どもが次々に手を挙げて、なかなか高度な質問をするではないか! これには驚いた。今回のイベントの展示内容が難しいなぁ…なんて思っていたのは僕だけなのかもしれないw 日本の科学少年恐るべしw

そんなわけで、一番情弱だった僕にとって、今回のイベントは初歩的なレベルで勉強になることが多かった。例えば、宇宙の膨張の話で、その膨張の速度が加速度的に大きくなっており、光速をはるかに超えているらしい。つまり、この先どれだけ地球が長生きしたとしても、光より早く膨張している空間からの光は永遠に地球へは届かないのだ。宇宙誕生から137億年しか経ってないわけだから、それくらい分量の光しか地球には届かないということになるのだろうか…?

他にも、超伝導送電などは地味ながら勉強になった。砂漠などに設置された太陽光パネルで得た電気エネルギーを、超伝導送電するときには、交流ではなく直流で運ぶらしい。僕はエジソンとテスラの直流・交流をめぐる戦いくらいしか知らないし、そのときは長距離を運ぶには高電圧で運べる交流のほうが適しているとして交流が電力供給のメインストリームになったはずだ。しかし、超伝導になると距離の概念を無視できるから、直流でも交流でも関係がなくなる。しかも、太陽光パネルの電気エネルギーは直流で得られるので、使いやすい直流のほうが採用されているということのようだ。

この二つの事柄を接続すると次のようなことが明らかになってくる。

地球上では科学技術の発達で、伝達スピードは向上し続けており、まずます距離に対する感覚がゼロに近づいている。しかし宇宙に目を向けると、宇宙は光よりも速いスピードで広がり続けており、もはや地球上でその端にある光を目にすることすら適わない(そもそも無理だという突っ込みはさておき…)。この極端な狭さと広さ、ゼロか無限かという状況は一体なんだろうか? こんな状況では、日々の生活の中で、コミュニケーションに対する圧力が高まり続けても仕方ないよな…と思わずにはいられない。浅田彰氏のいうスキゾキッズ達は一体どこへ逃げればいいのだろうか。

月面探査機(宙博 2009)

次回はこういうロボットをもっと集めて、大きな規模でやってほしい。

Posted by Syun Osawa at 00:49