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2010年04月06日

第13回 ロボットグランプリ 大道芸ロボット競技

2010年3月27日/13:00−16:30/科学技術館

第13回 ロボット グランプリ日本機械学会が主催しているロボットコンテストの大道芸ロボット競技部門を見に行った。この部門は、ロボット製作の技術もさることながら、それを大道芸としていかに見せるかということもポイントになっており、その点が、最近興味のあるメディアアートの文脈でも楽しめるかも…と密かな期待を寄せていた。

素朴な感想としては、有名大学の大学生でもロボットを作るのは難しいんだなと…。特に重量の壁はなかなか厚そうで、ロボットのサイズが大きくなればなるほどモーターが悲鳴を上げている感じだった。原因不明のトラブルで実演が途中で中断されることもしばしばで、コンピューターの中のCGとはそういった部分が決定的に違うことを実感した。

メディアアート的な視点で観れば、メディア操作(見せ方)のほうはやや弱い印象を受けた。これは技術屋の宿命みたいなものかもしれないが、例えば北欧で20年以上前から活発に行われているメガデモのパーティーでは、プログラマとデザイナーとサウンドクリエイターが一つのチームを組んで作品作りに取り組んでいる。そのため、完成された作品はどれも技術面とビジュアル面の両方から底上げされており、技術的に弱くても作品としてはそれ以上の価値を持つものが少なくない。

日本でも、企業のものになるとデザイナーが入ってビジュアル面や打ち出し方といったコンセプトに力が入っているのだが、学生レベルになると途端にそうした部分が薄くなってしまう。ソフトはソフト、ハードはハードという時代ではないので、ハイブリッドした大会が少しずつでも増えていってくれたら、観客としては嬉しいんだけどね。

ハイブリッドといえば、結局ゼロからロボットを組み上げるのは何かと難しく、そこに技術的な障壁が毎度つきまとう。どこかのチームがIH調理器を利用していたが、ああいった形ですでにある機械を改造して、アイデアを1つプラスする形で作品を作っていくような形式(プログラムで言えば、オブジェクト志向みたいな感じ?)にすれば、2010年代のロボット競技もさらに外側に開けていくんではないかと思った。まぁ、学生さんが技術を学ぶ大会なんだから、そもそもそういう話ではないのかもしれないけど。

Posted by Syun Osawa at 00:19