bemod

2010年08月06日

ステップ・アップ

監督:アン・フレッチャー/2006年/アメリカ

ステップ・アップYoutubeでブレイクダンスの動画にハマって、最近ではダンス映画にも手を出し始めている今日この頃。いい歳して、自分でも踊りたい欲望を抑えきれないままに、今日もダンス映画を見る。

僕はGEOで偶然見かけるまで、この映画の存在をまったく知らなかった。すでに2も出ており、2010年の夏にはアメリカで3D版の新作が公開されるらしい。日本でそれほど話題になった記憶はないのだが、アメリカではそれなりに流行ったということだろうか。アメリカ人はやたらとダンスが好きだから、この手の映画は鉄板なのかもね。

内容は、黒人文化で生きる貧乏な白人青年が、夢を見つけてその一歩を踏み出すまでの青春グラフティといった感じ。ストリートにいる若者がどうやって芸術学校の人間と接点を持つかというところが最初の鍵になるのだが、そういったあたりは上手く工夫されている。芸術学校に通うヒロインの卒業発表で一緒に踊ることになっていたダンスパートナーが怪我をし、急遽代役が必要となる。そこで奉仕活動のために学校にいた主人公が急遽第百を引き受けるという流れだ。当然のごとく、ダンスパートナーとは恋仲になるし、あれやこれやとトントン拍子に舞台が整えられていく。よくも悪くもハリウッドらしいカッチリとしたプロットである。

しかし、そんなプロットの練りなどはこの映画においてはあまり重要ではない。この映画の魅力はストーリーよりもダンスにあって、ご都合主義で整えられていく舞台はすべてダンスのための演出に在るといっていいからだ。本作では、中盤のクラブでのダンスと、最後の卒業発表のダンスはバレエとストリートダンスをハイブリッドするというゼロ年代対応のダンス(適当w)が展開されていて、ここを見れただけでもレンタル代の元はとったなとw まぁ、Youtubeにはこの映画のダンスシーンだけを上げている人がいっぱいいるので、それだけ見とけばいいじゃないかと言われればそれまでだが…。

ところで、この映画で一点だけ気になったのは、ストリートダンスでありながら、主人公が白人男性だったことだ。黒人コミュニティの中に生きる白人がのし上がるというストーリーの典型はエミネムだと思うのだが、このストーリーを受け入れているのは黒人の若者だろうか? それとも白人の若者だろうか? 今はそういう区分けは関係ないのかもしれないが、何となく白人が黒人の文化(ストリートダンスやヒップホップ)を上手く自分達のコンテクストに引き入れるための手段として、こういう階層の人を主人公にチョイスしている気がしないでもない(他にそういう映画がたくさんあるのかどうか知らないので、適当な話です)。

あと、ブレイクダンスに限って言えば、今は世界中に愛好者がおり、黒人だけがやっているわけではない。Youtubeの動画を見るかぎり、むしろ黒人は少ない。だから、ストリートダンス=黒人文化なんて感覚で見てしまうと、僕みたいなおっさんはどんどん取り残されていってしまうのかも。うーん。

ともかく、2を見よう。

Posted by Syun Osawa at 01:07